コラム

東京ダービー        

6月7日に大井競馬場で行われた南関東3歳3冠の第二戦・東京ダービーは、
単勝1・5倍の断然人気に支持されたミックファイアが無傷の5連勝で2冠制覇を達成しました。

4角先頭から後続を6馬身突き放した圧倒的なパフォーマンスも、
従来のレースレコード(2007年アンパサンドの2分5秒0)を0秒2更新したのも羽田盃とまったく同じ。
無敗の東京ダービー馬は01年トーシンブリザード、04年アジュディミツオーに次ぐ史上3頭目となり、歴史的名馬に肩を並べました。

同じ舞台で行われるジャパンダートダービー(7月12日)ではJRA勢を迎え撃つ立場になりますが、
御神本訓史騎手は「手応えも良く、はじけ方もすごかった。とんでもないスケールの馬。距離は大丈夫そう。
展開は変わるだろうけど、自信を持っていいんじゃないかな」と手応え十分です。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ヒーローコール2着
〇ミックファイア1着
▲サベージ4着

この日は10R○◎、12R▲◎で決まり、5月29日の浦和競馬初日に次ぐ今年5度目のトリプル馬単(3万6,455円)的中となりました。

『すぱっと!POG!2022-23』の指名馬でもあり、距離延長で逆転の望みをかけた◎ヒーローコールは羽田盃に続く2着。
主戦・森泰斗騎手は「ちょっとペースも遅いと思って早めに捕まえにいったけど、離されて…。勝ち馬を褒めるしかない」と言葉少な。
例年なら勝っていてもおかしくないレベルで、とにかく相手が悪かったとしか言いようがありません。

最後方から徐々にポジションを上げていった3番人気サベージは4着止まり。
石崎駿騎手は「いつも通りの競馬に徹して折り合いはついたけど、さばくのに苦労しました。
ペースと馬場が向かないと言っても2着は欲しいところ。
普通のこの馬の伸び脚ならかわせると思うけど、結果的に追い切りをやり過ぎたかな」と振り返っています。

一方、トライアルの覇者で4番人気ナンセイホワイトは収穫大!!です。
重賞初挑戦ながらも3着に食い込んだ笹川翼騎手は「リズム良くと思ったら強い馬の後ろに行けたので、本当に予想していた展開。
デビューから1,800メートルを使っているのが大きく、(ハミを)噛むっていうのはないから距離はもっとあってもいい。
まだ成長する。今年はメンバーが強くてもこれだけやれているし、この世代ではトップクラスだと思う。
競馬がうまいから崩れることはない」と将来性に太鼓判。

黒潮盃(8月16日、大井1,800メートル)、戸塚記念(9月14日、川崎2,100メートル)、
ダービーグランプリ(10月1日、盛岡、ダート2,000メートル)などの3歳路線でタイトル獲得のチャンスがありそうです。

羽田盃と同じく5番人気5着だったオピニオンリーダーの矢野貴之騎手は「この馬の勝負根性を出したなって感じ。
立ち回り次第でもっとやれると思うけど、現状の力は出し切っている。ゴリゴリのスプリンターって感じはしないから、そのへんがこの馬のすごさ。
目立たないけど活躍するタイプ」とコメント。
全3勝を大井1,200メートルでマークしていますが、2,000メートルまではメドを立てています。

3番手でレースを進めた6番人気リベイクフルシティは勝負どころで手応えが怪しくなり、デビュー8戦目にして初めて掲示板を外す9着。
和田譲治騎手は「ゆっくり行ったら結果は違うんだろうけど、今日は強気に行ったから。
ベストは1,400~1,600メートルかな」。
得意舞台で見直しが必要でしょう。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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