3月13日に大井競馬場で行われたフジノウェーブ記念は、直線で抜け出したイグザルトが後続を7馬身突き放す圧勝。
1977年のコースレコード1分23秒8(勝ち馬アガリスピード)に0秒3差に迫る破格のタイムをマークし、
4度目の重賞挑戦で初タイトルを手に入れました。
イグザルト(Photo by 両角昭男)
これでコンビ4戦3勝3着1回とした御神本訓史騎手は
「直線を向いた時ははじける手応えで、かわされる感覚はありませんでした。直線はグイグイ伸びてくれて、馬に感謝しています。
とんでもない時計で走ってくれたし、まだまだ伸びしろはあると思います」ときっぱり。
御神本訓史騎手(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ギャルダル7着
〇アウストロ6着
▲イーグルノワール12着
△イグザルト1着
△デュアリスト5着
△ティントレット8着
で大ハズレ。
勝ち馬が1番人気に応える圧倒的なパフォーマンスを見せた一方で、上位人気のライバルたちは総崩れ…。
15番人気ボイラーハウス、8番人気マザオが2、3着に入り、大波乱の決着になりました。
その立役者となった達城龍次騎手は「すごくいい走りで、折り合いもピタリとついて、流れも位置取りも全て完ぺきでした。
勝ち馬が強かった。リフレッシュしたのか前に乗った時より雰囲気が良く、しまいまでしっかりしていた」、
吉井章騎手は「理想はしまいにかける形だったけど、ペースが遅くて2番手で。
馬のリズムで走れたので、最後まで頑張ってくれました。成長力があるし、もう少し力をつけてくれれば」とコメントしています。
ボイラーハウス(Photo by 両角昭男)
マザオ(Photo by 両角昭男)
◎に推奨した5番人気ギャルダルは内々をロスなく立ち回るも7着。
3連覇の偉業を逃した澤田龍哉騎手は「もうちょっとタメを利かせてあげられれば良かったけど、
展開的にポジションをキープするのにずっと脚を使い続けた結果、4コーナーで手応えがなくなっちゃった。
直線で跳びがちょっと変わったので、馬場も今イチだった。滑るので走りづらいと思います。
ペースは速くなかったけど、思った以上に競馬がタフだったみたいです。良馬場で走らせたかった」と残念そう。
ゴールドC、梅見月杯を含む4連勝中だった2番人気アウストロは末脚不発の6着に終わり、
秋元耕成騎手は「スタートしてから膨れていたし、3コーナーでノリ(御神本騎手)についていけないから、やる気がもう…。
左回りはすごく上手いけど、右回りだと攻め馬でもちょこちょこ手前を替えちゃうから集中力を欠いちゃうのかな。
最後は尾っぽを振っていたし、走りきれなかった感じ。もうちょっといい競馬をすると思ったけど、
58キロもあるからか、スタートの一歩目も遅かった」と納得のいかない様子でした。
23年の兵庫ジュニアグランプリ勝ちを含むダートグレード競走の常連だった7番人気イーグルノワールは見せ場なく12着大敗を喫し、
笹川翼騎手は「大外枠も悪いし、馬場も悪いし、条件が悪すぎた。前も強すぎるけど、
最後は脚を使っていない。これで変われば」と転入2戦目の変わり身を期待しています。
また、3番人気8着のティントレットはスタートで後手に回る不利が大きく、
矢野貴之騎手は「一列目がいいと思っていたけど、馬が良くなっているぶん、空回りしてスタートでトモを滑らせた感じ。
二列目以降でも集中して走れていたけど、もともと気が悪いところがあって、気分良く行かないと本当にやめちゃう。
直線でちょっとやる気がなくなった感じ。爆発力はあるから、尻尾を持ったり(ゲートの)対策をします」と巻き返しに意欲的。
最後に耳より情報をもう一つ。
3着争いでクビ差遅れを取りましたが、上がり36秒7の末脚で追い込んだ9番人気オメガレインボーの町田直希騎手は
「いい脚を使ってくれましたね。深いブリンカーを着けた効果があったのかな、って厩務員さんが言っていた。
すごく乗りやすかったし、道中もずっと手応えが良く、脚をためて直線勝負でいい競馬ができました。
競馬が上手だから、1,600メートルぐらいは大丈夫」と好感触。メンバーや展開ひとつでチャンスが出てきそうです。
オメガレインボー(Photo by 両角昭男)
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。