コラム

埼玉新聞栄冠賞

10月29日に浦和競馬場で行われた埼玉新聞栄冠賞は、2周目4コーナーで先頭に立ったスレイマンが後続を4馬身突き放す圧勝。
約2か月半ぶりの転入初戦を飾り、10度目の重賞挑戦で初タイトルを手に入れました。


スレイマン(Photo by 両角昭男)


御神本訓史騎手は「スタートを思ったより出てくれたので良かった。
内枠でちょっと出して行ったので最初の1周目は噛みながらだったけど、向こう正面に入ってからはリズム良く行けました。
ものすごく重厚感のあるすばらしい背中でした」と絶賛。


御神本訓史騎手とスレイマン(Photo by 両角昭男)


次走は、同じ舞台で行われる浦和記念(11月26日)に地方競馬代表として臨みます。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎スレイマン1着
〇ユアヒストリー6着
▲マウンテンローレル7着
△ツーシャドー2着
△ヒーローコール8着
△ランリョウオー9着

で馬単1万4,340円の的中。

大波乱を演出したのは、紅一点の9番人気ツーシャドーでした。
積極的にハナに立ち、最後までしぶとく食い下がるレースぶりに初騎乗の山中悠希騎手は
「返し馬でもおっとりしていて、ポジションさえ取れれば2,000メートルはいいんじゃないかなっていう感じ。
レースでもひっかかることなく、ちょうどいいハミがかりで自分のペースで競馬ができました。
最後はしっかり来ているし、1,400メートルよりいいかもしれない」と好感触。
昨年のしらさぎ賞勝ちを含む浦和1,400メートル〈4-3-1-2〉のスペシャリストでしたが、活躍の舞台は中距離路線になりそうです。


ツーシャドー(Photo by 両角昭男)


A2の身ながらも初めて重賞に挑んだ2頭が3、4着に入り、一線級相手に通用する力を示してくれました。

3連勝中の上がり馬で、2番人気に推されたツウカイノキズナの本田正重騎手は
「もうちょっと流れた方が良かった。まだ良くなる余地はある。マイルぐらいだとちょっと忙しい。
自分からという前向きな馬じゃない。それがいいところでもあり、悪いところでもあるけど、楽しみ」とコメント。


ツウカイノキズナ(Photo by 両角昭男)


約4か月半ぶりだった7番人気アルラの藤田凌騎手は「感じは良かった。
勝負どころで前が壁になったけど、いい競馬でした。楽しみ」と手応えをつかんでいます。


アルラ(Photo by 両角昭男)


好位でレースを進めた3番人気マウンテンローレルは、初の左回りコースの不利も大きく7着。
5連勝で黒潮盃を制した3歳世代トップクラスの実力馬ですが、古馬の厚い壁にはね返されてしまいました。
笹川翼騎手は「左回りがまだこなせなかった。外にモタれているし、ラチ沿いに入ったらササっているし、そもそものペースが違う。
いい経験です。いろいろ初めてなので判断しづらいですけど、しっかり競馬をしてきているし、先につながると思います」と巻き返しに意欲的。

そして、10番人気セイカメテオポリスは復活の兆しを見せる5着。
ダッシュがつかず最後方からの競馬になりましたが、福原杏騎手は「スタートはいつも通りじゃないですか。
手応えはずっとあったし、前は全然進まなかったと言っていたので、良くなっていると思います。
ペースが流れてくれていればもっと変わったかもしれないけど、展開なので仕方ない。
窮屈そうな走りだったし、直線は長い方がいい」と振り返っています。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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