~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年8月13日(水) 
サラ系3歳 大井1,800m
黒潮盃(S3)

レース紹介

真夏の3歳重賞「黒潮盃(S3)」
3歳ダート三冠出走組と、夏場に力をつけてきた上がり馬が激突。
さらには、南関東以外からの遠征馬を迎える華やかな3歳重賞を過去10年のレースから分析してみよう。

なお、1・2着馬には3歳ダート三冠最終戦「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」の優先出走権が与えられる。

▼データ分析のポイント
・「1番人気馬」は3着内率90.0%
・「5~7枠」が好成績
・上がり馬は前走1着馬を狙え

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ダテノショウグン 大井 バンブーエール 1人気
2023年 ヒーローコール 浦和 ホッコータルマエ 2人気
2022年 エスポワールガイ 大井 エスポワールシチー 8人気
2021年 ジョエル 船橋 トーセンブライト 2人気
2020年 インペリシャブル 川崎 エスポワールシチー 10人気
2019年 リンノレジェンド 北海道 トビーズコーナー 2人気
2018年 クロスケ 大井 キャプテントゥーレ 2人気
2017年 ブラウンレガート 大井 ディープスカイ 1人気
2016年 ミスミランダー 船橋 アッミラーレ 1人気
2015年 ブラックレッグ 大井 タイキシャトル 5人気

黒潮盃にはバラエティに富んだメンバーが参戦してくる。
南関東での実績馬はもとより、牝馬や連勝中の上がり馬、さらには南関東以外からの遠征馬にもチャンスありだ。

ちなみに、黒潮盃が初タイトルとなった馬は5頭、うち1頭は北海道所属馬となる。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

次世代ジョッキーにも注目

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 御神本 訓史 森 泰斗 矢野 貴之
2023年 森 泰斗 R.クアトロ 的場 文男
2022年 森 泰斗 安藤 洋一 矢野 貴之
2021年 張田 昂 瀬川 将輝 的場 文男
2020年 山崎 誠士 森 泰斗 保園 翔也
2019年 岡部 誠 笹川 翼 本橋 孝太
2018年 笹川 翼 的場 文男 森 泰斗
2017年 的場 文男 岡部 誠 柏木 健宏
2016年 森 泰斗 大畑 雅章 本橋 孝太
2015年 矢野 貴之 本橋 孝太 的場 文男

「森泰斗元騎手」の相性が抜群に良かった重賞。
過去10年で3勝、2着2回、3着1回の成績を残し、2022年以降は3年連続連対中(2勝)だった。

また、南関東リーディング上位以外の騎手が活躍しているのも特徴的。
近年では「安藤洋一騎手」「瀬川将輝騎手」「保園翔也騎手」のほか、2023年は短期騎手免許を取得していた「R.クアトロ騎手」が2着に好走している。

その「R.クアトロ騎手」は今年の「大井記念(S1)」で南関東初タイトルを獲得。
短期騎手免許期間は4月14日~7月4日だったので黒潮盃では不在だが、この期間に24勝を挙げた手腕には次回以降の騎乗でも注目したい。

地の利を生かす!遠征馬も見逃せない!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 3 12 5.9% 11.8%
船橋 2 3 4 27 5.6% 13.9%
大井 5 4 3 49 8.2% 14.8%
川崎 1 0 0 13 7.1% 7.1%
南関以外 1 2 0 17 5.0% 15.0%

「大井所属馬」が5勝、2着4回、3着3回の成績。
出走頭数の関係上、勝率、連対率は他の南関東所属馬と互角だが、やはり地の利は見逃せないところだろう。

ちなみに、「大井所属馬」が勝利した際の鞍上は…
「矢野貴之騎手」「的場文男騎手」「笹川翼騎手」「森泰斗騎手」「御神本訓史騎手」と見事なまでにトップジョッキーが並んでいる。

また、注目したいのは「南関以外」から遠征してくる馬たち。
2019年は北海道所属のリンノレジェンドが完勝したほか、過去10年で1勝、2着2回の成績を残している。
各地のダービー馬が参戦することも多く、“南関ドリーム”を手にするチャンスは十二分にあると言えそうだ。

1番人気は石より堅い!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 5 1 1 30.0% 80.0%
2人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
3人気 0 1 0 9 0.0% 10.0%
4人気 0 0 2 8 0.0% 0.0%
5人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
6人気以下 2 2 5 89 2.0% 4.1%

2020年こそ上位人気馬が総崩れとなったが、データ上では「1番人気馬」が“堅軸”。
過去10年で3勝、2着5回、3着1回ということは…3着内率は90.0%だ!
また、「2番人気馬」も4勝、2着1回で、「1・2番人気馬」によるワンツーは5回を数える。

その他、注目したいのが「6番人気以下」の2勝、2着2回、3着5回。
データ通り、穴をあけるシーンが目立っており、「1番人気馬」との組み合わせでも高配当が期待できそうだ。

馬複&三連単は高配当の傾向

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 110 240 1,500
2023年 260 270 5,850
2022年 1,830 2,560 25,690
2021年 330 430 6,170
2020年 3,020 16,680 453,660
2019年 590 940 10,720
2018年 380 300 7,300
2017年 180 2,030 21,630
2016年 230 1,030 36,480
2015年 900 5,710 64,500
平均 783 3,019 63,350

過去10年で1・2番人気が計7勝を挙げているが、「単勝」の平均配当は「783円」とやや高め。
実績馬、上がり馬などなど、様々な要素が入り混じる“夏の3歳重賞”を具現した配当とも言えそうだ。

一方、「馬複」「三連単」は高配当となるケースも少なくない。
2024年こそ歴史的な低配当となったが、「人気別成績」でも示した通り、人気薄もマークする必要がありそうだ。

5~7枠が7連勝中!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 2 11 6.7% 13.3%
2枠 2 1 0 14 11.8% 17.6%
3枠 0 2 1 15 0.0% 11.1%
4枠 0 4 1 13 0.0% 22.2%
5枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
6枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%
7枠 3 0 1 16 15.0% 15.0%
8枠 0 1 2 17 0.0% 5.0%

「6枠」と「7枠」が好成績。
2019年から3年連続で「6枠」、2021年以降は「7枠」が3連勝中と固め打ちを決めている。
一方、大外の「8枠」は勝ち星がなく、連対率も全体7位タイの5.0%とやや苦戦を強いられている状況だ。

以下は過去10年の優勝枠番となるが、センター寄りの枠が非常に強いのがお分かり頂けるだろう。

2015年:2枠
2016年:2枠
2017年:1枠
2018年:5枠
2019年:6枠
2020年:6枠
2021年:6枠
2022年:7枠
2023年:7枠
2024年:7枠

「牝馬」の好走条件は関東オークス上位馬?

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 10 8 108 6.7% 14.1%
牝馬 1 0 2 9 8.3% 8.3%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が9勝、2着10回、3着8回と強さを見せている。

一方、「牝馬」は1勝、3着2回だが、そのうち1勝、3着1回は南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」の上位馬。
JRA勢相手に好走した実力のある「牝馬」にはぜひとも注目したい。

2025年関東オークスの結果

東京ダービー出走組は要注目!

【東京ダービー(東京D)の着順別の成績】

東京D着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京D1着 0 0 0 0 - -
東京D2着 1 2 1 1 20.0% 60.0%
東京D3着 2 0 0 0 100.0% 100.0%
東京D4着以下 1 3 5 30 2.6% 10.3%

2024年は日本ダート界の歴史が動いた1年。
JRA所属馬も出走可能となった「東京ダービー(Jpn1)」出走組の成績はどうだろう。

過去10年で東京ダービー馬の出走はゼロ。
それに対し、「東京ダービー」で涙を呑んだ2・3着馬の出走は多く、のべ7頭が出走して3勝、2着2回、3着1回(3着内率85.7%)の成績を残している。

さらに、「東京ダービー」で4着以下に敗れた馬からも1勝、2着3回、3着5回と好走馬を多数輩出。
3歳ダート三冠が創設された2024年も「東京ダービー4着以下」から黒潮盃の2~5着馬が出ているのである。

全国に門戸が開かれた「東京ダービー」となれば当然ながら傾向も変わってくる。
「東京ダービー」はJRA所属馬の活躍が顕著になるだろうが、そこで上位争いをしてきた地方所属馬には注目したいところだろう。

2025年東京ダービーの結果

羽田盃組は苦戦…

【羽田盃の着順別の成績】

羽田盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
羽田盃1着 0 0 0 0 - -
羽田盃2着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
羽田盃3着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
羽田盃4着以下 1 3 4 22 3.3% 13.3%

黒潮盃と同じ「大井1,800m」で争われる3歳ダート三冠の初戦「羽田盃(Jpn1)」。
こちらも2024年よりダートグレード競走として実施されている。

前項の東京ダービーに続き、「羽田盃1着馬」の参戦もゼロ。
また、「羽田盃2・3着」はのべ6頭が参戦して1勝、3着1回なので、東京ダービー程の関連性は見出せないところ。

となると、注目は「羽田盃」で4着以下に敗れた馬たち。

過去10年で該当馬は30頭が出走して1勝、2着3回、3着4回。
3歳ダート三冠初年度の2024年は「羽田盃5着」のムットクルフェが3着に好走している(東京ダービーは10着)。

2025年羽田盃の結果

夏は勢いが大切?

【黒潮盃1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 2 3 3
前走2着 3 0 0
前走3着 1 0 0
前走4着以下 4 7 7

過去10年の「黒潮盃1~3着馬」の「前走成績」はご覧の通り。

黒潮盃の優勝馬10頭中、4頭が「前走4着以下」からの巻き返し。
さらに詳しく、「前走が重賞」or「前走が非重賞」に分類した成績は以下となる。

【黒潮盃1~3着馬の前走成績(重賞出走組)】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 0 1 0
前走2着 2 0 0
前走3着 1 0 0
前走4着以下 4 6 7

まずは、「黒潮盃1~3着」で「前走が重賞」だった組の成績。
目立つデータは「重賞4着以下」から巻き返した馬で、該当馬は4勝、2着6回、3着7回と全体の過半数を占めている。

【黒潮盃1~3着馬の前走成績(非重賞出走組)】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 2 2 3
前走2着 1 0 0
前走3着 0 0 0
前走4着以下 0 1 0

続いては「前走が非重賞」だった組の成績。
こちらも明確に傾向が出ており、「前走1着馬」が2勝、2着2回、3着3回と際立っている。

図式的には「重賞で強豪と戦ってきた馬」 vs 「前走を勝利した夏の上がり馬」と言って良さそう。
さて、今年はどのような結果となるだろうか!?


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は8月20日(水)に浦和競馬場で行われる「ルーキーズサマーカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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