7月10日に大井競馬場で行われた優駿スプリントは、直線入り口で先頭に立った3番人気ティントレットが後続を完封。
前走の東京ダービー16着大敗から見事に巻き返し、7度目の重賞挑戦でタイトルを獲得しました。
ティントレット(Photo by 両角昭男)
矢野貴之騎手は「東京ダービーで初めて乗せていただいた時に思っていた以上にいい馬だなという印象があったので、
ペースに対応できれば結果もついてくると思っていました。
周りも速い馬ばかりで、スタートした瞬間は頭ひとつ出遅れたような感じでしたが、
二の脚が思っていた以上にスピードがありました。
まだ集中しきれないところがあるので不安ではありましたが、最後までよく頑張ってくれました」と笑顔。
矢野貴之騎手(Photo by 両角昭男)
クラシック戦線からの路線変更で初の1,200メートルにもかかわらず、
若潮スプリント組も無敗のスプリンターも撃破したティントレットには脱帽です。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ギガース2着
〇カヌレフレイバー3着
▲オーソレリカ16着
△ザイデルバスト5着
△エドノフェニックス6着
でハズレ。
重賞3勝で実績断然の2番人気ギガースは直線で目を引く末脚を見せましたが、悪条件を克服するには至らず2着。
森泰斗騎手は「58キロ、大外枠と不利な条件でも、よく頑張って力を示していると思う。同じ条件でやりたかったですね。
コースは問題ない。斤量もそうだし、馬の性格もあって、モタモタ、モタモタするんですよ。
そんなに前向きじゃないというか、まだまだこれからだけど、内容は一番強い競馬をしています」と悔しさをにじませていましたが、
世代トップクラスの力を改めて証明するレースぶり。古馬相手でも楽しみです。
ギガース(Photo by 両角昭男)
無傷4連勝中で1番人気に支持されたカヌレフレイバーは、重賞初挑戦の壁が厚く3着止まり。
レース初騎乗となった西啓太騎手は「ふだんの調教はおっとりしすぎているけど、
返し馬や競馬にいった方がピリッと気が入って感じが良かったです。
いいところにいられて泰斗さん(ギガース)に差されているので、現状の力差はこういう感じなのかな。
でも、まだ体に緩さが残っているし、まだまだこれから先のある馬」と今後の成長に期待をかけています。
カヌレフレイバー(Photo by 両角昭男)
10番人気の低評価ながらも4着に健闘したタケシの山崎誠士騎手は「メンバーが強いかなと思ったけど、頑張った。
前走で時計を詰めているように、やはり状態もいいんだろうね。短い距離で活躍できる」とコメント。
そして、若潮スプリント3着に次いで掲示板を確保した4番人気ザイデルバストの御神本訓史騎手は
「馬体重が減っているのはちょっと嫌だったけど、それでも5着にきてくれた。まだまだ成長待ちのところはあるし、
もう少し力をつけてくれればやれる気がします。右回りの方が走りやすい」と素質の高さを再認識。
5着にアタマ差及ばなかった6番人気エドノフェニックスの本田正重騎手は
「スタートでつまずいちゃったけど、砂を全然嫌がっていなかった。思った以上に収穫がありました」と振り返っています。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。