コラム

戸塚記念        

9月15日に川崎競馬場で行われた戸塚記念は、直線で抜け出した牝馬2冠馬スピーディキックが1番人気に応える3馬身差の快勝。
関東オークス3着以来で約3か月ぶりでしたが、初騎乗の山崎誠士騎手は「以前からレースがしやすそうだなと思っていたけど、
実際に乗ってみて操作性も良くてすばらしい馬でした。まだまだタイトルを取れると思います」と笑顔。

15年のミスアバンセ以来7年ぶりの牝馬Vを達成したスピーディキックは、
同じ舞台で行われるロジータ記念(11月9日)で5つ目のS1タイトルを狙います。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎スピーディキック1着
〇グッドボーイ10着
▲ロマンスグレー14着
△カイル11着
△ライアン6着
△ティーズハクア4着

で、単勝のみ的中。

波乱を演出したのは重賞初挑戦だったB3格付けの2頭でした。

主導権を握って2着に粘り込んだ10番人気ショットメーカーの張田昂騎手は
「差されてもおかしくない感じだったけど、いろいろな要素がかみ合っての2着かな。最初はゆるかったけど、ちょっとずつ固まってきてくれて。
この先もっと成長してくれれば」とコメント。

そして、8番人気3着デルマアズラエルの真島大輔騎手は
「左回りの方がいいみたい。初めて乗ったけど、まだゆるい。しっかりすればもっとはじける。いいモノは持っているし、レースは上手。
距離はこのぐらいがいい」と素質を高く評価しています。

出遅れながらも4着まで追い上げたティーズハクアの達城龍次騎手は
「位置取りが悪かったから、競馬ができなかった。3、4コーナーで全然出るところがなくて…。スムーズな競馬ができれば」。
それでも川崎2,100メートルの持ちタイムを0秒8短縮しているので、ロジータ記念でスピーディキックとの差をどれだけ詰められるか楽しみです。

黒潮盃に続き11番人気5着に健闘したマイブレイブの澤田龍哉騎手は
「3、4コーナーで内がゴチャゴチャしていたので、外に回して結果的にスムーズに競馬ができたけど、
出負けして脚を使ったぶん、最後はちょっと止まっちゃった。力はつけてきています」。
スタートさえ決まれば、すぐにチャンスがきそうです。

上位入着馬が収穫を口にする一方、2~4番人気馬は不完全燃焼に終わってしまいました。

2番人気11着に敗れた東京ダービー馬カイルの本橋孝太騎手は「すみません」と一言。

また、羽田盃2着馬で3番人気6着ライアンの森泰斗騎手は
「そんなに仕掛けて行っていないですけど、ちょっとポジションを取り過ぎたのかもしれない。
川崎コースも向いているとは言い難い。広いコースの方がいい」。

トライアルの覇者で4番人気グッドボーイはゲート入りを嫌がり、末脚不発の10着。
デビューから6戦全て手綱を取る庄司大輔騎手は「馬が嫌気をさして…。我が強いから、気持ちがいい方に向かなかった」と残念そう。
それぞれ能力の高さは確かなので、今後の巻き返しに期待します。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

goTop