10月11日に川崎競馬場で行われた鎌倉記念は、3角で先頭に立った北海道の2番人気サントノーレが後続の追撃を振り切り、
2度目の挑戦で初タイトルを獲得しました。
サントノーレ(Photo by 両角昭男)
デビューから4戦すべて手綱を取る服部茂史騎手は「道中はいい手応えできていましたけど、初めてのコースだったので馬が遊ぶところがありました。
4コーナー手前で外から森泰斗くんの馬がきてもう1回ハミを取ってくれたので、最後は勝てると思いました」とコメント。
服部茂史騎手(Photo by 両角昭男)
長距離輸送、川崎コースを克服したサントノーレは、全日本2歳優駿(12月13日、川崎1,600メートル)でJRA勢に挑みます。
サントノーレ(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎アムクラージュ4着
〇パンセ3着
▲アジアミッション5着
△サントノーレ1着
△ライゾマティクス2着
△メイプルケンジ11着
でハズレ。
◎に推奨したアムクラージュは単勝1.8倍の断然人気に支持されましたが、末脚不発の4着に終わりました。
ルーキーズサマーCを含む3連勝のレースぶりが圧巻だっただけに山崎誠士騎手は
「乗っていても、なんで走らないのか分からなかった。今までが楽だったから厳しい競馬だったのかな。距離じゃない。
砂はちょっとかぶったけど嫌がっているとかなかったし、あれで負けないでしょ。謎。手応えはあったけど、
いつものように動いたらビュンというのがなかったし、モタモタして反応が悪かった。3コーナー手前ぐらいから怪しかった」
と最後まで納得のいかない様子。
アムクラージュ(Photo by 両角昭男)
明確な敗因はつかめませんが、素質は疑いようがなく、次戦での巻き返しを期待しましょう。
対照的に明るい兆しを見せたのは、真っ向勝負を挑んで2着に粘り込んだライゾマティクスでした。
ライゾマティクス(Photo by 両角昭男)
ルーキーズサマーCの5着で7番人気まで評価を下げていましたが、森泰斗騎手は「前回とは雲泥の差でしたね。
力をつけてきているプラス調子も良かったと思います。スムーズな競馬ができて現状の力は出せたけど、
まだ気性的にも体も幼いし、来年が楽しみになるレースでした。
今日は砂をかぶせてみたけど大丈夫だったので、どんな競馬でもできそう」と満足そう。
前走の予想ブログで◎に推奨したので悔いが残る半面、POGコラムの推奨馬の好走は嬉しい限りです。
地元・川崎勢で上位争いを演じたのは、くしくも前走の若武者賞で同じ不利に泣いて小差2、3着に敗れた2頭でした。
3番人気3着パンセの吉原寛人騎手は「誠士(アムクラージュ)が前にいたのでマークしながら、という形。不利もなく、
馬群もさばいて抜けてきてくれていたので、もうひと伸びほしいと思ったけど、最後は一緒になっちゃった。
使ってきているので、その疲れもあるのかな」。
そして、4番人気5着アジアミッションの御神本訓史騎手は「馬が疲れているのか、返し馬も硬かった。そのわりには一生懸命走っていると思う。
これで一息入れるそうなので、良くなってくれば走りそう。センスもいいし、競馬がうまい」と振り返っています。
全日本2歳優駿の優先出走権がある南関東重賞は、平和賞(10月25日、船橋1,600メートル)、ハイセイコー記念(10月31日、大井1,600メートル)を
残すのみ。世代ナンバーワンの座をかけた争いをリードするのはどの馬か? 2歳戦線は佳境を迎えています。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。