~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年3月26日(水) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(Jpn2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(Jpn2)」
京浜盃は南関東クラシックの登竜門として幾多の名馬を送り出してきた。
それは3歳ダート三冠が創設されても変わりなく、クラシックを狙う有力馬たちが勢揃いする一戦だ。

なお、京浜盃で付与される3歳ダート三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」の優先出走権は以下の通り。
○地方所属馬:上位2頭
○JRA所属馬 :5着以内の上位2頭

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 サントノーレ 大井 エピカリス 3人気
2023年 サベージ 大井 ディープスカイ 4人気
2022年 シャルフジン 船橋 ヘニーヒューズ 1人気
2021年 チサット 大井 スマートファルコン 3人気
2020年 ブラヴール 船橋 セレン 8人気
2019年 ステッペンウルフ 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気

3歳ダート三冠初戦「羽田盃」の前哨戦。
JRAの「弥生賞(G2)」と同じような位置付けといえばイメージしやすいだろうか。

南関東所属馬限定で実施されていた2023年以前の優勝馬を振り返ってみると、その後、南関東クラシックで活躍する馬がズラリと並ぶ。
2015年~2023年までの優勝馬9頭中、後の南関クラシックホースは3頭、3着内にまで広げると計8頭にもなる。

ダートグレード競走として生まれ変わった2024年はどうだろう。
優勝馬サントノーレこそ怪我で春シーズンを休養に充てたが、2着アンモシエラは牝馬ながら「羽田盃」2着、「東京ダービー(Jpn1)」3着の活躍。

JRA所属馬にとっては出走枠を獲得するのも大変だが、京浜盃好走=クラシックの主役という傾向は揺るがないところだろう。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 服部 茂史 坂井 瑠星 B.ムルザバエフ
2023年 石崎 駿 本田 正重 矢野 貴之
2022年 御神本 訓史 本橋 孝太 矢野 貴之
2021年 笹川 翼 矢野 貴之 真島 大輔
2020年 本橋 孝太 矢野 貴之 赤岡 修次
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 本橋 孝太
2018年 本橋 孝太 御神本 訓史 柏木 健宏
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人

「御神本訓史騎手」「本橋孝太騎手」が2勝ずつ。
また、「矢野貴之騎手」は2着2回、3着3回と勝ち星こそないものの活躍している。

なお、2024年は1着から順に「服部茂史騎手」⇒「坂井瑠星騎手」⇒「B.ムルザバエフ騎手」とバラエティに富んだ結果だった。

船橋&大井は侮れない

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 2 1 21 4.0% 12.0%
船橋 6 4 2 25 16.2% 27.0%
大井 3 3 6 36 6.3% 12.5%
川崎 0 0 0 13 0.0% 0.0%
JRA 0 1 1 1 0.0% 33.3%
南関以外 0 0 0 2 0.0% 0.0%

「船橋所属馬」が6勝、2着4回、3着2回。
これを見ても明らかな通り、南関東クラシックは「船橋所属馬」が中心的な存在を担っていた。

これに続くのが地元の「大井所属馬」。
特に近年は好成績を残しており、2021年チサット、2023年サベージ、そしてダートグレード競走初年度はサントノーレが制している。

2024年のJRA勢は3頭出走して2着~4着と軽視は禁物だが、素質馬揃いの「船橋」&「大井」も侮れないところだろう。

ダートグレード競走で傾向にも変化が?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
2人気 1 3 1 5 10.0% 40.0%
3人気 5 1 1 3 50.0% 60.0%
4人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
5人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
6人気以下 1 4 5 68 1.3% 6.4%

「1~3番人気馬」が合計8勝を挙げている。
一方、3強揃い踏みとなった年は1度しかなく、「4番人気以下」の馬が割って入るケースが多い。

なお、3強揃い踏みとなったのは2024年で、1着から順に「3番人気」⇒「2番人気」⇒「1番人気」。
ダートグレード競走となると紛れは少なく、人気別成績の傾向も変わっていくことになるかもしれない。

高配当の重賞だったが…

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 670 1,150 6,850
2023年 640 2,770 103,400
2022年 290 6,050 28,740
2021年 1,010 5,330 158,990
2020年 2,670 4,800 101,190
2019年 710 1,420 181,460
2018年 210 520 3,960
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
平均 741 4,730 107,315

「単勝」は全体的に堅く収まっている。

一方、「馬複」「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去10年で10万円オーバーのビッグ配当は6回だ。

ただし、配当金もダートグレード競走となると傾向が変わってくることが予想される。
2024年は「馬複」「三連単」ともに、過去10年で2番目の低配当だった。

ピンク祭り!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 9 9.1% 9.1%
2枠 0 1 1 9 0.0% 9.1%
3枠 1 2 0 13 6.3% 18.8%
4枠 3 1 2 11 17.6% 23.5%
5枠 1 0 2 14 5.9% 5.9%
6枠 0 0 1 17 0.0% 0.0%
7枠 3 1 0 14 16.7% 22.2%
8枠 1 5 3 11 5.0% 30.0%

連対率20.0%超えは「4枠」「7枠」「8枠」の3つ。
傾向としては外枠が好走しており、「7枠」「8枠」が揃って4着以下となったのは2023年の1回しかない。

以下は過去10年の枠番別の着順となる。

1着 2着 3着
2024年 1枠 8枠 4枠
2023年 4枠 3枠 5枠
2022年 7枠 3枠 6枠
2021年 5枠 7枠 8枠
2020年 3枠 4枠 8枠
2019年 4枠 8枠 4枠
2018年 4枠 2枠 8枠
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠

上表の太字の通り、「7枠」「8枠」の好走回数が多い。
特に「8枠」の好走率が高く、過去10年の3着内率は45.0%にもなる。

なお、2024年は9頭立ての少頭数ながら、「8枠」が2着、好走率の高い「4枠」が3着だった。
ちなみに2024年の優勝枠番「1枠」の優勝歴を遡ってみたが…nankankeiba.comにデータが残る1990年代以降では1頭も出ていない。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 8 10 92 8.3% 15.0%
牝馬 0 2 0 4 0.0% 33.3%
セン馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり「牡馬」が圧倒的に優勢。
「牝馬」の好走例は「東京2歳優駿牝馬(S1)」覇者ピンクドッグウッド、2024年にJRAから参戦したアンモシエラとなる。

JRAのダート馬にとっては春シーズンの番組は悩ましいところで、京浜盃の出走枠に入る力量馬であれば牝馬でも要注目となりそう。

南関東所属馬の出世レースだが…

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 2 0 0 3 40.0% 40.0%
ニューイヤーカップ2着 1 0 2 2 20.0% 20.0%
ニューイヤーカップ3着 1 0 0 5 16.7% 16.7%
ニューイヤーカップ4着以下 0 1 0 21 0.0% 4.5%

「浦和1,500m」で行われる年明け恒例の3歳重賞(南関東所属馬限定)。
※2021年まで「浦和1,600m」

「ニューイヤーカップ(S3)」で特に注目したいのが1~3着馬。
該当馬は過去10年でのべ16頭が雲取賞に出走して4勝、3着2回の成績を残している。

ただし、2024年に京浜盃がダートグレード競走となったので傾向は変わってきそう。
2024年はニューイヤーカップ出走組の出走はゼロ、2025年もニューイヤーカップ1着馬は前週の浦和重賞を走っている。

2025年ニューイヤーカップの結果

【ブルーバードカップの着順別の成績】

ブルーバードカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ブルーバードカップ1着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
ブルーバードカップ2着 0 0 0 0 - -
ブルーバードカップ3着 0 0 0 0 - -
ブルーバードカップ4着以下 0 0 0 1 0.0% 0.0%

※2024年のデータのみ

2024年にダートグレード競走として生まれ変わった船橋1,800m戦。
1着の地方所属馬には「羽田盃」の優先出走権が付与される一方、JRA所属馬には優先出走権が付加されていない。
とはいえ、JRA所属馬にとっては貴重な賞金加算レースとなり、ブルーバードカップでの活躍は3歳ダート三冠への近道となる。

なお、2024年の優勝馬アンモシエラ(JRA)はブルーバードカップでの優勝をステップに京浜盃では2着に好走している。

2025年ブルーバードカップの結果

大注目の重賞

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
雲取賞2着 0 0 1 5 0.0% 0.0%
雲取賞3着 1 0 0 8 11.1% 11.1%
雲取賞4着以下 0 0 0 21 0.0% 0.0%

2019年から「S3重賞」、2024年からはダートグレード競走「Jpn3」に昇格。
地方所属の上位2頭及びJRA所属で5着以内の上位2頭には「羽田盃」の優先出走権が付与される。

施行条件は重賞昇格前は「大井1,600m(内)」、重賞に昇格した2019年以降は「大井1,800m(外)」。
三冠初戦の「羽田盃」と同条件ということもあり、3歳ダート三冠に直結するレースと言っても良いだろう。

雲取賞 ⇒ 京浜盃の関係性では、2022年にシャルフジンが連勝、2024年は雲取賞3着のサントノーレが京浜盃を制している。

2025年雲取賞の結果

南関東所属馬による羽田盃TR

【スターバーストカップの着順別の成績】

スターバーストカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
スターバーストカップ1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
スターバーストカップ2着 0 0 0 0 - -
スターバーストカップ3着 0 0 0 0 - -
スターバーストカップ4着以下 0 0 0 1 0.0% 0.0%

※2024年のデータのみ

南関東所属馬による羽田盃トライアル。
こちらは「東京ダービー」と同じ「大井2,000m」が舞台となり、1着馬に「羽田盃」の優先出走権が付与される。

2024年は1着馬と5着馬が京浜盃に参戦。
結果は6着と7着だったのでダートグレード競走の壁に阻まれた形だ。

2025年スターバーストカップの結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿3着 1 0 1 4 16.7% 16.7%
全日本2歳優駿4着以下 1 1 1 12 6.7% 13.3%

前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。

「全日本2歳優駿」出走組の成績は2勝、2着1回、3着2回。
京浜盃が南関東所属馬限定の時から相性は良かったが、2024年も「全日本2歳優駿」3着のサントノーレが京浜盃を勝利している。

2024年全日本2歳優駿の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は4月8日(火)に川崎競馬場で行われる「クラウンカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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