コラム

埼玉新聞栄冠賞      

10月18日に浦和競馬場で行われた埼玉新聞栄冠賞は、
3番手を進んだ4番人気ジョエルがゴール前でクビ差抜け出して重賞3勝目を飾りました。

ジョエル(中)

ジョエル(中)(Photo by 両角昭男)


これでコンビ3戦3勝とした所蛍騎手は
「道中、前めにつけられて、馬が一生懸命に走ってくれたので、スムーズなレース展開ができて良かったと思います」とコメント。

今年4月にデビューしたばかりのルーキーにとって、通算8勝目がビッグタイトルという快挙となりました。

所蛍騎手

所蛍騎手(Photo by 両角昭男)


ジョエル&所蛍騎手

ジョエル&所蛍騎手(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ヴェルテックス5着
〇ランリョウオー2着
▲マンガン7着
△ミヤギザオウ6着
△カイル9着

でハズレ。

転入2戦目の上積みを見込んで◎に推奨した2番人気ヴェルテックスは、東京記念と同じく好位を追走するも伸びきれず5着。
笹川翼騎手は「前回より仕上がっていました。スタートも決まっているし、
今日は本当に道中のリズムも良くて、2周目の2コーナーぐらいまでは勝つんじゃないかな、っていうぐらい。
最後も離されてはいないので、そこまで力差はないですけど、器用さの面でちょっと負けてしまっている感じ。
だからこそ余計に悔しい」と振り返っています。

21年に名古屋グランプリを制した実力馬ですが、勝ちきるには様々な条件が重ならないと難しいのかもしれません。

写真判定の末にハナ差で2着争いを制したのは、1番人気ランリョウオーでした。
すんなりハナを奪って押し切りを狙いましたが、主戦の本橋孝太騎手は
「敗因という敗因は思い当たらないですね。ペースも良かったし、終始気分良く走っていましたけど、左回りなのかな。
左回りの方がまっすぐ走るけど、結果を見ると…。それぐらいしか思い当たらない」と首を傾げていました。

東京記念に次ぐ惜敗で涙をのみましたが、中長距離路線では引き続き主役級の評価でいいでしょう。

ランリョウオー

ランリョウオー(Photo by 両角昭男)


見せ場たっぷりの3着に健闘した10番人気ユアヒストリーの張田昂騎手は
「充実しているのはしているけど、それにしてもよく頑張ってくれた。
スローだと困ると思ったけど、これぐらい長い距離の方が乗りやすかった」と好感触です。

ユアヒストリー

ユアヒストリー(Photo by 両角昭男)


約4か月ぶりにもかかわらず、しぶとく4着に食い込んだ7番人気エルデュクラージュの本田正重騎手は
「年齢的なものはそんなに感じない。小回りは大丈夫だし、むしろ大井よりはいい」。
9歳でも存在感を示しているので、川崎や浦和コースで良馬場なら軽視はできません。

スタートで後手に回った以下の2頭も要チェックです。

初物尽くしだった5番人気6着ミヤギザオウの今野忠成騎手は
「今日もああいうスタートだもん。浦和コースの跳びじゃないね。左回りは全然問題ない。
手前を替えるのがまだチグハグだったけど、思ったより走ってくれた。
馬の状態は上がっていると思うけど、川崎、浦和の馬ではない」。

また、3番人気7着マンガンの吉原寛人騎手は
「ペースがそんなに速くならないと思ったので早めに動いていったけど、そのぶんはじけない。
みんなと同じ脚になっちゃった。基本、小回りは合わない。
前が総崩れになった時はくるでしょうけど、今日ぐらい落ち着いた感じで前が残っちゃうと厳しい。
展開の助けがほしいところですね」。

ともに注文のつくタイプでパフォーマンスを発揮しきれないのが悩みですが、大井や船橋の広いコースで巻き返しを期待します。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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