12月4日に大井競馬場で行われた勝島王冠は、
4コーナーで先頭に立った2番人気キングストンボーイが、追いすがる断然人気サヨノネイチヤを5馬身突き放す圧勝。
JRAからの転入初戦でA2格付けの身でしたが、初タイトルを獲得して中距離路線の主役候補に躍り出ました。
キングストンボーイ(Photo by 両角昭男)
スタートで後手に回る不利を難なくリカバリーした御神本訓史騎手は
「背中もいいですし、性格もすごくまじめでいい馬。終始いい手応えでスムーズに回ってこられました。
ガチンコ勝負でどこまでやれるのかと思っていましたが、結果的に強い内容でビックリしています」とコメント。
東京大賞典(12月29日、大井2,000メートル)が視野に入る文句なしのパフォーマンスでした。
御神本訓史騎手(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎サヨノネイチヤ2着
〇ユアヒストリー5着
▲キングストンボーイ1着
△パワーブローキング3着
△ヒーローコール9着
△ランリョウオー14着
で的中。
2着に敗れた昨年の覇者サヨノネイチヤの西啓太騎手は
「あの仔自身は力を出し切っていると思うけど、今日はシンプルに相手が強かった。
根性は見せてくれていたけど、相手のギアがもう一段上がった感じ。
テンから出して行った前回(マイルチャンピオンシップ南部杯8着)の経験が生きて楽にあのポジションが取れたので、
そこは良かった。58キロは問題ない」と振り返っています。
2番手を追走するサヨノネイチヤ(Photo by 両角昭男)
3番人気3着のパワーブローキングは、マイル前後の路線で前進が見込めそうです。
初騎乗の矢野貴之騎手は「今日は流れが向いていたので道中は気を抜かさず走らせたけど、位置取りを気にせずに馬なりで、
JBC(スプリント5着)みたいにもっとメリハリをつけて乗った方がいい気がする。これ以上に距離を延ばしていい感じはしない。
1,400~1,800メートルぐらいで、ペースが流れる競馬がいいと思う」と手応えをつかんでいます。
パワーブローキング(Photo by 両角昭男)
15番人気の低評価を覆し、9歳馬マースインディがメンバー最速の末脚で4着まで追い上げました。
藤田凌騎手は「若々しいですね。直線まで待ってという今日みたいな競馬がハマりそう。
距離もこれぐらいがいいのかもしれない」と好感触。差し馬向きの馬場傾向なら軽視はできません。
そして、5番人気5着ユアヒストリーの張田昂騎手は
「器用なところがあるから内々でタメたいけど、スタートが出すぎちゃってかかっちゃった。
砂をかぶったらすぐに落ち着くので大丈夫だったけど、位置取りが外々すぎちゃった。
もう少しうまく乗れたらいいところはあったかな」と残念そう。
コースを問わないタイプなので、重賞初制覇のチャンスはあるでしょう。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。