コラム

雲取賞

2月19日に大井競馬場で行われた雲取賞は、最後の直線で抜け出したジャナドリアが単勝1・6倍の断然人気に応えて重賞初挑戦V。
デビューからの連勝を3に伸ばし、同じ舞台で行われるダート三冠の第一戦・羽田盃(4月29日)の主役に名乗りを上げました。


ジャナドリア(Photo by 石井一雄)


新馬戦以来のコンビとなったC.ルメール騎手は「スタートはあまり上手ではないのでゲートからの反応は良くありませんでしたが、
二の脚が速いのでいいポジションを取ることができました。直線に向いてからすごくいい脚を使ってくれました。
去年はまだ緩かったですが、能力は示してくれていました。今年からトップコンディションでトップレベルにいけると思います」と笑顔。


C.ルメール騎手とジャナドリア(Photo by 石井一雄)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ジャナドリア1着
〇グランジョルノ2着
▲スマイルマンボ3着
△リコースパロー6着
△タイセイカレント8着

で的中。

2年連続でJRA勢のワンツー・フィニッシュとなり、しぶとく追い上げてゴール直前で連対を確保した2番人気グランジョルノの戸崎圭太騎手は
「追い切りでも体を使えるようになってきて、成長は感じていました。ゲートが遅いとか課題がある中で頑張ってくれたと思います」とコメント。
全日本2歳優駿は末脚不発の7着に終わりましたが、コース替わりがプラスに出たようです。

ハイセイコー記念を圧勝して挑んだ3番人気スマイルマンボは、単騎マイペースで逃げたものの3着止まり。
矢野貴之騎手は「スタート次第で決めようと思っていたけど、スタートのうまさはこの馬の武器。いいスタートでしたね。
久々のぶんちょっと脚取りが重い気がしたけど、正攻法でよく頑張っていると思う。
もっともっと上積みがありそうな感じがしますし、距離は問題ない」と本番での逆転を狙っています。


スマイルマンボ(Photo by 石井一雄)


約4か月ぶりで重賞初挑戦にもかかわらず、4着に食い込んだのは6番人気ペピタドーロでした。
初めて手綱を取った吉井章騎手は「これからもっと良くなるけど、今日の雰囲気はすごく良かったです。
ちょっとテンションが上がりやすそうなところもあるので、もう少し落ち着いてくれれば。
まだキャリアが浅いですし、これだけやれる馬なので大事に。
距離は長くていい。競馬が上手なので1,800メートル、2,000メートルでも大丈夫」と手応え十分。
伸びしろは大きく、優先出走権を獲得した羽田盃でもマークが必要でしょう。


ペピタドーロ(Photo by 石井一雄)


大外からメンバー最速の末脚で5着まで追い上げた8番人気プレミアムハンドの山本聡哉騎手は
「大跳びのゆったりしたような跳びで、大井のコースは合うと思っていた。
まだキョロキョロするようなところがあって走りに集中していないような感じだったけど、
けっこうスタミナのある馬でしまいは伸びてきてくれましたね。
精神的にも幼いところが少しあるし、これからだと思います。直線の長いコースは合う」と振り返っています。
ポテンシャルの高さは疑いようがなく、キャリアを重ねながら本格化する日を待ちたいと思います。


プレミアムハンド(Photo by 石井一雄)


そして、鳴り物入りで転入してきた5番人気リコースパローは道中のスムーズさを欠いて6着。
JBC2歳優駿(9着)に続いて掲示板を外す結果となりました。

落合玄太騎手は「やはり(ハミを)噛んじゃいましたね。今まで砂をかぶらずハナか2番手で競馬をしていたので、
ちょっと砂をかぶせていい意味で怯んで折り合ってくれればと思ったけど、行く気が強すぎて…。
思ったよりペースも流れなくて、残り半マイルぐらいまでかかっていた。
でも、あれだけ引っかかっても、最後は苦しくてササりながらも止まりきることはなかった。
もうちょっと競馬を覚えて道中の息も入るようになれば、このメンバーでもやれる力はある。
今日は残念でしたけど、馬に競馬を教え込むというつもりでの結果なので収穫はあると思う。
これだけ噛んじゃうと2,000メートルだと大変かなというのが正直なところ。
本質的にマイルまでぐらいがちょうどいいと思うけど、折り合ってくれれば距離はこなせる」と力を再認識しながらも課題を口にしています。
無敗でブリーダーズゴールドジュニアC、サンライズCを制した世代トップクラスの器で、
名門・荒山勝徳厩舎がどのように軌道修正してくるのか注目です。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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