コラム

かしわ記念       

5月1日に船橋競馬場で行われたかしわ記念は、主導権を握った6番人気シャマルが後続を全く寄せ付けず、
重賞6勝目で念願のJpn1タイトルを手に入れました。

大きなガッツポーズで喜びを表した川須栄彦騎手は「本当に最高な気分です。
ラスト200メートルになった時に後続の脚音も聞こえなかったので、
たぶん離しているだろうなと思って、ゴールまで噛みしめながら追いました」と会心の表情。
次走は、さきたま杯(6月19日、浦和1,400メートル)に向かいます。


シャマル(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎キングズソード4着
〇ウィリアムバローズ6着
▲ペプチドナイル3着
△タガノビューティー2着
△ギガキング8着
△クラウンプライド12着

でハズレ。

JRA勢が4着まで独占する中、7番人気ミックファイアが掲示板を確保。
スタートで後手に回る不利がありながらも、昨年の南関東無敗三冠馬の意地を見せてくれました。
初めて手綱を取った吉原寛人騎手は「どうしてもモジモジしちゃうので、スタートのタイミングが合わなかったのが悔やまれます。
そのぶん後ろからになってしまったけど、思い切って外に出してどれだけ上がって行けるか勝負をしました。
スタミナはけっこうあるというので、それに賭けて、最後までしっかり伸びて5着まできてくれました」と不完全燃焼を悔やむ一方で
「秋に向けてもっと良くなる雰囲気はありましたね。古馬のペースに慣れてくればもっといいんじゃないかな。
思ったよりも大仕事をしそうな雰囲気がある。さすが三冠馬」ときっぱり。

今後は、大目標のマイルチャンピオンシップ南部杯(10月14日、盛岡、ダート1,600メートル)、
チャンピオンズC(12月1日、中京、ダート1,800メートル)を見据えて休養入り。
日本テレビ盃(9月25日、船橋1,800メートル)から始動する予定です。

前走の京成盃グランドマイラーズを好タイムで圧勝した8番人気ギガキングは、本来の行きっぷりが見られず8着。
主戦の和田譲治騎手は「雨が降っちゃって、けっこう前残りの競馬。中団ぐらいにはつけられたけど、
今日は思ったより砂を嫌がってしまって、前進気勢がなかったですね。
それでも直線は伸びてきてくれましたし、この相手関係でいい経験。また一段と強くなると思います」と前を向いています。

2年ぶりにかしわ記念に挑んだ9番人気ギャルダルは11着に敗れ、
矢野貴之騎手は「3、4コーナーでスムーズじゃなかったにしても最後はだらしなかった。
前に使った時(8着)ももっとやれると思ったけど、船橋のマイルが合っていないのか、思った競馬ができない感じ。
もともと左回りは乗りづらさはある。今日はうまく運べている感じがしたけど、道中のかかりがいいわりに最後伸びてこない。
たぶん1,200メートル(東京スプリント5着)の後の1,600メートルもあると思います」と首を捻っていました。

10番人気10着オメガレインボーの野畑凌騎手は「前残りの馬場だし、相手も強い。
馬自身は悪くないし、1,400メートルがベストかな」と言葉少な。


オメガレインボー(Photo by 両角昭男)



そして、11番人気9着のカジノフォンテンは収穫あり!!です。
玉井昇厩舎への転厩初戦で約4か月ぶりの出走でしたが、追い切り前から調教を任されている石崎駿騎手は
「乗った感じは悪くない。もっと良くなるし、取り戻せる部分はあるから、地方馬同士でマイルぐらいなら勝負になる」と手応え十分。
スランプが続いていますが、21年の川崎記念、かしわ記念を制した古豪の復活劇が近いうちに見られるかもしれません。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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