コラム

勝島王冠        

12月8日に大井競馬場で行われた勝島王冠は、3番手を追走した8番人気ライトウォーリアが早め先頭から押し切り勝ち。
前走の埼玉新聞栄冠賞に次ぐ2つ目のタイトルを手に入れました。
並み居る重賞ウイナーをねじ伏せる横綱相撲に矢野貴之騎手は
「タメて切れる馬ではないイメージなので、早め早めに動けたらと思っていました。強い競馬をしてくれたことは自信になります」とコメント。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎カジノフォンテン3着
〇アランバローズ11着
▲ライトウォーリア1着
△ギガキング4着
△スワーヴアラミス5着
△タイムフライヤー6着

でハズレ。

◎に推奨した1番人気カジノフォンテンは直線でしぶとく追い上げましたが、最後に脚いろが一緒になり、3着が精いっぱい。
レース初騎乗の御神本訓史騎手は
「ちょっと最後は息切れしたけど、休み明けもあると思う。乗ったのも初めてだし、もうちょっと研究して乗れれば。今日はほぼ満点に近い内容。
この馬のマックスを知らないけど、現状でできることはやっているし、状態は本当に悪くない」と手応えをつかんでいます。
約7か月ぶりでもJpn1競走2勝馬の力は示してくれましたし、寒い時期に調子を上げてくるタイプなので、次走の変わり身に期待します。

12番人気2着で波乱の立役者になったリンゾウチャネルの安藤洋一騎手は
「昔のレースを見た感じは、スタートを出なくてメチャメチャ引っかかる操縦性の全然ないイメージだったけど、スタートがばっちり決まって。
あれ以上出して行くと引っかかる。壁を作ってじっとしていくのが自分のコンセプトだったし、ばっちりハマった。
直線に向く時に勝てるぐらいの手応え。何かがかみ合えば勝てるところにいる。自分の中で最高の競馬ができた」と納得の表情。
過去に騎乗したベテランたちが手を焼いた気難しさのある馬ですが、研究熱心な安藤騎手の好騎乗が光りました。
コンビ継続で1,600~1,800メートルに出走してくればマークが必要です。

大井コースに良績がなく、昨年のジャパンダートダービー10着以来の参戦だった4番人気ギガキングは4着。
主戦の和田譲治騎手は
「右回りは大丈夫。今のところ1,800メートルがベストかな。なんかシブいけど、馬が来たら一生懸命また伸びて反応している。
勝負根性が半端ない。来年が楽しみ。この馬なりに成長しています」と振り返っています。
右回り1勝に対して、左回り7勝のサウスポーでしたが、選択肢が広がるレースぶりでした。

浦和記念8着で10番人気まで評価を下げていたスワーヴアラミスは、59キロを背負いながらも5着に食い込みました。
真島大輔騎手は「前回はおとなしかったですが、今回は感じもいいし、手応えもすごく良かった。この馬やれます」と
エルムS、東海S勝ち馬の復活に期待を寄せています。

一方、人気を分けたアランバローズは絶好のスタートから主導権を握りましたが、まさかの11着大敗。
笹川翼騎手は「馬の状態も返し馬の感じも良かった。今日に限って言えば、もう少し気持ちに任せて行っても良かったのかなという部分もあるし、
そういう問題でもないかもしれないですし…。タメも利くし、外枠の方が良かったというのはあります。
息を入れようと思った段階で、またプレッシャーをかけられて、難しい競馬になりました」と残念そう。

そして、3歳勢の東京ダービー馬カイルは7着、羽田盃馬ミヤギザオウは9着、戸塚記念2着馬ショットメーカーは12着で厳しい結果に…。
古馬トップクラスの厚い壁に跳ね返されましたが、これから経験を重ねていけば世代間の差も詰められるはずです。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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