3月17日に浦和競馬場で行われた南関東3歳牝馬3冠の第1弾・桜花賞は、
大外から抜け出した2歳女王スピーディキックが1番人気に応えて重賞4勝目を飾りました。
中2週のローテーションを嫌ってユングフラウ賞を見送り、大一番に態勢を整えた藤原智行調教師。
「格が違うと思っているし、枠順は気にしていない」と前取材で語ってくれた通り、
初の左回り、直線の短い小回りコース、浦和1,600メートルの不利な大外枠をものともしなかったNARグランプリ2歳最優秀牝馬の強さが際立つレースとなりました。
初騎乗の御神本訓史騎手も
「スタートが良くなかったし、前が流れていたので腹をくくってあの位置で進めました。
左回りを克服してくれたので3冠の関東オークスまで夢が広がりました」と
早くも06年のチャームアスリープ以来、史上2頭目となる牝馬3冠を意識。
東京プリンセス賞(5月11日、大井1,800メートル)で2冠制覇を狙います。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎スティールルージュ7着
〇スピーディキック1着
▲ヒストリックノヴァ8着
△クールフォルテ3着
△エミーブレイズ競走除外
で、ハズレ。
小回りコース向きの先行力を生かしてユングフラウ賞を制した2番人気スティールルージュは、直線の入り口ではじかれる不利が大きく7着。
張田昂騎手は「今野さん(ラインブレイカー)はかわせると思ったけど、内からこられてどうにもならなかった。
でも、勝ってはいないかな。勝ち馬が強かった」と脱帽。
コース2度目で巻き返しを狙った4番人気ヒストリックノヴァは8着。
矢野貴之騎手は「左回りは合っていないのかもしれない。1、2コーナーでのめるような感じだったし、なんにしても流れが速かった。
内枠で行かざるを得なくて悪い方に出た。距離も長い」と振り返っています。
一方、東京プリンセス賞に向けて気持ちを切り替えていたのが2~4着馬のジョッキーたち。
9番人気2着で波乱を演出したティーズハクアの達城龍次騎手は
「3、4コーナーの並びで勝ったと思ったけど、強かった」と勝ち馬をたたえつつ
「この馬は走りますよ。桃花賞も不利、不利で出られなくて、直線だけで5着にきているから能力は高いと思っていた。
距離は問題なくこなせると思う」とフロックではないことを強調しています。
4角で行き場をなくす不利があった3番人気3着クールフォルテの笹川翼騎手は
「最後に詰まったのは僕のミス。勝った馬は強いけど、うまく考えて次はなんとか逆転できるようにやっていきたい。素質は負けていないと思うし、大井1,800メートルはいい舞台」と意欲的。
スタート後に挟まれて最後方から追い上げる形になった8番人気4着トキノゴールドの櫻井光輔騎手は
「道中遊んで走っているので、できればスタートを決めて馬群についていきたい。やはり走る。
今日もパーッと外に膨れたり、逃げるような後ろ向きの部分があるから、そこが成長してくれれば」と期待を込めていました。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。