1月3日に川崎競馬場で行われた年明け最初の南関東重賞・報知オールスターカップは、
地元・川崎のノーヴァレンダが単勝1・8倍の断然人気に応えて逃げ切り勝ち。
トライアルから2連勝を飾り、2018年の全日本2歳優駿以来のタイトルを手に入れました。
勝ちタイム2分14秒4(良)は、2,100メートルで実施されるようになった07年以降で最も速く、
優先出走権を手に入れた同舞台の川崎記念(2月2日)でも通用するレベル。
森泰斗騎手の「2,100メートルのレースとしては番手の馬に執拗につつかれて、楽ではないラップを刻んでいたので余裕は感じていませんでした。
最後はきつそうにしていましたが、今日の逃げで勝つ馬は少ないと思うので完全復活です」と言う通り、
ノーヴァレンダの強さが際立ったレースとなりました。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ノーヴァレンダ1着
〇セイカメテオポリス4着
▲ハイランドピーク5着
△ロードゴラッソ3着
△アングライフェン11着
△タイサイ12着
で、残念ながらハズレ…。
11番人気で2着に粘ったエルデュクラージュは、転入初戦だった前走の勝島王冠で◎に推奨した馬。
11着に敗れたことで評価を下げてしまいましたが、
本田正重騎手の「馬場(不良)かな。もっと走ると思う」のレース後コメントを素直に信頼していれば、
良馬場の今回こそが絶好の狙い目だったのかもしれません。
2周目向こう正面で2番手までポジションを上げる積極策で波乱を演出した左海誠二騎手は
「跳びが大きいって聞いていたから、なるべく自分で動かなきゃと思っていた。もう一息だね。
まだ良くなる余地があると思うし、また乗りたい。距離は長めの方がいい」と高評価。
21年のダイオライト記念2着馬ですから、交流重賞でも楽しみな存在です。
19年のシリウスS、20年の名古屋大賞典の勝ち馬ロードゴラッソは、
転入前の3戦連続11着で8番人気に甘んじていましたが、しぶとく追い上げて3着。
初騎乗の張田昂騎手は「しぶさがあるから距離はこれぐらいが乗りやすそう。
(プラス13キロの馬体重に)すごく重いというより、馬体も良くなっているんじゃないかな。
初物尽くしで分からないけど、感触は悪くなかったし、もっと良くなると思う」と復活の手応えをつかんでいました。
大井生え抜きのセイカメテオポリスは左回りコースを求めての遠征。
戸塚記念を制した舞台で2番人気に支持されましたが、スタートダッシュがつかず道中は後方4番手の苦しいポジション。
「もともと速い方ではないけど、スタートが2回目で落ち着きすぎちゃった。
想定よりも2列、3列後ろになっているし、1枠が裏目に出た感じ。
でも、最後はしっかり脚を使っているし、道中の運びはスムーズ。
位置取りのぶんの負けかな。体のバランスが良くなっているし、勝島王冠の走りから左回りでも右回りでも」と矢野貴之騎手。
枠入りのやり直しで発走が約6分遅れるアクシデントが少なからず影響したようですが、
4着まで挽回できたことがかえって今の充実ぶりを示しています。
復活した元JRA実績馬、成長著しい明け4歳馬の台頭で層が厚くなった中長距離路線。
川崎記念、金盃(2月9日、大井2,600メートル)のどちらに出走してきても有力候補になりそうです。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。