コラム

ハイセイコー記念     

11月16日に大井競馬場で行われたハイセイコー記念は、
重賞初挑戦の3番人気マンダリンヒーローが鮮やかな差し切り勝ち。
無傷の4連勝でS1タイトルを手に入れました。

向こう正面で2番手まで押し上げ、メンバー最速の末脚を繰り出す文句なしのレースぶりに矢野貴之騎手は
「1コーナーの入りがゆっくりで、このままでは届かないイメージがあったので行きました。
前と少し離れたらフワフワして進んでいかなかったけど、射程圏に入れたら前をかわす強い気持ちがあったので、最後はねじ伏せてくれました。
まだまだ子供っぽいところもあるので、これからの成長が楽しみ」とコメント。
矢野騎手は4Rの落馬負傷で左すねを5針縫うアクシデントに見舞われましたが、直近1か月で重賞6勝と絶好調です。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ポリゴンウェイヴ2着
〇リベイクフルシティ5着
▲ピノホホッア3着
△マンダリンヒーロー1着
△ナチュラルターン9着
でハズレ。

◎に推奨した2番人気ポリゴンウェイヴは前半3ハロン38秒8のスローペースに持ち込んで逃げ切りを狙いましたが、
ゴールドジュニアに続いてゴール直前で差される2着惜敗。
左海誠二騎手は「今日は押し出されるみたいな感じ。自分のペースで行けたけど、同じ負け方をしちゃって悔しい。走りがまだ子供っぽい。
ハナに行くと抜けちゃうし、追いかけると引っかかるから、もう少し器用さが出てくれば。
(調教師転身前の大井ラスト騎乗に)締めたかったけど、仕方がない」と残念そう。
前回の反省を踏まえてチークピーシーズを外した効果が見られなかった一方で
「まだ馬が若いし、ゆるさもあるから、芯が入ってくれば二段ぐらい上がるんじゃないかな。
来年のクラシックあたりにはだいぶしっかりしてくれると思う。距離も大丈夫だと思う。楽しみ」と将来性に太鼓判を押しています。

5番人気ピノホホッアは直線でしぶとく追い上げて3着。
調教から手綱を取っている内田利雄騎手は「1コーナーを回る時がすごく遅かったので…。最後はジワジワ伸びています。
今回は攻め馬がハードすぎたかな。返し馬でやる気を出しすぎたけど、レースは折り合って上手に走ってくれた。
大きい跳びでいい馬だし、血統的にマイラーと言われますけど、距離は延びても全然問題ないと思う。楽しみ」と相変わらずの高評価です。

8番人気で4着に健闘したトワシュトラールの達城龍次騎手は
「ペースが遅すぎて折り合いがつかず、向こう正面まできつかった。ソエも治まってきたので、これからだと思う」と手応えをつかんでいます。

ゴールドジュニアの覇者で1番人気リベイクフルシティは末脚不発の5着。
デビュー以来の連勝は4でストップしましたが、和田譲治騎手は
「最初のペースが遅すぎる。動きたかったけど、ポケットに入っちゃって動くに動けなくて。
向こう正面でペースは上がったけど、そこで砂をかぶって怯みながらで追走がきつくなった。
ずっと砂をかぶっていなければいい勝負になった気がする。ジリジリ伸びていますけど、スムーズなら違ったかな」と力負けではないことを強調。

心身ともに未完成の馬がほとんどで、展開、枠順、コース、馬場状態などで結果が変わってもおかしくないのが2歳戦の特徴。
クラシック戦線のコラムで、各馬の成長過程をお伝えできればと思います。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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