コラム

関東オークス     

6月14日に川崎競馬場で行われた南関東3歳牝馬3冠の最終戦・関東オークスは、
2周目4コーナーで先頭に立った3番人気パライバトルマリンが押し切り勝ち。
初物尽くしの課題を難なく克服して、重賞初挑戦Vを飾りました。

レースで初めて手綱を取った戸崎圭太騎手は「先頭に立ってから少しフワッとするところがありましたけど、
またさらに追うとしっかり反応して伸びてくれたので強い内容。距離もクリアできたので、視野が広がるんじゃないかなと思います」と笑顔。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎メイショウオーロラ3着
〇フェブランシェ7着
▲メイドイットマム4着
△パライバトルマリン1着
△クレメダンジュ2着
△サーフズアップ10着

でハズレ。

JRA勢が1〜3着を独占する中、6番人気の桜花賞馬メイドイットマムが0秒3差4着に食い込みました。
3番手を奪う積極策に出た主戦の本橋孝太騎手は「他のコースならもう一列後ろで良かったけど、川崎だから。
4コーナーである(勝つ)と思ったけど、ペースが落ち着いたし、圭太さんのも息が入っていたので…。
でも、そんなに負けていないし、力のあるところを見せられたのは良かった」とコメント。
名実ともに世代トップレベルは疑いようがなく「3コーナー手前でズブい面を見せて踏ん張れないんだよなぁ。
なんか自分で息を入れちゃう。そこの成長を願うぐらい」とあえて課題を口にするのは期待の大きさの現れでしょう。

一方、ユングフラウ賞、東京プリンセス賞勝ちを含め通算〈3-4-1-0〉の安定感で4番人気に支持されたサーフズアップは、
勝負どころで徐々に置かれて10着に沈みました。
御神本訓史騎手は「距離も長いんじゃないかな。コーナーが多いと集中が切れている感じ。
2コーナーまでは大丈夫だったけど、向こう正面に入ったら手応えがなかった」と振り返っています。
器用さを武器に1,800メートルまでこなしてきましたが、本質的な適性はマイル以下のようです。

8番人気6着フークエンジェルの矢野貴之騎手は「4コーナーで一瞬、オッ、そこそこ来るぞって感じでした。
向こう正面で位置を取りに行ったぶん、結果的に早仕掛けでロングスパートになっちゃった。
この馬自体がゴール前で甘いのかもしれないけど、地方馬同士なら乗り方次第でおもしろい。
前半やる気がなさすぎて心配するぐらいだから、距離は長い方がいい」と手応えをつかんでいます。

南関東で行われる今年の3歳牝馬限定重賞は、同舞台のロジータ記念(11月8日)を残すのみ。
本橋騎手が「けっこうカッカしているから、ぶっつけでも大丈夫」と太鼓判を押すメイドイットマムが現段階の◎候補ですが、
ひと夏を越えて大きく成長する馬が現れるのか?
羽田盃、東京ダービーを制したミックファイアのような新星が牝馬路線にも現れるのか?
しっかり取材をして予想に反映したいと思います。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

goTop