
若駒たちが駆け抜ける「鎌倉記念(S2)」
“地方交流”として行われる2歳重賞。
南関東、さらには全国各地から有力馬が参戦するレースを分析してみよう。
なお、2024年より距離が「1,500m」⇒「1,600m」に変更となっている。
▼データ分析のポイント
・1,2番人気は揃って連対率70%だが…
・矢野騎手が近況好調
・ホッカイドウ競馬での経験 vs 南関東の素質
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2024年 | ベアバッキューン | 川崎 | モズアスコット | 1人気 |
2023年 | サントノーレ | 北海道 | エピカリス | 2人気 |
2022年 | ヒーローコール | 浦和 | ホッコータルマエ | 1人気 |
2021年 | シルトプレ | 北海道 | ワールドエース | 4人気 |
2020年 | リーチ | 北海道 | グランプリボス | 3人気 |
2019年 | インペリシャブル | 川崎 | エスポワールシチー | 1人気 |
2018年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 1人気 |
2017年 | リコーワルサー | 大井 | ブラックタイド | 7人気 |
2016年 | ストーンリバー | 北海道 | ホワイトマズル | 2人気 |
2015年 | ポッドガイ | 川崎 | パイロ | 1人気 |
「南関東」と「ホッカイドウ競馬」の馬たちがハイレベルな戦いを繰り広げている。
過去10年の優勝馬ではミューチャリーが南関東のクラシックホースに。
さらに、2021年覇者シルトプレは「北斗盃(旧H2)」「北海優駿(H1)」を制してホッカイドウ競馬の二冠馬に輝くことになる。
また、2022年覇者ヒーローコール、2023年覇者サントノーレは3歳秋の「戸塚記念(S1)」を勝利。
過去10年の優勝馬のうち、実に8頭が複数の重賞を勝利する実力馬たちだ。
矢野貴之騎手が好成績
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2024年 | 町田 直希 | 御神本 訓史 | 岡村 健司 |
2023年 | 服部 茂史 | 森 泰斗 | 吉原 寛人 |
2022年 | 左海 誠二 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 |
2021年 | 笹川 翼 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 |
2020年 | 本田 正重 | 今野 忠成 | 森 泰斗 |
2019年 | 矢野 貴之 | 赤岡 修次 | 今野 忠成 |
2018年 | 御神本 訓史 | 五十嵐 冬樹 | 今野 忠成 |
2017年 | 森 泰斗 | 真島 大輔 | 山崎 誠士 |
2016年 | 井上 幹太 | 真島 大輔 | 石崎 駿 |
2015年 | 矢野 貴之 | 的場 文男 | 真島 大輔 |
過去10年で2勝、2着2回と相性が良いのは「矢野貴之騎手」。
トップジョッキーの「矢野貴之騎手」は人気馬に騎乗するケースが多く、勝利した2回はともに1番人気、2着2回も1番人気と2番人気だった。
※鎌倉記念には7回騎乗して、残りの3回は1,5,8人気
地元の川崎所属騎手では「今野忠成騎手」が2着1回、3着2回。
鎌倉記念は今年で24回目を迎えるが、「今野忠成騎手」は過去に3勝の実績がある。
また、2024年は同じく川崎所属の「町田直希騎手」が勝利。
地元騎手の勝利は2013年の「今野忠成騎手」以来、11年ぶりの出来事だった。
南関東vsホッカイドウ競馬
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 2 | 2 | 12 | 5.9% | 17.6% |
船橋 | 1 | 1 | 2 | 11 | 6.7% | 13.3% |
大井 | 1 | 2 | 0 | 8 | 9.1% | 27.3% |
川崎 | 3 | 0 | 5 | 34 | 7.1% | 7.1% |
南関以外 | 4 | 5 | 1 | 16 | 15.4% | 34.6% |
「南関東4場」の計6勝、2着5回に対して、「南関以外」の所属馬は4勝、2着5回。
「南関以外」で3着内に好走しているのは「ホッカイドウ競馬」所属馬のみなので、実質的には「南関東vsホッカイドウ競馬」となる。
2016年以降、9年連続で「南関東4場」と「ホッカイドウ競馬」がワンツー。
内訳は「南関東4場」が5勝、2着4回、「ホッカイドウ競馬」が4勝、2着5回で、同地区同士のワンツーは2015年を最後に出ていない。
「南関東勢」が地の利を生かすか、2歳戦のメッカでもある「ホッカイドウ競馬勢」が遠征を克服するか…
データ上では全くの互角と言って良さそうだ。
なお、ホッカイドウ競馬所属を抜き出してみると…
2018年2着リンゾウチャネル、2019年2着アベニンドリーム、2021年1着シルトプレは翌年の「北海優駿」を制覇。
2023年の1着馬サントノーレは翌年の「京浜盃(Jpn2)」を勝利しており、同地区からは一流馬が参戦してくる傾向にある。
南関生え抜きvsホッカイドウ競馬デビュー馬!
デビュー地区 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
南関東 | 6 | 5 | 9 | 64 | 7.1% | 13.1% |
ホッカイドウ競馬 | 4 | 5 | 1 | 16 | 15.4% | 34.6% |
その他 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
続いて、「デビューした地区別」の成績。
前項の「所属競馬場別の成績」と同様、「南関東デビュー馬」と「ホッカイドウ競馬デビュー馬」が互角の成績となった。
近年はホッカイドウ競馬でデビューして、翌年の南関東クラシック(3歳ダート三冠)へと歩みを進める馬も多いが、
鎌倉記念の時点では、“南関東生え抜き馬”も結果を出していると言えそうだ。
ちなみに、ホッカイドウ競馬から南関東移籍後に鎌倉記念を勝利した馬は過去10年で0頭。
初経験でも問題なし!?
左回り | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
経験あり | 6 | 4 | 9 | 63 | 7.3% | 12.2% |
経験なし | 4 | 6 | 1 | 18 | 13.8% | 34.5% |
こちらは「左回りの経験有無」による成績だが、「経験なし」は概ねホッカイドウ競馬勢が該当するので、ご参考までに。
南関東のコース設定は、浦和・船橋・川崎が「左回り」、大井が「右回り(※)」。
南関東以外の地方競馬は盛岡のみ「左回り」で、その他は全て「右回り」で行われている。
※大井競馬は2021年より「左回り」も実施(2025.9.19時点で2歳戦の施行はなし)
となると、鎌倉記念で注目したいのは「左回りの経験」だ。
鎌倉記念が「初の左回り」となった馬はのべ29頭出走し、4勝、2着6回、3着1回。
個々の馬の資質にもよるが、初の左回りでも対応している馬が多いということだろう。
1,2番人気が人気通りの着順に
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 2 | 0 | 3 | 50.0% | 70.0% |
2人気 | 2 | 5 | 1 | 2 | 20.0% | 70.0% |
3人気 | 1 | 0 | 4 | 5 | 10.0% | 10.0% |
4人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% |
5人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 1 | 3 | 3 | 54 | 1.6% | 6.6% |
「1番人気馬」&「2番人気馬」の信頼度が高い。
過去10年で計7勝、2着7回となり、連対率は「1番人気馬」「2番人気馬」ともに70.0%となっている。
その内訳を見てみると、「1番人気馬」が5勝、2着2回、「2番人気馬」が2勝、2着5回なので人気通りとも言えそう。
※1,2番人気馬のワンツーは5回、うち4回は1番人気馬が先着
また、見逃せないのが「6番人気以下」の1勝、2着3回、3着3回。
堅実な上位人気馬との組み合わせに妙味がありそうだ。
高配当も期待できそう
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2024年 | 110 | 230 | 640 |
2023年 | 430 | 5,990 | 55,120 |
2022年 | 160 | 350 | 1,190 |
2021年 | 1,430 | 680 | 8,500 |
2020年 | 580 | 3,690 | 38,920 |
2019年 | 140 | 870 | 25,300 |
2018年 | 190 | 560 | 7,780 |
2017年 | 1,300 | 3,160 | 58,530 |
2016年 | 340 | 590 | 7,950 |
2015年 | 200 | 230 | 1,610 |
平均 | 488 | 1,635 | 20,554 |
人気通りの決着となった2015年、2022年、2024年は非常に堅い決着。
「単勝」「馬複」「三連単」はいずれも「1番人気」という結果となっている。
しかしながら、「馬複」「三連単」の平均配当はそれほど低くない。
「6番人気以下」の馬が3着内に好走したのは過去10年で7頭。
うち、連対した2017年・2019年・2020年・2023年は高配当だった。
外枠勢が有利!?
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 2 | 2 | 0 | 6 | 20.0% | 40.0% |
3枠 | 1 | 2 | 0 | 8 | 9.1% | 27.3% |
4枠 | 0 | 0 | 2 | 12 | 0.0% | 0.0% |
5枠 | 0 | 4 | 3 | 7 | 0.0% | 28.6% |
6枠 | 3 | 1 | 1 | 12 | 17.6% | 23.5% |
7枠 | 3 | 0 | 1 | 13 | 17.6% | 17.6% |
8枠 | 1 | 1 | 1 | 15 | 5.6% | 11.1% |
「1枠~4枠」の成績を合計すると3勝、2着4回、3着4回。
同様に「5枠~8枠」は7勝、2着6回、3着6回となっている。
3着内の回数は「1枠~4枠:11回」に対して、「5枠~8枠:19回」となり、データ上では「外枠有利」の傾向にあるようだ。
牡馬が優勢!
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 9 | 8 | 66 | 10.8% | 20.4% |
牝馬 | 0 | 1 | 2 | 15 | 0.0% | 5.6% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
過去10年で「牡馬」が10勝、2着9回、3着8回。
「牝馬」は負担重量(※)で1kgのアドバンテージはあるが、「牡馬有利」のデータとなっている。
※負担重量:「牡馬55kg」「牝馬54kg」
今年のトライアルは取り止め
若武者賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
若武者賞1着 | 3 | 1 | 2 | 3 | 33.3% | 44.4% |
若武者賞2着 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% |
若武者賞3着 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0.0% | 0.0% |
若武者賞4着以下 | 0 | 0 | 0 | 13 | 0.0% | 0.0% |
※2025年の若武者賞は天候不順、馬場不良のため取り止め
2023年に準重賞から重賞に昇格した「若武者賞(S3)」。
準重賞当時から鎌倉記念トライアルの役割を担っており、鎌倉記念との関連性も高いものとなっている。
過去10年で若武者賞覇者は9頭が参戦して3勝、2着1回、3着2回。
連対率44.4%、3着内率66.7%と抜群の成績を誇るのだが…2025年は別路線組に注目せざるを得ない。
2025年若武者賞の結果(取り止め)
ルーキーズSC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ルーキーズSC1着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
ルーキーズSC2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
ルーキーズSC3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
ルーキーズSC4着以下 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
南関東最初の2歳重賞「ルーキーズサマーカップ(S3)」。
2022年に準重賞として実施されると、翌2023年には重賞へと昇格している。
直近3年で「ルーキーズサマーカップ」からの参戦は2023年の2頭のみ。
まだまだサンプル数は少ないが、その2023年は「ルーキーズサマーカップ」覇者が参戦して4着。
さらに、同5着馬が2着に好走したように、両レースの関連性は今後深まっていくのではないだろうか。
特に2025年は重要な前哨戦「若武者賞」が実施されていないので、「ルーキーズサマーカップ」からの参戦馬には注目が集まりそうだ。
2025年ルーキーズサマーカップの結果
競走馬は経験が大切?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
3戦以内 | 5 | 6 | 5 | 32 | 10.4% | 22.9% |
4戦以上 | 5 | 4 | 5 | 49 | 7.9% | 14.3% |
こちらは「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けたデータとなる。
「レース経験数」が「3戦以内」の馬は5勝、2着6回、3着5回。
対する「4戦以上」も5勝、2着4回、3着5回なので、データ上ではレース経験の有無は問わないという結果になっている。
ちなみに、過去10年で「1戦のみ」の馬は3頭出走して全て4着以下。
一方、「2戦」の馬は13頭出走して2勝、2着1回、3着2回となり、3着内に好走した5頭は全て南関東所属馬だ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月22日(水)に大井競馬場で行われる「マイルグランプリ(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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