コラム

ユングフラウ賞     

2月15日に浦和競馬場で行われたユングフラウ賞は、最後の直線で外から追い込んだ1番人気サーフズアップが差し切り勝ち。
ここ2戦は重賞でローレル賞2着、東京2歳優駿牝馬3着と好走を続け、3度目の重賞挑戦でタイトルを手に入れました。

御神本訓史騎手は「前も速くなったので、仕掛けるタイミングだけ逃さずに追走しました。
残り50メートルぐらいで向こう(アトカラツイテクル)がパタッと止まったので、
これなら何とかかわしてくれるかなと思って最後は一生懸命に追いました」と会心の表情。
小回りコース向きの機動力を生かした勝利で、南関東牝馬3冠の第一戦・桜花賞(3月22日、浦和1,500メートル)に弾みをつけました。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎サーフズアップ1着
〇アトカラツイテクル2着
▲クラティアラ5着
△ワイズゴールド4着
△ハーンドルフ7着
△エイシンエイト12着

で的中。

主導権争いが激しくなり、前半3ハロン35秒6のハイペース。
3番手を追走した4番人気アトカラツイテクルは4角先頭の積極策から押し切りを狙いましたが、
ゴール寸前で差し切られて2着に惜敗しました。
あと一歩で涙を呑んだ和田譲治騎手は「向こう正面でちょっとペースを落としていれば最後まで残っていたのかな。
下手に乗りました。結果、早仕掛け。アタマ差だからどうにかなったかなって感じはありました」と反省しきり。
それでも一番強い競馬をしていたのは間違いなく、1,500メートルは守備範囲なので、本番で逆転しても不思議はありません。

11番人気の低評価を覆して0秒2差3着に食い込んだのはデザートウインド。
重賞初挑戦でしたが、1歳上の半姉が南関東牝馬2冠馬スピーディキックという血統にふさわしい走りを見せてくれました。
見越彬央騎手は「広いコースなら1,200メートルの方が合っていると思うけど、
コーナーが急だから浦和だと1,500メートルの方がいいかな。
3、4コーナーでモタついちゃったから、あそこでスッと上がってこられれば…」。
桜花賞の優先出走権を獲得しただけではなく、逆転のイメージをつかんだ収穫のあるレースになったようです。

7番人気4着ワイズゴールドの達城龍次騎手は「ペースは流れていましたね。道中もずっと緩むところなく、ちょっと忙しかった。
流れが速い分、最後はきた感じ。浦和は乗りやすかったし、この前より馬の状態もいいのかも」。

また、5番人気5着クラティアラの笹川翼騎手は「初めての左回りだし、1周競馬も初めて。
モノ見をしていたわりに、しっかり走ってくれました。レースセンスが良く、最後まで素質で頑張ってくれました」と振り返っています。

一方、ローレル賞勝ち馬で2番人気マカゼは後方4番手からの競馬になり、見せ場すら作れず8着に沈みました。
矢野貴之騎手は「連戦の疲れもあるのかなっていう感じ。
ゲートの中で馬と馬の間に入っていれば違うけど、最内枠で馬場を気にしていて一歩目が遅かった。
小回りもこなしているし、もまれても大丈夫。競馬自体は別に問題ないけど、うまく走れていない」とコメント。

準重賞・ジェムストーン賞を制して臨んだ3番人気ハーンドルフの本田正重騎手は
「距離が長い。前走で1,200メートルを勝った時もギリギリだったから…」と敗因を挙げています。
今後は短距離路線に向かうとのことで、若潮スプリント(5月2日、船橋1,200メートル)、
優駿スプリント(6月27日、大井1,200メートル)に出走してくれば見直しが必要でしょう。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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