コラム

優駿スプリント    

6月27日に大井競馬場で行われた優駿スプリントは、
直線で抜け出した3番人気フジコチャンが押し切り勝ち。
4度目の重賞挑戦で重賞初制覇を飾りました。

森泰斗騎手は「速いペースについていっているので、しっかり反応したという感じではないですが、
頑張って走りきってくれたと思います」と会心の表情。
イレ込みやすい気性が改善してくれば、ダートの短距離重賞で5勝している半兄テイエムサウスダン(父サウスヴィグラス)のように
タイトルを積み重ねていきそうです。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎メンコイボクチャン3着
〇スタードラマー7着
▲シロイトイキ8着
△フジコチャン1着
△クラティアラ11着
△リベイクフルシティ14着

でハズレ。

若潮スプリントの覇者で◎に推奨した5番人気メンコイボクチャンは
終始外々を回らされる展開が厳しく、追い上げ及ばず3着止まり。

澤田龍哉騎手は「スタートは一番速かったので、もっと内枠を引けていれば3番手を取れていた。
3、4コーナーで3頭の後ろに下げても良かったけど、そこで気持ちを途切れさせるのは…と思って強気に乗った。
最後まで差を広げられずについてきてくれたのは収穫。伸びシロしかないと思う」と確かな手応え。

そして、適性に関して「右回りも左回りも関係ない。物見するタイプではないし、初コースが心配な馬ではない。
いいスタートを切って番手につけて、前回のように自分のペースに持ち込む形が一番強いと思う。
大井なら1,400メートルが合う。ポケットからスタートしてすぐにコーナーがあって、船橋1,200メートルみたいにペースが上がりにくいから。
大井1,200メートルは船橋1,000メートルに近いレースっていうイメージをしてもらえたら」と教えてくれました。

厳密なワンターンなのか、そうではないのか。
スタートしてからの直線の長さがテンのポジション争いを左右する、と言われてみれば納得です。

直線で早め先頭に立ったポーチュラカは最後までしぶとく食い下がり、10番人気の低評価を覆す2着。
初騎乗の藤本現暉騎手は「前残りの馬場だったので強気に行ったけど、
バッタリ止まっていない。短いところなら重賞でもやれそうな感じです」と高評価。
2歳時に船橋1,000メートルの新馬戦を1分1秒2の好タイムで圧勝し、続くゴールドジュニアは重賞初挑戦ながらも4着。
B2格付け初戦の前走で古馬をあっさりねじ伏せたように、スプリンターとしての資質はかなりのものです。

約3か月半ぶりで挑んだ東京ダービーで8着に敗れ、
1,200メートルに矛先を向けた9番人気ウインドフレイバーはメンバー最速の上がり3ハロン36秒6の末脚で4着まで追い上げました。
初めて手綱を取った的場文男騎手は「もっとダッシュ力が欲しかった。最後は追い込んできたけど、ちょっと距離が短い。
黒潮盃(8月16日、大井1,800メートル)がいいんじゃないの」とコメント。

なお、以下の2頭は人気を下回る結果になりましたが、引き続きマークが必要です。

トライアルの覇者シロイトイキはデビュー6戦目で初めて連対を外す8着に終わり、
矢野貴之騎手は「大外枠もキツいし、キャリアの問題だと思います。今日は本来の走りをしていない。
心配していたスタートもちょっと出負けしたし、レース運びといい、枠順といい、流れに乗れなかった。
毎回使うたびに課題をクリアしていたから、ここもと思ったけど、さすがに甘くはなかった」。
3月28日に復帰してから1、2、1、1着。
わずか3か月で重賞に駒を進めて1番人気に支持されるのは並みの馬ではありません。

また、ゴールドジュニアを含む2戦2勝の舞台で復活を期待された2番人気リベイクフルシティは14着。
テン乗りの本橋孝太騎手は「スタートは五分に出ているけど、全然進まなかった。
砂をちょっと嫌がっているのもあるけど、一線級でずっとやってきているから疲れが出始めているのかも。
休ませて固まったら覚醒すると思う。まだ全然ゆるい。1,200メートルの馬じゃない。 1,400メートル、1,600メートルがいいと思う」。
世代トップレベルの素質は間違いなく、今後の動向に注目です。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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