1月29日に大井競馬場で行われた金盃は、転入初戦のキリンジが1番人気に応えて6馬身差Vを飾り、
12度目の重賞挑戦でついに初タイトルを獲得しました。
キリンジ(Photo by 両角昭男)
昨年のJBCクラシック3着以来のコンビを組んだ笹川翼騎手は
「テンションだけが心配でしたが、クリアしてくれたので今日はスムーズでした。
仕掛けが少し早いかなと思いましたが、スタミナがあるのは分かっていたので早めのスパートになりました。
ダートグレードでも勝負できる逸材だと思っています」ときっぱり。
笹川翼騎手とキリンジ(Photo by 両角昭男)
次走は、優先出走権を手に入れたダイオライト記念(3月12日、船橋2,400メートル)が視野に入ります。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎キリンジ1着
〇ラッキードリーム7着
▲ヴィアメント5着
△ヴェルテックス4着
△セイカメテオポリス11着
で単勝のみ的中。
昨年よりも着順を一つ上げた8番人気ミヤギザオウが2着に入り、波乱を演出しました。
トライアル(5着)と同じく前々でレースを進めた石崎駿騎手は
「前回はちょっと出してみてどんな感じか、かかり具合とか知れたのが良かった。今回につながったと思います。
いいところでうまくタメが作れれば、っていうイメージでうまく行ったけど、勝った馬が強かった。
長めの距離ならどこでもこなせる」と振り返っています。
〝買い材料〟の一つである向こう正面スタートでしたが、印が回らず…。
コンビ2度目で新しい一面を引き出したベテランの手腕に脱帽するしかありません。
5番手を追走するミヤギザオウ(先頭)(Photo by 両角昭男)
ハナを主張した5番人気ヒーローコールが、しぶとく食らいついて3着に健闘。
矢野貴之騎手は「内枠なので、何が何でもハナという指示だった。スタートが決まったので自分のリズムでうまく走っているし、
最後までよく粘っている。久々にこの馬らしい走りをしたんじゃないかなと思います」と復活の手応えをつかんでいます。
ヒーローコール(Photo by 両角昭男)
クビ+クビ差の3着争いに加わったのは、大井・藤田輝信厩舎の2頭でした。
6番人気4着ヴェルテックスの阿部龍騎手は「ゲートの中はちょっと落ち着きがなかったけど、上手にスタートを出てくれた。
でも、枠順が外すぎたな~。内に入れなければという作業がコーナーとホームストレッチであって、
そんなにムキにならないように頑張ったつもりだったけど、向こう正面で勝ち馬について行けなくなって、コーナーでヒューって離された。
たぶん団子(集団)で進むのがベスト。前走のようにコーナーでみんな近いところにいて、っていう勝負なら僅差に持ち込める」、
2番人気5着ヴィアメントの御神本訓史騎手は「初めてこっちの重賞を使った割には頑張っています。
距離はもつ。まだ良くなりそうだし、もう少し状態が上がってくれば」とコメント。
トライアルの覇者で3番人気に推されたラッキードリームはスタートダッシュを決められず不完全燃焼の7着に終わり、西啓太騎手は
「ブリンカーは利いていると思います。ふだんの追い切りは着けていないけど、着けた状態で初めて乗せてもらった感じは良さそうでした。
もし、ハナに行けていたら入着はあったかな。今回はギリギリまでつくってくれて馬の感じもすごく良かったですし、
本当にスタートだけが悔いが残ります」と残念そう。
そして、過去2、3、2着で4年連続の出走となった7番人気セイカメテオポリスは、約8か月のブランクが大きく11着に敗れ、
吉原寛人騎手は「休み明けのぶんと58キロを背負っていたのでなかなか行き脚がつかなかったから、今日はリズム優先で。
最後までバタバタにはならなかったし、次に良くなってくれれば」と前を向いていました。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。