コラム

ネクストスター東日本  

3月14日に川崎競馬場で行われた新設重賞のネクストスター東日本は、4コーナーで先頭に立ったギガースが1番人気に応えて押し切り勝ち。
前走の雲取賞はJRA勢の壁にはね返されて7着に敗れましたが、力の違いを見せつける文句なしのレースぶりで初代王者に輝きました。

主戦の森泰斗騎手は「多少オーバーペース気味でしたけど、抜け出すタイミングだけ気をつけていました。
早く抜け出しすぎて、めちゃくちゃ遊んでいますね。すごく馬っぷりが良く、格好のいい馬で、力もあります。
性格の面を少しずつ改善していければ」とべた褒め。


ギガース(Photo by 石井一雄)


今後は未定ですが、優先出走権を獲得した兵庫チャンピオンシップ(4月29日、園田1,400メートル)はもちろん、
羽田盃(4月24日、大井1,800メートル)、東京湾C(5月2日、船橋1,700メートル)が視野に入ります。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ギガース1着
〇クルマトラサン2着
▲ライゾマティクス6着
△アムクラージュ4着
△パンセ9着
△カプセル13着

で的中。

しぶとく追い上げた4番人気クルマトラサンは2着。
2走前のニューイヤーCに続き、またしてもギガースの後塵を拝する結果になりましたが、
初コンビを組んだ石崎駿騎手は「デビュー前に乗ったこともあったし、いい馬なのは分かっていた。
現状でよく走っていると思うし、伸びシロはめちゃある」と素質の高さを再認識しています。
過去のコラムでも触れてきた通り、ベストは短めの距離ですが、
融通性があるスピードタイプなので常にマークが必要でしょう。


クルマトラサン(Photo by 石井一雄)


地元・川崎の8番人気アジアミッションがメンバー最速の末脚で3着に食い込みました。
勝負どころで包まれる不運に泣いた山崎誠士騎手は「一か八かだった。うまくさばけていれば結果は違っただろうし、
展開次第で勝ちまで見える感じ。前が残っちゃったから、もうちょっと乱ペースになれば差し切れたかな。
馬の状態もいいし、引き続き楽しみです」と気持ちを切り替えていました。
今回は人気の盲点でしたが、若武者賞で1番人気(3着)に支持された素質馬。
通算〈2-2-2-1〉で掲示板を外したことがなく、他の競馬場でも同じようなパフォーマンスを発揮できればチャンスは広がりそうです。

3戦3勝の1,400メートルで巻き返しを期待した7番人気アムクラージュは4着。
約2か月ぶりでしたが、御神本訓史騎手は「2コーナーでちょっとバランス崩して大丈夫かなと思ったけど、
向こう正面に入ったらうまく立て直してくれた。状態は休み明けにしては良かったし、堅実に走ってくれる。
もうワンパンチあれば大きなところは取れるだろうけど、成長力に期待しながら順調にいって欲しいです」と期待を寄せています。


アムクラージュ(Photo by 石井一雄)


逃げた2番人気ライゾマティクスは、勝ち馬に終始マークされる展開が厳しく6着に沈んでしまいました。
出ムチを入れてハナを主張した矢野貴之騎手は「前走はもまれてあまり良くなかったから、指示通り。
この間より雰囲気は良く、スタートもまあまあ決まったけど、流れが厳しかった。
意外とムキになって走るんだなっていうのもあったので、外枠でリズム良く運べた方がいいのかな。
ハナに行くとフラフラ、フラフラするし、番手の方が良さは生きそう。距離は延びた方がいい。
パワフルさはすごくあるので、かみ合えばという感じはある」。
初タイトル獲得のキーワードは、距離延長、外枠、目標を前に置く形になりそう。
POG指名馬なので、覚醒する日を待ちたいと思います。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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