~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年1月29日(水) 
サラ系4歳以上 大井2,600m
金盃(S2)

レース紹介

日本で一番長いダート重賞「金盃(S2)」
南関東のみならず、国内で行われるダート重賞では最も長い距離(2,600m)で争われる。
向こう正面からスタートし約1周半の攻防。
馬と騎手との折り合い、騎手同士の駆け引き、まさに人馬一体となる争いは見応え十分だ!

▼データ分析のポイント
・騎手も馬も実績重視
・過去の金盃好走馬が活躍
・前年の東京記念優勝馬も好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ランリョウオー 浦和 パイロ 3人気
2023年 カイル 浦和 トーセンブライト 8人気
2022年 フレッチャビアンカ 船橋 キンシャサノキセキ 2人気
2021年 マンガン 川崎 アイルハヴアナザー 2人気
2020年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 2人気
2019年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 1人気
2018年 クラージュドール 船橋 キングカメハメハ 5人気
2017年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2016年 ジャルディーノ 大井 ワイルドラッシュ 3人気
2015年 アウトジェネラル 大井 アドマイヤドン 8人気

過去10年の優勝馬のうち、2,000m以上の南関重賞を“複数(※)”制している馬は5頭(太字)
うち、カイルを除く4頭は大井2,400mの「東京記念(現S2)」も勝利している生粋のステイヤーだ。

南関東では長距離重賞が限られていることもあり、ステイヤーにとっては大目標となるレースと言って良いだろう。

※当年の金盃優勝を含める

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

長距離戦は騎手の腕の見せ所!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 本橋 孝太 吉原 寛人 桑村 真明
2023年 御神本 訓史 達城 龍次 本田 正重
2022年 御神本 訓史 本田 正重 張田 昂
2021年 吉原 寛人 本田 正重 森 泰斗
2020年 森 泰斗 楢崎 功祐 本田 正重
2019年 御神本 訓史 的場 文男 森 泰斗
2018年 森 泰斗 町田 直希 石崎 駿
2017年 吉原 寛人 山本 聡哉 森 泰斗
2016年 真島 大輔 吉原 寛人 本橋 孝太
2015年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿

長距離戦は騎手で買え!?
過去10年の1着~3着には、年間100勝以上をマークするジョッキーがずらりと並んでいる。
「太字」は前年に100勝以上の勝ち星を挙げた騎手で、さらに「赤字」は前年の南関東リーディング上位3名だ。

過去10年で活躍が目立つのは4勝を挙げている「御神本訓史騎手」。
さらに、「吉原寛人騎手」は金沢所属ながら2勝、2着2回の成績を残している。

当然ながら「森泰斗騎手」も2勝、2着1回、3着3回と抜群の成績だったが、不在となる2025年はどのような結果となるか!?
ちなみに、南関東4場の総合リーディングは「笹川翼騎手」「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」の3名が2019年から上位を独占していたが…。

2024年南関東リーディングはこちら

大井包囲網!?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 1 0 19 9.1% 13.6%
船橋 4 2 5 18 13.8% 20.7%
大井 3 6 5 84 3.1% 9.2%
川崎 1 1 0 1 33.3% 66.7%

「浦和所属」の小久保智厩舎が2連覇中。
ただし、過去10年を総合的に見ると「船橋所属馬」と「大井所属馬」が多くの好走馬を送り出している。

過去10年で「船橋所属馬」は4勝、2着2回、3着5回。
対する「大井所属馬」は3勝、2着6回、3着5回で、両場合わせると7勝、2着8回、3着10回とほぼほぼ独占状態だ。

ただし、直近5年の優勝馬は「船橋所属馬:2頭」「浦和所属馬:2頭」「川崎所属馬:1頭」。
地元の「大井所属馬」は好走馬こそ送り出せているものの、勝ち星となると2017年のユーロビートまで遡らないといけない。

6番人気以下の激走に注意

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 1 2 1 6 10.0% 30.0%
2人気 4 0 2 4 40.0% 40.0%
3人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
4人気 0 2 4 4 0.0% 20.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 2 5 2 93 2.0% 6.9%

「1番人気」に支持された馬が苦戦を強いられている。
過去10年では1勝、2着2回、3着1回となっており、「軸」としての信頼度はあまり高くはない。

一方、3着内に好走する「軸」としては「2番人気馬」と「4番人気馬」が3着内率60.0%と比較的高め。
とりわけ、「2番人気馬」は最多の4勝を挙げているので注目したいところだろう。

また、特徴的なのは「6番人気以下」の好走。
出走頭数が多いので好走率は高くないものの、過去10年で2勝、2着5回、3着2回は目立つ成績だ。

高配当が期待できる!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 540 560 6,470
2023年 1,820 63,400 577,780
2022年 510 1,740 17,450
2021年 470 2,600 14,450
2020年 450 21,670 413,790
2019年 160 950 5,960
2018年 740 3,630 44,860
2017年 400 14,050 118,070
2016年 450 1,610 11,730
2015年 4,070 4,620 553,090
平均 961 11,483 176,365

過去10年で「馬複」は万馬券3回、平均配当は11,483円、「三連単」は10万オーバーが4回、平均配当は176,365円。
上位人気馬が勝利しているので「単勝」は落ち着いている一方、連勝式の配当はかなり跳ねている傾向にある。

「8枠」はマイナス?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 3 3 9 6.3% 25.0%
2枠 3 1 0 14 16.7% 22.2%
3枠 1 1 0 16 5.6% 11.1%
4枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
5枠 0 4 2 14 0.0% 20.0%
6枠 2 0 3 15 10.0% 10.0%
7枠 1 1 0 18 5.0% 10.0%
8枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%

連対率は内枠寄りが高い傾向。
特に「1枠」と「2枠」の連対率が高く、「1枠」に至っては3着内率も43.8%とハイアベレージだ。

一方、「8枠」は勝率・連対率ともに5.0%だが、2024年は「8枠」が1着&3着に好走。
「8枠」が勝利したのは2010年のマズルブラスト以来だった。

大井2,600mはコーナーを6回通過するコース設定でもあり、最短距離を走れる枠はプラスに作用するのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 7 9 9 99 5.6% 12.9%
牝馬 0 0 0 4 0.0% 0.0%
セン馬 3 1 1 19 12.5% 16.7%

「牝馬」の参戦は過去に4頭。
特殊な条件に参戦してくる牝馬たちでもあり、3着内こそないものの、4頭中3頭が1桁着順で走り切っている。

古豪が活躍!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 2 3 1 8 14.3% 35.7%
5歳 2 2 4 21 6.9% 13.8%
6歳 1 2 0 29 3.1% 9.4%
7歳以上 5 3 5 64 6.5% 10.4%

「7歳以上」の古豪が5勝、2着3回、3着5回。
2016年~2020年まで「7歳以上」の馬が5連覇を達成したが、年齢別にさらに細かく見てみよう。

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
7歳 1 1 2 26 3.3% 6.7%
8歳 2 2 1 17 9.1% 18.2%
9歳 1 0 0 16 5.9% 5.9%
10歳 1 0 1 3 20.0% 20.0%
11歳 0 0 1 2 0.0% 0.0%

以上のデータより「7歳」~「10歳」が勝ち星を挙げているのが分かる。
これを少し掘り下げてみると…

▽2016年2着ユーロビート(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2017年3着クラージュドール(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2019年1着 サウンドトゥルー(9歳時) ⇒ 10歳時に金盃連覇!(11歳時にも3着)

年齢を重ねて着順を上げているように、円熟味を増したステイヤーには一目置きたいところだろう。

オープン馬が強い!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57kg以上 3 4 3 12 13.6% 31.8%
56kg 6 4 5 60 8.0% 13.3%
55kg 0 0 0 1 0.0% 0.0%
54kg 1 1 2 29 3.0% 6.1%
53kg以下 0 1 0 20 0.0% 4.8%

金盃の「斤量」は2025年から以下に変更される。

-------------------
【2025年】
56kg 牝馬2kg減

※2023.2.20~2025.1.24までのG1/Jpn1勝ち馬3kg、G2/Jpn2/S1重賞勝ち馬2kg、G3/Jpn3/S2重賞勝ち馬1kg加増
※2,3歳限定競走の成績を除く

-------------------
【2024年】
A1級56kg A2級54kg B1級以下52kg 牝馬2kg減

※2023.2.20~2024.1.19までのダートグレード競走/JRA重賞1着馬は2kg、南関東S1/S2重賞1着馬は1kg加増
※3歳限定競走は除く

-------------------

条件変更に伴い、2025年からは「56kg」を下回る牡馬は出走しないことになる。
これは秋の「東京記念(2,400m)」と同条件であり、格上挑戦馬にとっては厳しい変更と言えそう。

図式的には「重賞実績馬」を巡る争い。
なお、表中は2024年までのデータとなるため参考程度にご覧頂きたい。

金盃が得意な馬を探せ!

【金盃の1~3着馬】

1着 2着 3着
2024年 ランリョウオー セイカメテオポリス ミヤギザオウ
2023年 カイル トーセンブル セイカメテオポリス
2022年 フレッチャビアンカ セイカメテオポリス サトノプライム
2021年 マンガン トーセンブル サウンドトゥルー
2020年 サウンドトゥルー フレアリングダイヤ トーセンブル
2019年 サウンドトゥルー シュテルングランツ ワークアンドラブ
2018年 クラージュドール ウマノジョー キングニミッツ
2017年 ユーロビート ウマノジョー クラージュドール
2016年 ジャルディーノ ユーロビート プレティオラス
2015年 アウトジェネラル ドラゴンエアル フォーティファイド

「太字」の馬は金盃で複数回、3着内に好走した馬となる。

リピーターの活躍は大井2,400mで争われる「東京記念」の南関データ分析でも記載しているが、
南関東においては限られた条件(※)ということもあり、長距離戦を目標に息の長い活躍をする馬が多いのかもしれない。

直近の注目リピーターはもちろんセイカメテオポリス。
2022年の4歳時から3年連続で3着内に好走しており、7歳を迎えた2025年で金盃初制覇を狙うことになる(※)。
※出走登録馬時点の情報

※南関東で行われる2,400m以上の重賞は「金盃」「東京記念」「ダイオライト記念(船橋2,400m・Jpn2)」の3競走

【金盃トライアル(金盃TR)の着順別の成績(過去6年)】

金盃TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃TR1着 0 0 1 5 0.0% 0.0%
金盃TR2着 0 1 2 3 0.0% 16.7%
金盃TR3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
金盃TR4着以下 0 1 0 15 0.0% 6.3%

2019年の金盃時から実施されている「金盃トライアル競走」。
(年跨ぎのため、初回のレースは2018年12月実施)

今回で7回目となり、過去6年のトライアル組からは2着2回、3着3回の好走馬を送り出している。
同条件ということを考えると関連性が小さいように感じるが、長距離が得意なステイヤーが参戦しているだけに侮れないところ。

2024年金盃トライアルの結果

もう一つの大井長距離重賞

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 2 2 2 3 22.2% 44.4%
東京記念2着 1 1 1 4 14.3% 28.6%
東京記念3着 0 0 2 3 0.0% 0.0%
東京記念4着以下 0 3 2 36 0.0% 7.3%

前年の9月~10月に行われる2,400mの「東京記念」。
前述したように、南関東では貴重な長距離重賞ということで、金盃と同様に多くのステイヤーが参戦している。

現在、9年連続で「東京記念」優勝馬が金盃に出走して2勝、2着2回、3着2回、6着3回。
同じ“大井の長距離重賞”として親和性は非常に高いという結果だ。

ちなみに、2024年の金盃は前年の「東京記念1~3着馬」が揃って3着内に好走した(過去10年で唯一)。

2024年東京記念の結果

ステイヤーが大活躍!

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,800m未満 0 1 0 23 0.0% 4.2%
1,800m~2,000m未満 1 3 0 25 3.4% 13.8%
2,000m以上 9 6 10 74 9.1% 15.2%

こちらのデータは「前走の距離別の成績」となる。
前走が「2,000m以上」の馬が9勝を挙げ、2着6回、3着10回と長距離路線組がきっちりと結果を残している。

一方、前走「1,800m未満」と「1,800m~2,000m未満」は合わせて1勝、2着4回。
2024年の優勝馬ランリョウオーは「1,800m~2,000m未満」に該当するが、本馬は東京記念の勝ち鞍があった。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月5日(水)に川崎競馬場で行われる「報知オールスターカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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