コラム

埼玉新聞栄冠賞        

10月23日に浦和競馬場で行われた埼玉新聞栄冠賞は、
早めに抜け出した地元のナニハサテオキが単勝1・3倍の断然人気に応えて重賞2勝目を飾りました。


ナニハサテオキ(Photo by 両角昭男)


スタートで後手に回る不利を難なくリカバリーし、3番手につけた森泰斗騎手は「スタートが遅いのはいつものこと。
機動力がある方ではないので、もっと苦しい形を想定していましたが、あの形になったら勝負ありと思っていました。
基本的にパワーがすごくあって、追ってからしまいがしっかりしていて、精神面も堂々としている馬。これから先も楽しみです」と笑顔。
次走は、同じ舞台で行われる浦和記念(11月20日)でJRA勢を迎え撃ちます。


ナニハサテオキと森泰斗騎手(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ナニハサテオキ1着
〇ラッキードリーム10着
▲ユアヒストリー2着
△ヒーローコール4着
△アイブランコ5着

で的中。

混戦ムードの2着争いを制したのは、2周目向こう正面から追い上げた4番人気ユアヒストリーでした。
クビ+ハナ差の3着だった昨年より順位を上げた張田昂騎手は
「最初のポジション取りをもう少しアグレッシブに動いても良かったのかもしれない。
チークピーシーズを外したから余計に折り合ったのかもしれないけど、前より無駄な動きはなくなった。
しまい伸ばせる競馬をしたけど、(勝ち馬が)早々にあの位置にいるから…。
どこの競馬場でも走るし、あまり注文はつかない。そのうち勝てると思う」と手応えをつかんでいました。
遠征競馬、コースは不問で、中距離路線でチャンスがありそうです。


ユアヒストリー(Photo by 両角昭男)


外から鋭く脚を伸ばした5番人気パワーブローキングが3着に食い込みました。
川島正太郎騎手は「スタートを出たから、もっとプッシュして行けば良かった。
翼(ラッキードリーム)がもっと行くと思ったら内に入れてきちゃったから、展開と枠順を味方につけられなかったですね。
ちょっと緩い馬だからためて行った方がいいけど、今日はアンラッキーのレースでした」と悔しさをにじませていました。
今回はノーマークでしたが、前走の姫山菊花賞で初タイトルを獲得した勢いに乗り、南関東重賞でも存在感を示す結果となりました。


パワーブローキング(Photo by 両角昭男)


主導権を握った3番人気ヒーローコールは直線で粘りきれず、フリオーソレジェンドCに次ぐ4着。
ブリリアントC2着以来2度目のコンビとなった吉原寛人騎手は「そこまで速くならないと思ったけど、
向こう正面から勝ち馬がしっかり来ていたので3、4コーナーでちょっとしんどくなった。
もう1回盛り返してくれたし、久々に競馬をしっかりした感じだけど、
大井の時の方がキュッと動いてくれたから、もうひと絞りかな」と振り返っています。

6番人気5着アイブランコの和田譲治騎手は「スタートも出て楽に二列目を取れたので、スローだったけど我慢しながら。
泰斗さん(ナニハサテオキ)が動いたので一緒に動いて行ったけど、そのぶんしまいはちょっと甘くなりましたね。
厩務員さんもまだこれからって話していたので、徐々に調子は上がると思います」とコメント。

そして、とても気がかりなのは、再転入2戦目で変わり身を期待された2番人気ラッキードリームです。
まさかの大差シンガリ負けに笹川翼騎手は「1回もスイッチが入っていない。
ただ走っているだけ。なんか、よく分からない」と首を捻るばかりでした。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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