9月17日に大井競馬場で行われた東京記念は、最後の直線で早めに抜け出した3番人気マルカンラニが後続を5馬身突き放す圧勝。
B1・B2特別を2連勝中だったとはいえ、A2格付けされたばかりの身で、並み居る強豪をねじ伏せて重賞初挑戦Vを飾りました。
マルカンラニ(Photo by 両角昭男)
デビュー20年目でタイトルをつかんだ主戦の松崎正泰騎手は「もう一列後ろでもいいかなと思ったけど、
最初の直線で二列目、三列目の外めにいればいいと思っていたのでプラン通りの競馬ができました。
嬉しいのが半分、ホッとしたのが半分とそんな感じです」と安堵の表情。
南関東の中長距離戦線にニューヒーローが誕生した瞬間になりました。
松崎正泰騎手(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎グロリアムンディ2着
〇マルカンラニ1着
▲グリューヴルム4着
△ナチュラルハイ3着
△エクセスリターン5着
で的中。
単勝1・5倍の断然人気に推されたグロリアムンディは、2周目3コーナーで先頭に立つ王道の競馬を見せましたが、2着が精いっぱい。
御神本訓史騎手は「少し距離が長いかな。自分の形で行けたけど、2,000メートルぐらいがいいのかも。勝ち馬は強いよね」とコメント。
グロリアムンディ(Photo by 両角昭男)
先週の多摩オープンが豪雨で取り止めとなり、スライド出走になった4番人気ナチュラルハイは真っ向勝負を挑んで3着。
初騎乗の笹川翼騎手は「転入初戦で距離もどうかと思ったけど、リズムは良かったです。
勝った馬は別として、一線級でやれているので次も楽しみ。理想はたぶん小回りの1,800、1,900メートル。
1周競馬の1,800メートルはヨーイドンで分が悪い気がするので、
1周半ぐらいの器用さを生かせるコースの方がいいのかなと思います」とタイトル奪取へ手応えをつかんでいます。
ナチュラルハイ(Photo by 両角昭男)
トライアルでタイム差なし(クビ差)の接戦を演じた2頭は、今後も自分との戦いになりそう。
2番人気4着グリューヴルムの矢野貴之騎手は「もっとついて行けると思ったけど、
スタンド前から怪しくて、持つ(ためる)ところがなかった。トライアルとはペースも違うし、そのへんに戸惑っている感じがします。
気性的に難しいところがあるので、走ったり、走らなかったりするのかもしれないけど、またチャンスはあると思います。
馬の雰囲気はすごく良くなっていますし、距離は長いに越したことはない」。
そして、6番人気5着エクセスリターンの本橋孝太騎手は「後ろからの競馬は予定通り。
1コーナーまで折り合いがつけば我慢しようと思ったけど、気分重視でちょっと流した感じで行きました。
距離はこなしていると思うけど、ちょっと気分を害すると嫌気をさしちゃう。
調子は良さそうでしたし、どれだけこの仔のリズムで行けるかですね」と振り返っていました。
ともにJRA4勝の実績がある6歳馬で、あっさり勝っても不思議はありません。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。