コラム

東京プリンセス賞

4月30日に大井競馬場で行われた3歳牝馬三冠の第二戦・東京プリンセス賞は、
勝負どころで外から追い上げた4番人気ベルグラシアスが直線で突き抜ける快勝。
同じ舞台の牝馬特別で5馬身差Vを飾った勢いに乗り、重賞初挑戦でS1タイトルを手に入れました。


ベルグラシアス(Photo by 両角昭男)


後方4番手でレースを進めた町田直希騎手は「いつもより落ち着いていましたね。
今日はこの馬のペースで走らせるという頭でいたし、ちょっと流れが速くなったので、チャンスがあるなと思って乗っていました。
直線で追い出してからも反応してくれたので、馬を信じて最後まで追いました」と笑顔。


町田直希騎手(Photo by 両角昭男)


今後は、のじぎく賞(5月22日、園田1,700メートル)か関東オークス(6月18日、川崎2,100メートル)が視野に入ります。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎プラウドフレール5着
〇ゼロアワー9着
▲エイシンマジョリカ13着
△ベルグラシアス1着
△ホーリーグレイル8着

でハズレ。

前半3ハロン35秒4の乱ペースになり、人気を背負った先行馬は苦しく、後方で待機していた馬たちに有利な流れ。
引き上げてきたジョッキーが「下手に乗った~」と口々にする難しい展開になりました。

大波乱を演出した13番人気2着グレアネオンライトの本橋孝太騎手は「状態の良さをすごく感じていたので、出遅れが痛かった。
注意はしていたんだけどなあ。けっこう気が入りやすい仔だから、落ち着かせることに意識を置きすぎて、
ゲートで落ち着きすぎちゃったのかもしれない。
前に行った方がいいし、砂をかぶっていればカッとしないから、距離は臨機応変に対応できる」。


グレアネオンライト(Photo by 両角昭男)


9番人気3着ドナギニーの本田正重騎手は「前回はテンションが高かったけど、落ち着きも出てきた。
体はまだ成長途上って感じです」と振り返っています。


ドナギニー(Photo by 両角昭男)


6番人気4着エイシンナデシコの御神本訓史騎手が「1回休ませてから良くなっている。
4コーナーの進路選択をミスったのでモタついたけど、あれがなければもう少しいい着順だったかもしれない。
なかなか味のある馬だと思うし、順調にいってくれれば」と手応えをつかんだ一方で、
◎に推奨した桜花賞勝ち馬プラウドフレールは1番人気に応えられず5着。
二冠制覇を逃した張田昂騎手は「馬は悪くない。追いかけたからでしょう。位置取り的にはあそこでいいけど、ペース判断が…」とポツリ。

着外に敗れた上位人気馬のコメントは以下の通りです。

激しい先行争いの末に8着に沈んだ2番人気ホーリーグレイルの吉原寛人騎手は
「思ったより(リヴェルベロに)突っ張られちゃったので、想定以上に速いペースになっちゃった。
単騎逃げにしたかったけど、やはり相手もいることなので…。
速いペースになると距離の長さが最後にキツくなる。あのペースで行って残る感じではなかったので、ここ一番で厳しい競馬になっちゃった。
右回りは問題なさそうだし、今後はマイルぐらいで」と残念そう。

そして、3番人気9着ゼロアワーの矢野貴之騎手は「あんな展開になると思っていなかった。
スタートを出たら行ってくれっていう指示通りではあるけど、ちょっと前半に絡まれたのと、
(ペースが)流れちゃっているぶんタメるところがない。
自分のペースを作りきれなかったし、1コーナーまでの流れがダメなやつだなって感じがしました。
位置にこだわらず、リズム良く走ればもっとやれる」。
5番人気13着エイシンマジョリカの笹川翼騎手は「流れが悪すぎた。どうしようもなかったです。
馬は良かったけど、距離も長いのかもしれない」と、ともに消化不良のレースを悔やんでいました。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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