11月23日に浦和競馬場で行われた浦和記念は、
2周目向こう正面で徐々に進出した4番人気のJRAクリノドラゴンが直線で鮮やかに抜け出し、
3度目の挑戦で重賞初制覇を飾りました。
未勝利戦から5勝全ての手綱を取ってきた武豊騎手は「まだ4歳ですが、キャリア豊富な馬で安心して乗れました。
小回りはあまり気にせず、この馬のスタイルで。状態は本当に良くて、ここにきてさらに力をつけてきた感じ。
少しずつ階段を上がってきて、初めて重賞を勝てて特別うれしいものがあります」と笑顔を見せていました。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ケイアイパープル5着
〇タイセイドレフォン6着
▲ラーゴム2着
△クリノドラゴン1着
△タービランス4着
△ランリョウオー10着
でハズレ。
地方最先着は地元・浦和のタービランスでした。
大外12番枠で4着に泣いた埼玉新聞栄冠賞から一転、今回は絶好の1番枠。
それでも8番人気の低評価でしたが、水の浮く不良馬場の中、しぶとく追い上げて4着に食い込みました。
笹川翼騎手は「枠も良かったので、この馬の競馬はしていると思います。9歳で本当にすごい。
衰えていたらたぶん、このメンバーでも全然ダメだし、
馬場コンディションも悪い中で、ちょっとずつ調子を上げていくのは並みの馬ではない」と感心しきり。
次走は年明けの報知オールスターC(1月3日、川崎2,100メートル)を予定。
過去2、2、1着で相性のいいレースですし、休養明け4戦目で走り頃、
地方馬同士なら主役級の評価が必要でしょう。
3番手で積極的にレースを運んだ9番人気エルデュクラージュは2周目向こう正面で手応えが怪しくなり、7着に沈みました。
本田正重騎手は「前回より具合はめちゃめちゃ良かったと思います。
ただ、もうちょっと乾いた馬場で競馬をさせてあげたかった」と残念そう。
JRAから転入後8戦して良馬場で走れたのは2回だけで、
それが報知オールスターC(勝ち馬ノーヴァレンダ)、川崎記念(勝ち馬チュウワウィザード)の2着。
中距離路線でいつ勝っても不思議のない実力馬ですが、とにかく天候に恵まれません。
過去のコラムで触れてきた通り、重~不良なら軽視のスタンスで良さそうです。
一方、敗因がつかみきれなかったのが、以下の2頭です。
転入初戦を快勝していた5番人気スワーヴアラミスは道中の反応が悪く8着。
マーチS、エルムS、東海Sを含むJRAダート9勝の実績馬ですが、
真島大輔騎手は「小回りは大丈夫だけど、1周目のスタンド前でちょっと嫌気をさしていた。仕切り直し」とコメント。
また、巻き返しを狙った6番人気ランリョウオーは見せ場を作れず10着大敗。
主戦の本橋孝太騎手は「2コーナーの入りから手応えが全然…。
ちょっと長く休ませないとダメかも」と言葉少なでした。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。