5月10日に大井競馬場で行われた南関東3歳3冠の第一戦・羽田盃は、4角で先頭に立った4番人気ミックファイアが後続を6馬身突き放す圧勝。
爪の不安で約5か月ぶり、重賞初挑戦にもかかわらず、デビューからの連勝を4に伸ばしてS1タイトルを手に入れました。
2007年にトップサバトンがマークしたレースレコードを0秒2更新する大井1,800メートル1分50秒9のタイムに初騎乗の御神本訓史騎手は
「びっくりするくらい強かった。(父が)シニスターミニスターで難しいところはあるだろうと思ったけど、スムーズに走ってくれた。
1,600メートルぐらいがいいような気がするけど、能力が高いから2,000メートルもこなせるかもしれない。
それにしても血統背景とか合うのかな。バネがいい。ちょっとミューチャリーに似ているよね」と
予想をはるかに上回るパフォーマンスに驚きの表情。
強烈なインパクトを与えて勢力図を一変させたミックファイア。
東京ダービー(6月7日、大井2,000メートル)で無敗の2冠馬誕生なるか!?楽しみです。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ヒーローコール2着
〇サベージ3着
▲ミックファイア1着
△トノパー9着
△ポリゴンウェイヴ12着
△キングオブザナイル13着
でハズレ。
◎に推奨したヒーローコールはまさかの2着。
切れ負けすることがあったとしても前をとらえきれないシーンは思い浮かばず、▲◎の裏目を取りませんでした。
単勝1・4倍の断然人気に応えられなかった森泰斗騎手は「馬場が軽いにしても勝ち時計が異常に速い。ちょっと記憶にないですよね。
普通なら僕の馬が勝っていて、サベージが2着っていう競馬だったと思うけど、ちょっとびっくりした。
最後に手前を替えられなかったし、今日みたいな速いラップの流れでは持つところがなかった」と悔しさをにじませながらも
「サベージの追撃を振り切ったのは評価していいと思う。距離が延びるのは気性からもプラスなのでなんとか逆転したい」とコメント。
京浜盃勝ち馬で2番人気のサベージはスタートで後手に回り、離れた最後方を追走する厳しい展開になりましたが、
勝負どころで一気に追い上げて3着を確保しました。
石崎駿騎手は「馬場も込みで少しトモを温めて自然とついて行けるぐらいにしたいなって想定があった。
それが裏目に出たのかな。馬に気が入りすぎたのかもしれない。僕のミスですね。(出遅れて)あの距離は致命的。
そのぶん仕掛けも早くなって、最後はちょっとタレたって感じ。
でも、成長はうかがえましたし、すごくいい脚だったので、この経験をちゃんと次に生かしたい。
少なく見積もっても時計1つは速いから、今回はちょっと特殊な馬場。それを考えると(着順は)またガラッと変わる」と気持ちを切り替えています。
ヒーローコール、サベージにとって距離延長は間違いなくプラス。
200メートル延びる頂上決戦で逆転の望みをかけたいところでしょう。
京浜盃で上位(2~4着)争いをした3頭のコメントもお伝えしておきます。
9番人気4着リベイクフルシティの和田譲治騎手は「砂は全然問題なく、道中もついて行けて3、4コーナーもすごく手応えが良かった。
最後はジリジリだったけど、力は出し切れました。今日は砂も克服してくれたし、距離延長は問題ないと思う」。
5番人気5着オピニオンリーダーの矢野貴之騎手は「展開も向いているかと思ったけど、前が止まらない馬場もあるし、勝った馬も強かった。
時計勝負になると分が悪い。乗り方をいろいろ考えて乗らないとダービーでは逆転できないかな。スタートは切れているので、
もっと積極的に運んでもいい気がします。センスがいいので距離もこなしてくれると思います」。
3番人気9着トノパーの本田正重騎手は「砂をかぶったのが初めてだったので、めちゃくちゃ嫌がった。外枠の方がいいかな。距離は大丈夫」。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。