コラム

東京シンデレラマイル    

12月30日に大井競馬場で行われた東京シンデレラマイルは、
勝負どころで一気に追い上げたスピーディキックが直線で後続を置き去りにする圧勝。
単勝1・3倍の断然人気に応えて8つ目のタイトルを手に入れました。

古馬初挑戦でも力の違いを見せつける文句なしのレースぶりに主戦の御神本訓史騎手は
「いいスタートを切ってくれましたし、この馬のペースと気分を重視しながら追走しました。
3コーナーから外に出しましたが、思った以上の抜群の切れ味を出してくれて、来年が非常に楽しみになりました」と会心の表情。

ダート交流重賞はもちろん、JRA挑戦も視野に入る強烈なパフォーマンスで、3歳女王が世代交代を果たしています。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎スピーディキック1着
〇ダノンレジーナ9着
▲セパヌイール3着
△シゲルルビー4着
△ディアリッキー8着
△リネンファッション10着

で、単勝のみ的中。

1コーナーの入りが4頭横並びになる激しい主導権争いの結果、前半3ハロン36秒0のハイペース。
典型的な前崩れになり、3番人気ダノンレジーナは9着、4番人気リネンファッションは10着、
10番人気ジュランビルは12着、8番人気モンサンラファータは13着に沈みました。

トライアルの覇者で2番人気セパヌイールは待ちに待った重賞初挑戦でしたが、直線で伸びきれず3着。
矢野貴之騎手は「前が流れて理想的な展開でした。他の馬に道中で動かされちゃったのはあるけど、なんと言っても勝った馬の切れ味が想像以上。
勝った馬を褒めるしかない。前に付き合う感じにならなければ、もっとリズム良く運べて2着を確保できたかな」と振り返ります。
明けて8歳でも馬は若く、A2の牝馬限定戦では引き続き主役級の評価が必要です。

格上挑戦した川崎勢は3頭すべてが掲示板を確保する大活躍。
1コーナーで最後方だった6番人気トップザビルは2着に食い込みました。
初騎乗の町田直希騎手は「出脚が良くなかったので、極端な競馬をしようと思った。流れが向いてくれた」とコメント。

そして、5番人気4着シゲルルビーの伊藤裕人騎手は「道中の手応えならもうちょっと伸びていい感じがするけど、相手も相手だから…。
でも、展開一つの感じ。1,200メートルでも2,000メートルでもこなせるし、牝馬限定戦ならいい競馬をすると思う」と手応えをつかんでいます。

一方、11番人気5着ロカマドールの山崎誠士騎手は
「展開も向いたけど、本音はもう少し上位を目指したかった。
距離は長いと良くないから、1,600メートルぐらいまで」とがっかりしていましたが、今回の経験は自己条件で生きてくるでしょう。

20年、21年の覇者ダノンレジーナはラストラン。
重賞6勝を含む転入後の16勝すべて手綱を取った本橋孝太騎手は
「勝たせてあげたかったけど、ペースが速かったし、その後も(ペースが)ずっと落ちていない。
枠順もあるし、競馬だから仕方がないですね」と有終の美を飾れず残念そうでした。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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