コラム

東京プリンセス賞      

5月11日に大井競馬場で行われた南関東3歳牝馬3冠の第二戦・東京プリンセス賞は、
道中3番手で進めた2番人気サーフズアップが鮮やかに差し切り、桜花賞2着の雪辱を果たしてS1タイトルを手に入れました。

羽田盃のミックファイアに次ぐ連夜のクラシック制覇を決めた御神本訓史騎手。
「スタートは悪くないので、出たところで勝負しようと思っていました。向こう正面で砂をかぶせたので折り合いもつきましたし、
直線はジリジリ伸びてくれるので最後は信じていました。器用な馬なので左回りも問題ないですし、
強い馬と戦ってどれくらいやれるのか楽しみ」と早くも関東オークス(6月14日、川崎2,100メートル)を意識しています。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎メイドイットマム3着
○スギノプリンセス9着
▲ボヌールバローズ2着
△サーフズアップ1着
△フークエンジェル5着
△コアリオ8着

でハズレ。

単勝1・4倍の断然人気に支持された桜花賞馬メイドイットマムは、本来の切れが見られず3着止まり。
主戦の本橋孝太騎手は「終始ストレスがかかっていた競馬で、最後も外に出せなかった。理想通りの位置で運べたけど、やはり女の子だな。
もう少し気分良く走らせてあげたかった。いつも息を抜くところがいいところで、それで最後は伸びるけど、ずっと力んでいたから。
負けて悔しいし、申し訳ないですけど、これからにつながるレースにはなった。(レースを)やめていないので、一つ上の馬になってくれると思う。
本当にダメな仔なら直線であんな僅差まできていないし、距離は問題ない」と前を向きます。
石井勝男調教師は「3コーナーぐらいまでいいかなと思ったけど、思いのほか伸びなかった。
疲れが出ているのかもしれない。今後は未定です」とコメント。

最内枠がアダになり、想像以上に周囲のプレッシャーを感じてしまっていたようですが、世代トップクラスの力があるのは間違いありません。
距離の融通性もあるので次戦での巻き返しに期待します。

早め先頭から押し切りを狙った3番人気ボヌールバローズは惜しくも2着。
笹川翼騎手は「もう少しうまく乗ってあげられれば勝ちまであったと思います。運びは完ぺきだったけど、抜け出すタイミングが…。
いろいろ考えたことが裏目に出ちゃって。孝太さんにヨーイドンではかなわないと思ったし、
後続に脚を使わせながら粘り込みたいところがあったけど、結果論、もう少し我慢すれば良かった。
本当に競馬が上手。距離は問題ない」と残念そう。

一方、重賞初挑戦だった7番人気エオリエンヌは4着に健闘。
初騎乗の吉原寛人騎手は「距離はしっかりこなしてくれた。もっとしんどくなると思ったけど、
ずっと手応えのある状態で進めたので、内容は良かったと思います」。

6番人気5着フークエンジェルの矢野貴之騎手は「いい感じですね。馬場が前残りでしたけど、よく伸びている。
もう少し道中ついて行ければ違うと思います」と手応えをつかんでいます。

一方、東京2歳優駿牝馬4着、桜花賞5着で4番人気スギノプリンセスは見せ場すら作れず9着に沈みました。
減っていた馬体が回復し、走り慣れた右回りコースに替わり、転入3戦目の変わり身に期待して○に推奨しましたが、
本田正重騎手は「向こう正面で外4番手になるのもキツいと思ったけど、結果的にカマした方が良かったかな。
もう少し走っていいけど…」と言葉少なでした。

今年の南関東3歳牝馬限定重賞は、コーナーを6つ回る川崎2,100メートルの2競走を残すのみ。
ダートグレードの関東オークスは別として、このメンバーが再び顔を合わせるのはロジータ記念(11月8日)でしょう。
それぞれの成長過程を追いかけたいと思います。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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