9月23日に浦和競馬場で行われたテレ玉杯オーバルスプリントは、
3コーナーで先頭に立ったJRAサンライズフレイムが1番人気に応えて押し切り勝ち。
4度目の重賞挑戦で初タイトルを獲得し、23年のドライスタウトに次ぐ兄弟制覇を成し遂げました。
サンライズフレイム(Photo by 両角昭男)
小回りコースを難なく克服する勝利に菱田裕二騎手は「ダートスタートの時はすごく速くて、
想定していた以上にいいポジションが取れました。小さなコーナーがどうかと思ったけど、バランスを崩したとか、
スピードの乗りが悪かったというところはなく、馬なりで先頭の馬をかわして行く手応えだったし、
脚いろが衰えることなくゴールまで走りきってくれました」とコメント。
菱田裕二騎手(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ムエックス3着
〇ハッピーマン6着
▲ガビーズシスター4着
△サンライズフレイム1着
△エートラックス7着
△トーセンサンダー12着
でハズレ。
外枠からスムーズにレースを進めた地元の8番人気アウストロがしぶとく2着に粘り、波乱を演出しました。
約3か月ぶり、過去最高体重(18キロ増の542キロ)での好走に秋元耕成騎手は「牧場でも乗っていたとは言うけど、
本追い切り1本と2日前に直線を行っただけなので、半信半疑だった。
斤量も54キロだし、58キロを経験しているから、そういうのもプラスになったのかな。体が増えていたのは想定外。
見るからに重いけど、いい走りをしてくれたし、これぐらいを維持して息ができれば。
前回(さきたま杯9着)もそうだけど、叩いてでもいいところをというと息をしないで行っちゃう。
メンバーが緩い時にはいいけど、強くなってくるとね…。
今日は出たところでいいところにつけられればと思っていたら、
どんどん行って3番手につけられたし、いい競馬ができた」と満足そう。
次走は、兵庫ゴールドC(10月17日、園田1,230メートル)か笠松グランプリ(11月27日、笠松1,400メートル)を予定。
浦和1,400メートル〈5-2-2-1〉のスペシャリストの今年の最大目標は、ゴールドC(12月23日)の連覇になります。
アウストロ(Photo by 両角昭男)
対照的に内枠が裏目に出たのはムエックス、ティントレットでした。
◎に推奨した4番人気ムエックスは3着が精いっぱい。
張田昂騎手は「思ったよりペースが落ち着いたね。流れなかったし、スタートから出してはいるけど、
あの展開になったら前が残っちゃう。本当に展開ひとつ。今日は内が伸びていないし、あそこしか通るところもなかった。
内枠でずっと窮屈だった。こればかりは仕方がないし、あれ以上はできない」と悔しさをにじませていました。
ムエックス(Photo by 両角昭男)
1コーナーでゴチャつく不利がありながらも5着に食い込んだ6番人気ティントレットの矢野貴之騎手は
「ちょっと嫌な感じになっちゃいましたね。無理矢理2番手に出そうとしていたので、締められてみたいな感じ。
あれが競馬。でも、今日は辛抱して走っていた。本来は一列目で自分のリズム良く刻めるのが理想。枠が外なら全然違う。
2、3番手に行っていたと思うし、勝った馬の横ぐらいにいられたら力勝負になったんだろうけどね。
気持ち次第だし、乗り方次第」とダートグレード制覇に手応えをつかんでいます。
そして、同じく自分の形を作れず12着に沈んだ7番人気トーセンサンダーも次回の要チェック馬に上げておきます。
メンバー最速の末脚で2着に追い込んだアフター5スター賞とは一転、先行集団に加わる想定外のレースとなった安藤洋一騎手は
「1,400メートルはたぶん長い気がする。ペースが遅すぎて折り合いがつかなくて、噛んだらけっこう…。
前半いかに遊ばせられるか。東京盃はいいと思います」と巻き返しに意欲を見せていました。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。