コラム

さきたま杯

6月25日に浦和競馬場で行われたさきたま杯は、内枠を生かしてハナを取り切ったシャマルが後続に5馬身差をつけてコースレコード勝ち。
黒船賞、かしわ記念に続く3連勝を飾り、9つ目のタイトルを手に入れました。


シャマル(Photo by 両角昭男)


1番人気に応えた川須栄彦騎手は「いいスタートを切ってくれて、最初のコーナーまでに主張することができたので良かったと思います。
行ききった後もけっこうなペースでいたけど、とにかくシャマルと息を合わせることだけに集中して、スパートのタイミングをうかがっていました。
どういう条件の中でもベストを尽くして走ってくれるところが一番の強さというか魅力だと思います。
本当に素晴らしい走りでした。ダート界の主役の1頭だと思います」ときっぱり。


川須栄彦騎手とシャマル(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎シャマル1着
〇コスタノヴァ11着
▲エンペラーワケア3着
△チカッパ7着
△アウストロ9着

で単勝のみ的中。

地方最先着を果たしたのは、7番人気ムエックスでした。
アタマ+クビ差の2着争いを制した張田昂騎手は
「このメンバーでもしっかり通用するところを見せられたのはうれしいけど、やはり2着は悔しい。
具合が良ければこれぐらいやれていいし、思った以上に距離適性があるのを再確認できたのは良かった。
道悪を気にして返し馬で何回かつまずいちゃったから、なるべく良馬場で走らせてあげたい」とコメント。
1,400メートルに矛先を向けた前走のオグリキャップ記念を制し、ダートグレード競走初挑戦で連対したように、
速い流れの方が折り合いの心配なく力を発揮できそうです。


ムエックス(Photo by 両角昭男)


5番人気ティントレットは前哨戦・プラチナCの覇者にふさわしく、見せ場たっぷりの4着。
矢野貴之騎手は「今日もうまく駐立できていたと思います。メンタルの危なっかしさはありますけど、
走り自体が良くなってきているぶんの弊害として出ているのはいい意味でとらえていて、リズムは取り戻しつつある。
レース中いかに集中力が持つかが今後の課題。左回りの方が乗りやすいけど、右回りでも問題ない」と手応えをつかんでいます。
ブリンカーを着用してから2連勝を飾り、Jpn1の舞台でも真っ向勝負を挑んで粘り込む価値のあるレースぶり。
まだ4歳ですし、心身ともにさらに成長してくれれば短距離路線の中心的な存在になるかもしれません。


ティントレット(Photo by 両角昭男)


A2からの格上挑戦だった10番人気マーブルマカロンは掲示板にクビ差及ばず6着。
牡馬一線級相手の結果に笹川翼騎手は「競馬の内容が良かったし、牝馬だったらトップレベル。
この馬の良さは器用さだし、自信をつけているので、この先が楽しみ」と高評価。

そして、2番手で勝ち馬にプレッシャーをかけ続けた8番人気アウストロは9着に沈みましたが、
秋元耕成騎手は「砂をかぶせて行くつもりだったけど、思いのほかスタートで出ちゃったからね。
左回りの方が物見しないで集中して走っているけど、3コーナーで並ばれたら全然…。
でも、キツい経験をしたのは収穫だと思う。休養して一回り大きくなって戻ってきてくれれば」と期待を口にしていました。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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