2025 Dirt Triple Crown

2025.8.13 大井 1,800m黒潮盃(SIII)【1、2着馬】ジャパンダートクラシック 出走権付与

2024年優勝馬 ダテノショウグン号

2024年優勝馬 ダテノショウグン号

Road to ジャパンダートクラシック

Road to ジャパンダートクラシック

黒潮盃とは

3歳限定で行われる1,800m戦。
3歳ダート競馬の最高峰「東京ダービー(JpnI)」から約2ヶ月。
クラシックロードを歩んできた馬と、夏場に力をつけてきた馬の激突は見応え十分だ!

黒潮盃は南関東以外の所属馬の活躍も多く、2007年には笠松のマルヨフェニックスが優勝。
2011年は園田で無敵の強さを誇っていたオオエライジンが南関東でも力を見せつけ優勝!
2019年にはホッカイドウ競馬のリンノレジェンドが優勝と勢いある遠征馬には要注目となりそうだ。

実績馬が力を見せるか?上がり馬や南関東以外の所属馬の勢いか?
「ジャパンダートクラシック」の出走権をかけた真夏の3歳重賞は盛り上がること間違いなし!

予想<ケイシュウNEWS・海野秀徳>

ダート三冠ロードの再編により、10月のジャパンダートクラシックへと続く重要な前哨戦となった黒潮盃。
クラシック戦線を駆け抜けてきた精鋭たちと、夏場に地力を磨き上げた新興勢力が激突する舞台は、気温以上に熱を帯びる。
それぞれの陣営が秋の大一番を見据え、譲れぬ一戦ジャパンダートクラシックへの切符を手にするのは果たしてどの馬か。

◎7ミクニサンビーム
春先から認定厩舎のミッドウェイファームへ。
当地の坂路調教でメキメキと頭角を現した、正に“夏の上がり馬”。
5月の復帰戦では、直線で前が開いてからは独壇場。余力十分のまま突き抜けて快勝。
続く前走では1,600メートルへ距離延長したが、硅砂(ケイシャ)導入後の3歳戦としては最速となる時計をほぼ馬なりでマーク。
他馬を全く寄せ付けない圧勝劇を演じた。

最大の武器はスプリント戦でも通用するスピードだが、距離を延ばすことにより発揮されてきた印象を受ける。
スピードの違いで圧勝した前走は、父エスポワールシチーの全盛期を彷彿とさせるもの。
今回も距離延長となるが、競馬巧者だけにユッタリ流れる1,800メートルでも十分に対応可能。
更に祖母スギノキューティーは芝1,800メートルのフラワーカップ(GIII)を制した実績があり、
血統背景からも距離延長への適応力は折り紙付きだ。

春のクラシックへの出走は叶わなかったが、今や南関東トップクラスに肩を並べるまでに成長。
将来性は抜群でここは通過点にしたい一戦。
同じく外厩調整で南関三冠を無敗で制したミックファイアに「追いつけ、追い越せ」。
この舞台でキッチリ勝ち切り、二冠馬ナチュラルライズへの挑戦状を叩きつける。

○8ユウユウスキー
1,800メートルでは4戦2勝、3着1回と中距離実績は頭ひとつ抜けており、この馬も主役候補の一頭に挙げられる。
デビューから一貫して1周競馬を使われ、2歳秋にはハイセイコー記念で3着に好走。
年末以降は距離を延ばし、1月の1,800メートル戦ではアレンパを下している。

春シーズンは放牧休養に入りクラシック出走は叶わなかったが、
6月の復帰戦を叩いて臨んだ前走では、クラシック入着経験のある4歳馬ムットクルフェを差し切り、4馬身差の圧勝。
中団から繰り出した上がり3ハロン37秒5の末脚は強烈なインパクトを残した。
B2格の一戦ではあったが、古馬相手に見せたあのパフォーマンスは重賞級。実力的にも今回のメンバーにヒケを取らない。

ミクニサンビームが逃げる流れならペースが速くなりそうで、展開面でも追い風が吹きそう。
父ベストウォーリア譲りのスピードを生かし、まとめて差し切るシーンがあっても不思議ではない。

▲5マウンテンローレル
7戦5勝、2着1回、3着1回とほぼパーフェクトな戦績でその秘めたる勝負根性に注目なのはこの馬。
デビュー前から非凡なセンスを評価されていた素質馬だが、3歳シーズンに入ってついに開花。
距離を徐々に延ばしながら、東京ダービーチャレンジ(2,000メートル)、若竹賞(1,800メートル)を含む4連勝中。
クラシック出走こそ叶わなかったが、別路線を歩みながら着実に力をつけてきた。

最大のセールスポイントは、母父キングカメハメハ譲りの勝負強さ。
競り合いになった際のゴール前の差し脚は確実で、着差こそ僅かだが毎回キッチリ勝ち切るあたりにポテンシャルの高さが窺える。
母系にはレパードステークスで3着に入った伯父タナトスがいるように、中距離志向が色濃い。
素質面でもヒケを取らず、父ヘニーヒューズとの配合は今の馬場と相性抜群。
春にはあと一歩届かなかったクラシックの舞台へ向けて、ここは成長をアピールする絶好のチャンス。
静かに、しかし着実に力をつけてきたこの馬が、頂点への階段を一段上がる。

△10アレンパ
1,800メートル適性にフォーカスするならば、過去2戦2着2回の実績を持つこの馬も見逃せない。
早い時期から一組戦に加わり、後にクラシックへ挑戦する馬たちと一進一退の攻防を演じてきたが、
勝ち切れず2勝目を挙げたのは今年の5月。
前走はポンと好スタートを切って逃げの形に持ち込み、セイエイと接戦の末に2着。
しかし、1分53秒9で走れているのなら、勝ち馬と遜色ない内容と言える。
1,600メートル以下ではスタートで後手を踏む傾向があるが、距離が延びれば安定した先行力を発揮できるのがこの馬の強み。
今の大井の馬場では先行力が結果に直結するだけに、この適性は大きな武器となる。

重賞挑戦は2歳時のハイセイコー記念(5着)以来。
春は自己条件で地力を磨き、前走の選抜戦では成長を感じさせる競馬を披露。あの内容が再現できればここでも十分に通用する。
中間もジックリ乗り込まれており、仕上がりは万全。展開次第では上位進出も十分に狙える。

△9フレンドローマ
強敵に揉まれてきた経験値を見込むのならばこの馬にも注意が必要。
1,200メートルで実績を積み上げ、春は交流重賞に挑戦。
京浜盃、羽田盃ではJRA勢の壁に跳ね返されたが、
東京ダービーでは上がり3ハロン4位タイの末脚を繰り出して6着と、着順以上のインパクトを見せ付けた。
久々の1,200メートル戦となった前走優駿スプリントでは、出遅れながらも上がり3ハロン最速の脚で3着に食い込んだ。
距離を問わない器用さと、展開に左右されない末脚は魅力的。

その末脚は母フレンドパリ譲りの強烈なもの。
近2戦の競馬ぶりからも、JRA勢との激戦がこの馬の脚質に磨きをかけた印象を受ける。
再度の1,800メートル戦となるが、父は凱旋門賞馬バゴ。血統的にも距離延長はむしろ歓迎材料と言えるだろう。

経験値、実績ともにこのメンバーでは随一。
春に比べればメンバーレベルも緩和されており、秋へ向けて負けられない一戦となる。
道中ジックリ脚を溜め、直線一閃の末脚勝負に持ち込めば好勝負必至。

△11ヤマノアシオト
近年、目覚ましいレベルアップを遂げている高知競馬で、生え抜きとして安定感抜群の成績を残してきた本馬。
唯一の競走中止を除けば、すべて掲示板圏内という堅実な走り。
二冠馬ジュゲムーンの存在によりタイトルには縁がなかったが、戦歴を見れば高知トップクラスの一角を形成していることは明白。
南関東勢との比較でも見劣りしないどころか、互角以上の力を秘めていると判断できる。
西日本の枠を超えたポテンシャルを持つ一頭であり、今回の遠征はその真価を問われる一戦。

初の南関遠征となる今回は大井のタフな馬場が鍵を握るが、
本馬の持ち味である先行力とパワーはむしろこの舞台でこそ生きる可能性が高い。
昨年のダート三冠ロードで高知所属馬の存在感を全国に示したシンメデージーのように、大舞台で新しい風を吹かせられるだろうか。
鞍上には南関東はもとより、日本各地での実績豊富な吉原寛人騎手。
地方競馬を知り尽くした頼もしいコンビで存在感を示したい。

本命馬の根拠は”時計”か”格"か!? 有力馬の臨戦過程を徹底分析

有力馬紹介

●マウンテンローレル

父ヘニーヒューズ
母ハマナス(母父キングカメハメハ)

通算成績:7戦5勝

「東京ダービーチャレンジ」「若竹賞」とオープン特別を連勝中。
デビューから7戦5勝、2着1回、3着1回と高いレベルで安定しており、黒潮盃はデビュー8戦目にして初の重賞挑戦となる。

春シーズンは「東京ダービー(JpnI)」出走のチャンスもあったほど。
結果的には東京ダービー開催週の「若竹賞」にエントリーしたが、単勝1.4倍の支持に応えて連勝を「4」に伸ばしている。

黒潮盃は「春のクラシック組」 vs 「春夏に力をつけてきた馬」という図式。
同馬は「春夏に力をつけてきた馬」の方に区分けされるが、春の実績を考えると黒潮盃でも勝ち負けが期待できるだろう。


●ドナギニー

父ラブリーデイ
母ポッドジゼル(母父ゴールドアリュール)

通算成績:7戦2勝

終いの脚がとにかく魅力的。
今春の南関東牝馬クラシック第2戦「東京プリンセス賞(SI)」は3着に好走。
前走の「東京ダービーチャレンジ」ではマウンテンローレルこそ捉えられなかったが、勝ち馬を凌ぐ末脚で2着に突っ込んでいる。

黒潮盃が行われる「大井1,800m」は自身の持ち味を発揮するには最高の舞台。
牡馬相手でも引けを取らない力は前走で証明しており、約3か月ぶりの実戦でも成長した姿を見せてくれそうだ。


●プレミアムハンド

父Audible
母Avuncular(母父Uncle Mo)

通算成績:17戦2勝

通算成績の通り、17戦のキャリアは他と一線を画す。
経験の豊富さはもちろんだが、重賞でも再三好走している同馬は「レースで強くなる」を体現しているところ。

南関東の3歳馬は格付シーズン真っ盛り。
格付は「A1」「A2」「B1~B3」「C1~C3」となり、3歳2月の「A1級」から7月の「C1級」まで、1か月毎に基準を満たしていれば格付される。

格付基準の詳細はこちら

黒潮盃の出走馬で最も格上となるのはプレミアムハンドの「A2級」。
確かに相手なりの嫌いはあるが、テン乗りとなる山中悠希騎手でもう一押しを期待したい。

データ分析

~南関重賞を解く~ 南関データ分析

参考レース

レース回顧

江橋大介さんコラム

レース概要

実施日 8/13(水)
競馬場 大井競馬場
距離 1,800m
出走条件 サラ系3歳
負担重量 牡馬56kg 牝馬54kg

2025.8.8までのダートグレード競走/JRA重賞/南関東SI重賞勝ち馬3kg、
南関東SII/SIII重賞勝ち馬2kg、その他重賞勝ち馬1kg加増
(2歳時の成績を除く)
優先出走権 1、2着馬に「ジャパンダートクラシック(JpnI)」の優先出走権付与(セン馬除く)

キャンペーン

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