6月28日に大井競馬場で行われた優駿スプリントは、
馬なりで抜け出した2番人気プライルードが後続を突き放して完勝。
7度目の重賞挑戦で念願のタイトルを手に入れて、3歳スプリント王に輝きました。
京浜盃(4着)、羽田盃(13着)で手綱を取っていた本田正重騎手は
「今まで折り合い重視の乗り方をしていたので急に1,200メートルになるのはどうかと思いましたが、
気性が良く、とても前向きなので問題はありませんでした」とフルゲート16頭の大外枠からの横綱相撲を振り返っています。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎スティールルージュ10着
〇フィリオデルソル3着
▲ティアラフォーカス8着
△プライルード1着
△スタースタイル7着
△ジョーストーリー16着
で、ハズレ。
◎に推奨したスティールルージュは若潮スプリントを圧勝したパフォーマンスを見せられず10着。
やはり牝馬にとって57キロは厳しかったということです。
張田昂騎手も「この斤量で牡馬相手では…」とコメント。
スピード能力を疑う余地はありませんが、重賞4勝の実績、
3,000万円を超える番組賞金がこれからも負担重量に大きくのしかかります。
定量戦で51キロが魅力の習志野きらっとスプリント(7月26日、船橋1,000メートル)は古馬トップクラスが相手。
56キロで出走できる黒潮盃(8月17日、大井1,800メートル)は初距離が課題になり
「使うところが難しい。3歳馬同士になるかな」と張田京調教師はローテーションに頭を悩ませています。
そして、大井1,200メートルに矛先を向けて4連勝中で1番人気に支持されたトライアルの覇者ティアラフォーカスは痛恨の出遅れで8着。
勝負どころで追い上げて見せ場を作りましたが「ゲートでガタガタした。出遅れがすべて」と和田譲治騎手は肩を落としていました。
11番人気2着で波乱を演出したのはエスポワールガイ。
追い切りに駆けつけて感触を確かめていた岡村健司騎手は
「思ったより折り合いを欠いてしまった。ゲートを出たのが誤算だったし、
前がやり合うと思ったので譲治さんが出遅れたのも誤算でした。
できれば3番手で控えた方が切り返せると思ったけど、思ったより泰斗さんにペースを落とされた。
相手なりによく頑張ってくれています。惜しかった。
競馬は何があるか分からないですね」と想定外が続いたレースを悔やんでいます。
大きな収穫があったのは4番人気3着のフィリオデルソルです。
クラシックに駒を進めませんでしたが、調教試験で手綱を任された時から短距離適性を感じていた笹川翼騎手は
「内容が良かった。最後までやめていないし、今日はファイトして終わっている。
大井1,200メートルがまだ2回目でテンについていけなかった。
結果論だけど、あともう1、2回経験していれば勝てたかもしれない。
まだメンコ(覆面)を取っていないし、もう一つ反応がありそうな気がする。
力はあるから、メチャメチャ楽しみ」と前向き。
1,200~1,400メートルの路線でタイトル獲得のチャンスがありそうです。
同じくスプリント路線で活路を開きそうなのは、8番人気で4着に食い込んだミゲル。
羽田盃11着、東京ダービー11着で評価を落としていましたが、西啓太騎手は
「馬が戸惑わないかと思ったけど、うまく対応してくれて直線でオッという感じ。
やはり短いところの瞬発力勝負がいい」と手応えをつかんでいます。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。