コラム”

「ワールドオールスタージョッキーズへの道!」
2018年7月23日

先週水曜日に浦和競馬場で行われた「2018地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」。
現地でその戦いを見てきましたが、いろいろと感じるところがありました。

まず、南関東以外の騎手にとっては、浦和競馬場という舞台が第一関門。
調教もレースも右回りという競馬場に所属する騎手は、いくらプロでもいきなり左回りというのは厳しいところ。
さらに浦和名物?の「橋」。

2コーナー手前と3コーナー過ぎにある橋はコンクリート製で頑丈なものですが、
さすがに500kg前後の馬がドドドと通り過ぎると揺れてしまうのは仕方がないところで、
浦和初騎乗の某騎手は、レース終了後に「今まででいちばん怖かったですよ」と話していました。


浦和経験が少ない騎手がたくさん

(浦和経験が少ない騎手がたくさん)

それを考えると、浦和経験が豊富な騎手には加点して予想するべきでした。
第1戦は人気薄の馬に騎乗した矢野貴之騎手が逃げ切り勝ち。
私の『南関道中膝栗毛』における予想では、第1戦はハイペースになりそうという見立てでしたが、
スタート後の各騎手の動きには「様子見」という雰囲気が感じられました。

うーむ、このあたりは浦和経験があまりない騎手が多い影響かなあ。
さらに、最近は出場騎手に『大きい着順をなるべく取らない』という意識が浸透しているためか、
ハイペースになりにくくなっていることもあるのでしょう。

しかしそれを逆手に取って、先手主張から押し切った矢野騎手はお見事。
私の3連複7頭ボックス35点買いという節操なき網打ち馬券の目からは、スルリと抜けてしまいました。

しかしですよ。
スタンド2階での観戦後にパドックに向かおうと予想屋さんの前を通ったら、矢野騎手を本命にした人が2人もいて超ビックリ!

けっこうな人気薄だった馬を軸にするとはさすがプロ、と唸らされてしまいました。
写真を撮っておけばよかった……

そして1着で30ポイントを獲得した矢野騎手は、優勝が見えてきたことで気合が一気に高まってきた様子。
昨年は1着が20ポイントでしたから、今年の各騎手の頭には『ひとつ勝ってあとは善戦』という理想図が描かれていたようにも感じました。

しかしながら、今年からポイントの配分が変わったことによる副作用が出た感じがありました。
それは『最終戦で優勝の可能性がゼロになる騎手が、以前より多くなる』こと。

理論上は第3戦を終えて8位だった山本聡哉騎手(岩手)までチャンスはありましたが、
山本騎手が優勝するためには、上位の騎手がすべて大敗しなければダメ。
そうなると、第3戦の終了時点で獲得ポイント数が少なかった騎手たちのテンションがイマイチ上がらない状況になりがちになるのは、
仕方ないところかもしれません。

その影響もあったのかはわかりませんが、第4戦は、第3戦の段階で1位と2位だった、
北海道の桑村真明騎手と浦和の繁田健一騎手の一騎打ちに!

第3戦の時点で1位の桑村騎手は、最終戦が2着でも優勝。
それでも迫力ある騎乗で差し切り勝ちをおさめ、私の予想も本命&対抗で的中となりました!

しかし3着の吉原寛人騎手はヌケ……

インコースをムダなく通ってきた吉原騎手は、やっぱり巧いですわ。
そして吉原騎手、3着→9着→2着→3着という結果で52ポイントを獲得して総合第3位に入ったのですが、
仮に第2戦が9着じゃなくて5着で、さらに最終戦で桑村騎手と繁田騎手が4着以下に敗れていたら、
吉原騎手が「シリーズ未勝利で総合優勝」となっていたのです!


中央の桑村騎手が優勝

(中央の桑村騎手が優勝)

そう考えると、どうなんですかねえ、今年のポイント配分は?

各騎手からは、勝ちを意識するコメントが多く聞かれた一方、第4戦が消化試合になってしまうケースが増えてきそうな気がしました。
とはいえこちらは馬券を買う側。
次回からは、そういった騎手心理をうまく利用して予想を組み立てるべきでしょう。

というわけで私の「2018地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」の馬券は2戦とも不発。
しかしですよ、SPAT4プレミアムポイントのキャンペーンの「地方競馬No.1ジョッキーの予想登録」は、桑村騎手を選択したので大的中!

おお、これで馬券は当たらずともプレミアムポイントは10倍。
ちゃんと予想した甲斐があったわ~(涙)

こんどは馬券を的中させなきゃ。
水曜日は習志野きらっとスプリント!

◎6.ラディヴィナ
○5.アピア
▲14.タイセイバンデット
△3.フラットライナーズ
△10.サクラレグナム
△13.エイシンテキサス

過去のレースを見る限り、船橋の1000m戦の上級条件では、内枠はあまり有利にならないという印象。
これは船橋競馬場が「スパイラルカーブ」を採用しているために、3コーナーはスピードをあまり落とさずに曲がれるけれど、
4コーナーは急カーブになるので、インコースを進んだ場合はそこで減速せざるをえなくなる、という事情からでしょう。

ということで、2走前に船橋1000mで快勝したサトノスピードオーは、1枠1番を大幅に割り引いて無印に。

中心は現在7戦連続で連対しているラディヴィナにしました。
1000mでは2走前にサトノスピードオーに負けましたが、コース2度目、川崎900mで6戦6勝なら前進必至。
船橋1000mで2戦2勝のアピアも首位争いが狙えるでしょう。

そこに食い込んできそうなのが、昨年2着のタイセイバンデット。
前走は3着でしたが、長期休養明けで馬体減という状態ならば仕方なし。
長距離輸送と北海道より10度以上も高い気温が課題にはなりますが、大外枠が大きな援軍になると考えます。

という私の現在地は北海道の某所。
日曜日の夕方7時の気温は22度でした。
それでも太陽の下にしばらくいたら熱中症っぽくなった感覚がありましたから、やはり夏は要注意。
太陽ギラギラの地域におられる皆様は、本当に気をつけてくださいね!


浦和競馬場はJBCに向けて新スタンド建設中

(浦和競馬場はJBCに向けて新スタンド建設中)

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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