2月22日に大井競馬場で行われた金盃は、最後の直線で馬群をさばいた8番人気カイルがゴール寸前でアタマ差とらえる快勝。
12番人気トーセンブルが2着に入り、馬単10万5,690円という大波乱になりました。
昨年の東京ダービー以来の復活Vに導いた御神本訓史騎手は
「抜群の手応えというわけではなかったですが、じりじり差は詰まってきて、
前の達城騎手の馬(トーセンブル)と後ろからの本田騎手の馬(セイカメテオポリス)と挟まれたことによって
馬も火が点いたようです」とコメント。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎セイカメテオポリス3着
〇マンガン4着
▲コバルトウィング14着
△コスモポポラリタ5着
△サンビュート7着
△ウラノメトリア13着
でハズレ。
一旦先頭に立った8歳馬トーセンブルはあと一歩のところで涙を呑みました。
初コンビの達城龍次騎手は「惜しかった。人気がないから行けたコース取り。
最内で詰まってもおかしくないところに入っていったから、そこがうまく行った感じ。
持久力はありそうだし、折り合いがすごくついていて無駄な力を使っていない」とステイヤーとしての資質を評価しています。
金盃は4年連続の出走で3、2、5、2着。
国内ダート最長距離という特殊な舞台なだけに、近況の成績よりも適性を重視するべきでした。
◎に推奨した2番人気セイカメテオポリスは道中の進みが悪く、直線の追い上げ及ばず0秒1差3着。
本田正重騎手は「今日は全然ダメかなと思ったけど、砂をかぶらないところに出したら、アレッて。
砂を嫌がる時があるからそれもあるとは思いますけど、気持ち重いかな」と悔しさをにじませています。
次走はダイオライト記念(3月15日、船橋2,400メートル)へ。
パワータイプで、時計のかかる今の船橋の馬場は大歓迎。
なかなか勝ちきれませんが、昨年5着以上のシーンがあっても不思議はありません。
一昨年の覇者で5番人気のマンガンは痛恨の出遅れ。
外からしぶとく追い上げましたが、4着が精いっぱいでした。
山崎誠士騎手は「出遅れちゃったからね。(ゲートで)馬が待たされてボーッとしちゃった。復活の兆しはある」。
また、紅一点の6番人気コスモポポラリタは大外から0秒4差まで詰め寄る5着。
和田譲治騎手は「結果論、内を回っていればいい勝負をしていた。ワンチャン勝っていたかも。
今日はうまく誘導できなかった」と反省の弁。
A2の身で52キロの軽量だったとはいえ、牡馬トップクラス相手に通用する力を示しています。
中長距離路線では引き続きマークが必要です。
先行馬が総崩れする中、主導権を握った3番人気ランリョウオーは6着に食い下がりました。
本橋孝太騎手は「一番強い競馬をしています。
展開がかなり厳しくてずっと突かれて、3コーナーからまた来られても、直線半ばまで粘っています。
返し馬から気持ちが前向きで復活しているかもと思いました。戻っていますね。
負けたけど、ホッとしています」とかなりの手応え。
埼玉新聞栄冠賞(8着)、浦和記念(10着)の連敗からわずか3か月での立て直し。
今回の勝ち馬カイルも含めて、小久保智厩舎のチーム力はさすがというしかありません。
一方、前走のトライアルを含む6連勝中で1番人気に支持されたコバルトウィングは、直線で失速して14着。
森泰斗騎手は「ゲートで待たされてちょっと集中力に欠く面が…。気性的に難しいところがあるので、そういうところが出たのかな。
今までと相手も違ったし、仕切り直しですね」と振り返っています。
まだA2なので、自己条件での巻き返しを期待しましょう。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。