コラム

東京ダービー       

6月8日に大井競馬場で行われた3歳3冠の第二弾・東京ダービーは、
6番人気カイルが直線早めに抜け出して押し切り、7度目の挑戦で重賞初制覇。
小久保智調教師は2015年のラッキープリンス、
本橋孝太騎手にとっては2012年のプレティオラス以来2度目のダービー制覇になりました。

京浜盃2着以来のコンビだった本橋騎手は「状態が抜群でした。本来は2列目か3列目と思っていたけど、
この状態なら1列目でも自分で競馬を作れると思って、あのポジション(2番手)を取りにいきました。
こられても噛ませすぎないようにして、いいペースだったから息も入ったので反応は良かったですね」と笑顔。

南関東3歳馬の頂点に立ったカイルは、同じ舞台で行われるジャパンダートダービー(7月13日)でJRA勢を迎え撃ちます。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎リコーヴィクター3着
〇シャルフジン8着
▲カイル1着
△ナッジ5着
△ライアン15着
△ミヤギザオウ競走除外

馬単8万5,140円の決着で、羽田盃に続くお手上げでした。

羽田盃馬ミヤギザオウがゲート内で立ち上がって転倒し、両飛節部挫傷で競走除外。
スタート前から波乱の予感はありましたが、羽田盃2着馬ライアンが1周目のゴール板付近で右手綱が切れるアクシデントに見舞われ、
羽田盃3着からの巻き返しを期待された1番人気シャルフジンまで8着に沈むとは…。

前半3ハロン35秒3のハイペースだった羽田盃に対して、今回は37秒2のスローペース。
すんなり主導権を握ったシャルフジンですが、御神本訓史騎手は「馬は良かったですけどね。
ペースが合わなかったのか、距離が合わなかったのか。
追って伸びる馬ではないので、道中ちょっとずつアドバンテージを取る今まで通りの競馬で良かったかな。
これだけ結果が出ないから2,000メートルは長いのかな」とコメント。
持ち味のスピードを生かせる1,600~1,800メートルで見直しが必要でしょう。

羽田盃に続いて波乱のキーマンになったのは12番人気クライオジェニックの安藤洋一騎手。
勝つための戦法としてシャルフジンに真っ向勝負を挑んだ前走から一転して、後方待機策を選択。
大外からメンバー最速の上がり3ハロン38秒5の末脚を繰り出して2着に食い込みました。
「何が勝つか分からない混戦だから、前に行っていいことはないと思っていた。
先行する脚を違うところに持っていった方がいいなって。
今まで行く競馬しかしなかったから前半は無駄に力んでいたけど、
これが成長してもっと競馬が上手になれば大きいところを狙える」と収穫の大きいレースを振り返っていました。

◎に推奨した2番人気リコーヴィクターは最内からの追い上げ及ばず3着。
笹川翼騎手は「ペースが遅かったですね。少し切れ勝負だと分が悪いとは思っていたけど、しっかり走ってくれています。
先のある馬なので長い目でいい経験になれば。ブリンカーはめちゃめちゃ効いていい感じで、本当に勝つと思った。
通るところもちょっと悪かったし、外に持ち出したかったけど、あそこしか開いていなくて…。
僕がもうちょっと誘導してあげられれば良かった」と残念そう。

10番人気4着フレールフィーユの和田譲治騎手は「一瞬夢を見ました。スタートが良くて3番手の一番いいところを通れた。
道中もスムーズでしたし、4コーナーでいい感じできたから、もしかしたらと思った。よく頑張っています」とコメント。

3番人気5着ナッジの矢野貴之騎手は「イメージ通り。内容としては今までで一番納得できた競馬かな。
もうちょっとペースが流れてくれればこの馬の展開になった感じはしますけど、
やはり後ろから1頭差されている、前をとらえられない、決め手不足というところ。
もっと走れる気が毎回毎回する」と結果の伴わないもどかしさを口にします。
NARグランプリ2歳最優秀牡馬の本領発揮は「道具なり、やり方なり、休養で成長を促すなり」ときっかけ一つ。
そのタイミングを取材で逃さないようにしたいと思います。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

goTop