2月23日に浦和競馬場で行われた桜花賞トライアル・ユングフラウ賞は、
直線で早めに抜け出した6番人気スティールルージュが押し切り、フルールC、ローレル賞に次ぐ3つ目のタイトルを手に入れました。
自ら調教をつけてきた張田昂騎手は「けっこうやれると思っていた。すごく乗りやすい。
操縦性も利くし、イメージ通り動きたい時に動いてくれる」と振り返っています。
東京2歳優駿牝馬16着大敗後の転入初戦でしたが、
牝馬3冠第一弾・桜花賞(3月17日、浦和1,600メートル)に向けて視界が広がるレースぶりでした。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ヒストリックノヴァ11着
〇スティールルージュ1着
▲ロマンスロード6着
△プラチナプライド5着
△ハッピースパイラル8着
△ジョーストーリー2着
で、ハズレ。
◎に推奨した1番人気ヒストリックノヴァはダッシュがつかず、
直後に他馬に寄られて最後方からの競馬を余儀なくされる不完全燃焼の11着。
矢野貴之騎手は「スタートですね。それにコーナーでいきなり外にモタれたり、スタートのゲートの跡を見たり、
いろいろ集中しきれていない感じ。左回りは大丈夫だと思うけど、馬自体のハマりはあまり良くなかった」と悔しさをにじませていました。
2着争いは写真判定の末に同着。
すんなりハナを奪った3番人気ジョーストーリーはしぶとく食い下がりましたが
「3コーナーで引き離して行こうと思ったけど、(勝ち馬に)3コーナーからこられて押し切られているから、
相手が強かった」と本橋孝太騎手。世代トップレベルのスピードは見せてくれていますから、内枠さえ引ければ本番でもチャンスはありそうです。
一方、5戦連続でメンバー最速の末脚を繰り出した2番人気エミーブレイズは「一気に相手が上がったし、ちょっと忙しかった。
気が良くて真面目。1,600メートルはいいと思う」と初コンビの本田正重騎手は逆転の手応えをつかんでいます。
残念ながら優先出走権を獲得できなかった上位入着馬たちのジョッキーコメントは以下の通りです。
12番人気で4着に健闘したピンクプラムの西啓太騎手は「思った通りの競馬はできたかな。大井、船橋より小回りの方がいい」と納得の表情。
親子制覇のかかったノットオーソリティ産駒プラチナプライドは5着。
森泰斗騎手は「内枠で砂をかぶって、けっこう集中力を欠いていたし、まだ馬が若い。
経験を積みながら力をつけてくれれば」と今後の成長に期待をかけます。
6着ロマンスロードの和田譲治騎手は「スタートはすごく良くて2番手でついて行ったけど、
コーナー、コーナーでフワフワしながら走っていた。勝負どころでついて行けなくて、砂をかぶったのも初めて。
ちょっとイレ込んでいたのもある」と課題を口にしました。
桜の女王を決める舞台は、枠順に左右されやすいトリッキーなコース。トライアルの経験を本番に生かすのはどの馬でしょうか?
当初の予定通り、桜花賞に直行する東京2歳優駿牝馬の勝ち馬スピーディキック、
'22桃花賞2着クールフォルテ(東京2歳優駿牝馬3着)との対決も楽しみです。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。