9月3日に大井競馬場で行われたアフター5スター賞は、
直線で抜け出したファーンヒルが1番人気に応えて転入後2連勝を飾り、
習志野きらっとスプリントに次ぐ2つ目のタイトルを獲得しました。
ファーンヒル(Photo by 両角昭男)
笹川翼騎手は「スタートも決まりましたし、折り合いもついていたのでスムーズでしたね。
次のJBCも考えながらレースをしようと思っていたので少し早めに追い出して、そのへんも確認できたので良かった。
かなり期待を持って挑めると思います」ときっぱり。
次走予定のJBCスプリント(11月3日、船橋1,000メートル)では、史上5頭目の地方所属馬Vの期待がかかります。
笹川翼騎手とファーンヒル(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ファーンヒル1着
〇マックス4着
▲リオンダリーナ11着
△ドリームビリーバー3着
△ボヌールバローズ14着
で単勝のみ的中。
メンバー最速の上がり3ハロン35秒7の末脚で2着に入り、波乱を演出したのは転入初戦の9番人気トーセンサンダーでした。
初ダート、A2格付けの身での重賞初挑戦というハンデを克服する好走に安藤洋一騎手は「こっち(南関東)の流れも砂も平気でした。
スタートして挟まれちゃったので、まともだったらもうちょっといい競馬ができたんじゃないかな。爆発力がある。
極端な競馬をした方が良さそうだとすごく感じました。フレームもありますし、チャンスはありそう。
あまり急かさないでこういう競馬をしていった方がいいと思います。距離は短い方がいい」と高評価。
ダート適性は問題なく、外回りコースが舞台の大井1,200メートルなら突き抜けるシーンが見られるかもしれません。
トーセンサンダー(Photo by 両角昭男)
外からしぶとく脚を伸ばした8番人気ドリームビリーバーが3着に健闘。
今年3月12日以来3度目のコンビとなった吉井章騎手は「久しぶりに乗りましたけど、馬が成長しています。
競馬が上手になりました。最初に僕が乗った時も行くのは良くないと思っていて、厩舎がずっと競馬を教えてくれたのが今日に生きた。
今日の感じならいいと思います」と手応えをつかんでいます。
ホッカイドウ競馬在籍時にウポポイオータムスプリント2着の実績はありますが、南関東重賞で通用するメドが立ったのは収穫でしょう。
ドリームビリーバー(Photo by 両角昭男)
武蔵野オープンを圧勝して2番人気に支持されたマックスは4着止まり。
一昨年3着、昨年2着でしたが、3度目の正直とはなりませんでした。矢野貴之騎手は
「競馬的には目標が前にいていいレースができたけど、やはりペースも速いでしょうし、
軽量級が飛ばしていく中で自分のリズムを崩された感じ。もうワンパンチ欲しいけど、頑張っていますし、そのうちどこかで。
衰えはないし、タイミングさえ合えば」と振り返っています。
そして、重賞2勝をマークしている3歳牝馬リオンダリーナは果敢にハナを主張しましたが、古馬の厚い壁にはね返されて11着。
西啓太騎手は「厳しかったですね。甘くはなかったです。スタートで寄られてキツくなっちゃいましたけど、
50キロだし、内枠に入ったので行くつもりで行った。思っている以上に圧があったのかキツそうでしたね。
一回立て直すと言っていましたし、気持ちはめげていないので、また盛り返せると思います」と残念そうでした。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。