コラム

羽田盃

4月29日に大井競馬場で行われた3歳ダート三冠の第一戦・羽田盃は、
早めに抜け出したナチュラルライズが単勝1・3倍の断然人気に応える5馬身差V。
京浜盃に次ぐ2つ目のタイトルを獲得し、東京ダービー(6月11日、大井2,000メートル)での二冠制覇に弾みをつけました。


ナチュラルライズ(Photo by 両角昭男)


主戦の横山武史騎手は「折り合いは難しかったけど、馬もよく我慢してくれました。
4コーナーから早めに動いて行って、抜け出してからモタれる仕草は強かったけど、とても強かったと思います。
本当に荒削りですけど、着実に一歩一歩成長してくれています」と笑顔。


横山武史騎手&ナチュラルライズ(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ナチュラルライズ1着
〇ジャナドリア3着
▲グランジョルノ8着
△ナイトオブファイア2着
△スマイルマンボ4着
△ペピタドーロ9着

で的中。

京浜盃より着順を一つ上げて2着に食い込んだのは、大井生え抜きの4番人気ナイトオブファイアでした。
矢野貴之騎手は「4コーナーの手応えが本当に良くて勝つんじゃないかなと思ったけど、現状は勝った馬が一枚上でしたね。
でも、これだけ(調教で)攻めてもプラス体重で、ひとつひとついいモノを吸収しているのを実感していますし、
走りも奥深さを感じているので、距離が延びてもいいと思う。遠征もバンバンやって、どんどん経験させた方がいい。
課題をちゃんと克服しているから本当にすごい。人の多さだったり、ナイターだったり、道中の運びとか…。
京浜盃(コラム参照)は完全に空気にのまれている感じで、それで萎縮しちゃう馬もいるから心配だったけど、
今日は自分のペースで自分の走りができている。勝ち馬が抜けている感じもするけど、
ちょっとずつ背中は見えてきているのでなんとかしたい」と確かな手応え。
23年の無敗三冠馬ミックファイアを育てた渡邉和雄調教師も「だいぶ体幹がしっかりしてきているし、本当に充実してきている。
勝ち馬の強さは認めるけど、あと200m延びたら…、信じてやるだけ」と逆転に向けて意欲を見せています。

主導権を握って4着に粘り込んだ5番人気スマイルマンボも、昨年のハイセイコー記念勝ち馬にふさわしいパフォーマンスを見せてくれました。
初めて手綱を取った吉原寛人騎手は「内の田邊さん(アメージング)の出方次第で決めようと思ったけど、
スタートが一番良かったのですんなりハナに行こうと。さすがにプレッシャーもかけられつつ、けっこう大変な競馬だったけど、
もっとバタバタになると思ったところをしっかり踏ん張ってくれた。もうちょっとペースを遅くしたかったけど、
いつでもまくられる感じだったのでレースに合わせる感じになっちゃった。距離的にはマイルぐらいの方が合うのかな」と振り返っています。


スマイルマンボ(Photo by 両角昭男)


2番人気の雲取賞勝ち馬ジャナドリアは3着に敗れ、デビュー以来の連勝が3でストップ。
ルメール騎手は「2番手でちょうどいいポジション。馬はずっと冷静に走ってくれたけど、直線に向いてから伸びなかった。
よく頑張ったけど、もうちょっと走れると思います。今日の馬の状態は完ぺきだった。
勝った馬がすごかった。びっくりしました」とお手上げムード。


ジャナドリア(Photo by 両角昭男)


6番人気5着アメージングの田邊裕信騎手は「いつも速いスタートを切るわけでもないので、いつか控えた形の競馬をしなければと話していた。
キックバックを一番気にするんじゃないかと思っていたけど、意外にこなすというか、思っているよりもハミを取れていた。
今日の競馬は次につながると思います。もちろんスタート次第で行くことも考えられますし、流れに合わせていければ」。

8番人気6着ミーヴァトンの町田直希騎手は「使うたびに良くなっている。このメンバーで健闘してくれたので、次も楽しみ。
折り合いもつくし、しまいもいい脚を使うので2,000メートルぐらいなら大丈夫。
初めての右回りも気にならなかった」とともに収穫を口にしています。

一方、3番人気8着グランジョルノの戸崎圭太騎手は「馬場が渋っているので、たぶんペースも速いし、
そこについて行けなくてダラダラしちゃった感じです」と残念そうでした。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。