8月16日に大井競馬場で行われた黒潮盃は、直線で抜け出した2番人気ヒーローコールが、
追いすがる1番人気マンダリンヒーローを退けて重賞3勝目。
雲取賞以来2度目の〝ヒーロー対決〟はまたしてもヒーローコールに軍配が上がりました。
ヒーローコール(Photo by 両角昭男)
ミックファイアが不在の3歳限定重賞。
58キロの斤量でも羽田盃、東京ダービーで2着した力に全く影響はありませんでした。
2、3番手でレースを運んだ森泰斗騎手は
「スタートしてすぐにムチを落としちゃって、ヤバイと思って…。ズブい馬だから必死だった。
でも、逆にハミに集中して乗れたから良かったのかな。ポジションが大きいですけど、
この前よりいくらか力強くなっていた気がしたし、この短期間で体も増えていたから厩舎がすごい。
マイルの馬じゃない。2,000~2,400メートルでもいい」とコメント。
森泰斗騎手(Photo by 両角昭男)
前走のサンタアニタトロフィーは初めての古馬相手でペースに戸惑って10着に敗れましたが、
中1週のローテーションを承知の上で経験を積ませた小久保智調教師の戦略はさすがというしかありません。
次走は戸塚記念(9月14日、川崎2,100メートル)でS1タイトルを狙います。
ヒーローコール(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎マンダリンヒーロー2着
〇ドラケン4着
▲コルドゥアン7着
△ヒーローコール1着
△ウインドフレイバー3着
でハズレ。
米国遠征からの帰国初戦だったマンダリンヒーローは追い上げ及ばず2着。
ライバルと馬体を並べて進んだクアトロ騎手は
「ペースは早くならなかったので、思った通りの位置が取れました。
勝った馬に続いて自分もスパートさせようと試みましたが、並ぶところまでいきませんでした。
ゴーサインを出した時に加速までに時間がかかるのはこの馬の特性。ゴールまで闘志を失うことなくしっかり走ってくれたと思います。
今日は勝ち馬が強かったのを認めざるを得ないです」と振り返っています。
マンダリンヒーロー(Photo by 両角昭男)
終ってみればA1格付けの重賞ウイナー同士の決着。
2頭と他馬の力差を強く感じさせる結果になりましたが、以下の馬たちは自己条件に戻れば古馬初対戦でも十分通用するでしょう。
出ムチを入れてハナを主張した7番人気ウインドフレイバーは見せ場たっぷりの3着。
優駿スプリント4着に次ぐコンビ2度目となった的場文男騎手は「マイペースで行けて良しって思ったけど、
クラシックを戦ってきた2頭が強かった。まだまだ成長力があるし、
これから。距離は長くていい。2,000メートルでも平気」と素質を高く評価しています。
ウインドフレイバー(Photo by 両角昭男)
4番人気4着ドラケンの藤田凌騎手は
「3コーナーからのペースアップが一気になっちゃったので、ついて行けない部分があった。
そこで離されたぶんが最後の差。ヨーイドンで脚を使えるタイプではなかったので、もう少し淡々と流れて欲しかった」と悔しそう。
また、5番人気5着タイガーチャージの笹川翼騎手は
「絶好のポジションにいたので、なるべくくっついて行こうと思っていました。
上位との差は詰めているので成長していると思います。こういう馬が強くなる気がします」と前を向いていました。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。