~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年2月19日(水) 
サラ系3歳 大井1,800m
雲取賞(Jpn3)

レース紹介

3歳重賞「雲取賞(Jpn3)」!
2024年から全国の優駿に門戸が開かれた「雲取賞」。
3歳ダート三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」の出走権を巡る激戦必至のトライアルだ。

なお、雲取賞は2019年に南関東S3重賞に昇格、それ以前は準重賞として実施されていた。
※本データ分析は、2018年までの準重賞を含めた過去10年分のデータを採用

▼データ分析のポイント
・JRA所属馬が力を見せる
・外枠が好成績
・全日本2歳優駿組が好走

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ブルーサン JRA モーニン 3人気
2023年 ヒーローコール 浦和 ホッコータルマエ 1人気
2022年 シャルフジン 船橋 ヘニーヒューズ 2人気
2021年 ランリョウオー 浦和 パイロ 1人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ヒカリオーソ 川崎 フリオーソ 4人気
2018年 ワグナーコーヴ 大井 マンハッタンカフェ 6人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 1人気
2016年 ハタノリヴィール 船橋 フレンチデピュティ 4人気
2015年 ノースノース 船橋 カネヒキリ 1人気

2018年までは「内回り1,600m」、重賞に昇格した2019年以降は「外回り1,800m」が舞台。
スタート位置こそ「1,600m」と「1,800m」は同じだが、外回りコースとなり、最後の直線は100m長くなった。
また、レースレベルは格段に上昇し、近年の南関東では出世レースとしても知られている。

ダート改革元年の2024年は1着から「ブルーサン(JRA)」⇒「アマンテビアンコ(JRA)」⇒「サントノーレ(大井)」の順。
ブルーサンこそ羽田盃で8着に敗れたが、アマンテビアンコは「羽田盃」制覇、サントノーレは「京浜盃(Jpn2)」制覇とレースレベルはさらに上昇した。

ちなみに、2023年以前の南関東所属馬のみで争われた5年間(2019年~2023年)も振り返ると…
雲取賞の上位3頭が生涯で獲得した重賞タイトル数は「45個」。
この中には東京ダービー馬ヒカリオーソ、Jpn1馬カジノフォンテン・ミューチャリー、現在も活躍中のランリョウオー・ヒーローコールが含まれる。
※2025.2.6時点

なお、地方所属の上位2頭及び5着以内のJRA所属上位2頭には「羽田盃」の優先出走権が付与される。

大井コース

過去の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 和田 竜二 C.ルメール 服部 茂史
2023年 森 泰斗 矢野 貴之 達城 龍次
2022年 御神本 訓史 矢野 貴之 本橋 孝太
2021年 本橋 孝太 森 泰斗 真島 大輔
2020年 吉原 寛人 左海 誠二 笹川 翼
2019年 瀧川 寿希也 御神本 訓史 本田 正重
2018年 今野 忠成 左海 誠二 坂井 英光
2017年 吉原 寛人 山崎 誠士 石崎 駿
2016年 中野 省吾 繁田 健一 石崎 駿
2015年 左海 誠二 森 泰斗 的場 文男

2024年は和田竜二騎手が勝利。
雲取賞の歴史に初めて名を刻んだJRA所属ジョッキーとなる。

和田竜二騎手の地方ダートグレード競走での勝ち星は、2020年「サマーチャンピオン(佐賀・Jpn3)」のサヴィ以来。
南関東となると2019年「さきたま杯(旧Jpn2)」のウインムート以来で、大井コースでは初めてのタイトルだった。

大井所属馬が意地を見せる

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 3 3 0 12 16.7% 33.3%
船橋 3 2 4 32 7.3% 12.2%
大井 1 2 5 34 2.4% 7.1%
川崎 2 2 1 16 9.5% 19.0%
JRA 1 1 0 1 33.3% 66.7%
その他 0 0 0 1 0.0% 0.0%

JRA所属馬の参戦で勢力図は一変。
2024年は「1着:JRA」⇒「2着:JRA」と続き、3着に地元の「大井所属馬」が入線した。

南関東所属馬で争われていた当時は、質量ともに高水準の「船橋所属馬」、少数精鋭の「浦和所属馬」&「川崎所属馬」。
地元の「大井所属馬」は好走率的にやや劣勢ではあったが、2024年は地元馬が意地を見せてJRA勢の一角を崩している。

さて、今年の南関東及び地方勢の実力は?
2025年の勢力図を占う意味でも注目のレースとなることだろう。

1番人気が連対率70.0%

【人気別成績】

人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 3 0 3 40.0% 70.0%
2人気 1 3 2 4 10.0% 40.0%
3人気 1 1 4 4 10.0% 20.0%
4人気 3 1 0 6 30.0% 40.0%
5人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
6人気以下 1 1 3 71 1.3% 2.6%

2021年~2023年の3年間は「1番人気馬」と「2番人気馬」がワンツー(1番人気:2勝)。
ダートグレード競走となった2024年は「1番人気馬」が4着に敗れたものの、1着に「3番人気馬」、2着に「2番人気馬」が好走している。

過去10年で見ても「1~4番人気馬」が計9勝を挙げ、2着8回、3着6回。
雲取賞は南関東所属馬のみで争われていた当時から紛れの少ないレースだった。

ちなみに、2桁人気馬は2頭が3着内に好走(両馬ともに3着)。
1頭は後の東京ダービー2着馬クリスタルシルバー、もう1頭は後にJpn1競走を2勝するカジノフォンテンだ。

地方所属馬の頑張りに注目

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 680 870 23,630
2023年 150 200 2,050
2022年 360 520 3,680
2021年 160 290 1,170
2020年 830 6,760 69,970
2019年 1,150 660 46,240
2018年 1,690 5,640 511,470
2017年 220 810 4,880
2016年 1,560 1,450 29,500
2015年 260 770 3,390
平均 706 1,797 69,598

2024年はサントノーレが3着に好走して高配当に。
前年末には「全日本2歳優駿(Jpn1)」で3着に好走していたので、人気の盲点だったと言えるかもしれない。

ダートグレード競走となるとJRA勢中心は否めないが、地方所属馬の頑張りが配当のカギを握っている。

外枠が有利な傾向

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 11 7.7% 7.7%
2枠 0 1 0 13 0.0% 7.1%
3枠 2 1 1 10 14.3% 21.4%
4枠 1 1 0 13 6.7% 13.3%
5枠 1 1 1 11 7.1% 14.3%
6枠 0 1 2 14 0.0% 5.9%
7枠 2 4 3 10 10.5% 31.6%
8枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%

真ん中から外側の枠の成績が良い。
特に「7枠」は連対率31.6%、3着内率47.4%と特筆に値するデータだ。

一方、「1枠」は連対率7.7%、「2枠」は同7.1%と苦戦を強いられる傾向にある。

2019年以降、舞台は「大井1,600m(内)」から「大井1,800m(外)」に。
まだ6回のみだが、傾向的には外枠有利に変わりはなさそう。

▽2019年:「3枠」⇒「6枠」⇒「8枠」
▽2020年:「8枠」⇒「7枠」⇒「1枠」
▽2021年:「7枠」⇒「4枠」⇒「3枠」
▽2022年:「8枠」⇒「3枠」⇒「7枠」
▽2023年:「7枠」⇒「2枠」⇒「6枠」
▽2024年:「3枠」⇒「5枠」⇒「8枠」
※1着から順

参考までに、 2024年1月1日~12月31日の期間中に行われた「大井1,800m」の「枠番別」の成績をご紹介しよう。
勝率は「8枠」と「7枠」が上位2位を占めており、これに続くのが「1枠」となっている。

さらに、直近3か月の「大井1,800m」の「枠番別」の成績を見ると…
同じく「8枠」「7枠」の勝率が高くなっているのだ。

大井コースは力を要するとされるオーストラリア産の白砂を採用。
砂厚は2024年12月より「10cm」から「9cm」に変更されているので、直近の馬場傾向はチェックしておきたいところだ。

nankankeiba.comでは「レース傾向」というオレンジ色のボタンを押すと、日々の傾向がチェックできる

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 92 8.2% 16.4%
牝馬 0 0 0 4 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

クラシックシーズンということで「牝馬」の出走はのべ4頭と少ない。

強敵相手に揉まれた成果

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 0 0 0 0 - -
全日本2歳優駿2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
全日本2歳優駿3着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿4着以下 2 3 1 6 16.7% 41.7%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、6年間のデータ

前年末に行われる2歳ダート王決定戦。

「全日本2歳優駿」出走組は、のべ15頭が雲取賞に出走して3勝、2着3回、3着2回。
雲取賞がダートグレード競走に昇格した2024年も、「全日本2歳優駿」3着のサントノーレが雲取賞でも3着に好走している。

全国の地方馬はもとより、JRAからも有力馬が参戦するレベルの高い一戦だけに軽視は禁物だ。

2024年全日本2歳優駿の結果

上位馬は要チェック

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
ニューイヤーカップ2着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
ニューイヤーカップ3着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
ニューイヤーカップ4着以下 0 0 0 8 0.0% 0.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、6年間のデータ

明け3歳馬によって争われる浦和重賞。
2021年までは「1,600m」、2022年以降は「1,500m」で実施されている。

2024年は「ニューイヤーカップ」の上位3頭+5着馬が雲取賞に参戦。
南関東の有力馬とJRA勢をはじめとした全国の強豪が力比べをした形だが、結果は「ニューイヤーカップ」5着フロインフォッサルの5着が最先着だった。

2025年ニューイヤーカップの結果

前走・重賞組が活躍

【前走のレース別の成績】

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
重賞 4 5 3 28 10.0% 22.5%
非重賞 2 1 3 34 5.0% 7.5%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、6年間のデータ

こちらのデータは、雲取賞の前走が「重賞」か否かで分類した成績。

前走が「重賞組」の馬は4勝、2着5回、3着3回、前走が「非重賞組」は2勝、2着1回、3着3回。
準重賞当時は「非重賞組」も結果を残していたが、重賞に昇格してからは「重賞組」が圧倒している傾向だ。

では、「非重賞組」をさらに“着順別”で集計した結果はどうか。

勝った馬に注目!

【非重賞組の前走着順別の成績】

前走着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前走1着 2 1 2 14 10.5% 15.8%
前走2着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
前走3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
前走4着以下 0 0 1 13 0.0% 0.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、6年間のデータ

前走が「非重賞組」の40頭を“前走の着順別”に細分化したデータ。
これを見ると明らかなように、狙いは「前走1着」の馬だろう。

ダートグレード競走に昇格した2024年は、JRA所属の「前走が非重賞1着馬」によるワンツー。
そもそもJRAでは2歳のダート重賞が実施されていないため、本データの傾向、とりわけJRA所属馬は「非重賞」のケースが増えてきそうだ。

距離経験は大きなアドバンテージに!

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 1 0 0 16 5.9% 5.9%
1,600m 3 6 4 37 6.0% 18.0%
1,601m以上 2 0 2 9 15.4% 15.4%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、6年間のデータ

最後に「前走の距離別の成績」を抽出してみよう。

「全日本2歳優駿」が1,600mということもあり、前走が「1,600m」の馬が好成績を残している。
一方、前走が「1,600m未満」の距離延長組はあまり奮わず、逆に「1,601m以上」からの参戦は2勝、3着2回とまずまずの成績だ。

なお、2024年は「前走1,800m」の馬が1着、「前走1,600m」の馬が2・3着だった。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月24日(月祝)に浦和競馬場で行われる「ユングフラウ賞(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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