2026 Dirt Triple Crown

2025.12.31 大井 1,600m東京2歳優駿牝馬(SI)

2024年優勝馬 プラウドフレール号

2024年優勝馬 プラウドフレール号

2歳牝馬重賞

2歳牝馬重賞

東京2歳優駿牝馬とは

大晦日に行われる2歳牝馬重賞「東京2歳優駿牝馬(SI)」。
地方交流競走として実施されるレースで、2歳牝馬の地方No.1を決めるレースとなっている。

また、翌年の南関東牝馬クラシックを占う意味でも、重要なレースである。
過去10年の東京2歳優駿牝馬覇者で、翌年の南関牝馬クラシックを制した馬は以下の通り。

2015年モダンウーマン[桜花賞(SI)]
2017年グラヴィオーラ[東京プリンセス賞(SI)]
2020年ケラススヴィア[桜花賞(SI)/東京プリンセス賞(SI)]
2021年スピーディキック[桜花賞(SI)/東京プリンセス賞(SI)]
2022年メイドイットマム[桜花賞(SI)]
2024年プラウドフレール[桜花賞(SI)]

歴代優勝馬には南関東を代表する名牝が勢ぞろい。
翌年のクラシック候補生の走りに是非ご注目を!

予想<ケイシュウNEWS・海野秀徳>

2歳女王の称号は、未来の頂点への通過点。
大晦日に行われる東京2歳優駿牝馬(SI)は、
GRANDAME‐JAPAN(2歳シーズン)の最終戦にして、3歳牝馬三冠ロードの行方を占う重要な一戦。
歴代の勝ち馬には、
クラーベセクレタ、ララベル、プラウドフレールといった何れも後にダート界の主役へと駆け上がった名牝ばかり。
その系譜に名を刻むべく、素質十分の2歳牝馬14頭が暮れの大井で一堂に会する。

◎リュウノフライト
門別1,100mで迎えた新馬戦は1分7秒9の好時計で快勝。
その後も1,000mのリリーカップ、1,200mのフルールカップと重賞を連勝し、スピード能力の高さを示した。
秋の大一番エーデルワイス賞では1分12秒7の好時計で、後に兵庫ジュニアグランプリを制するトウカイマシェリを完封。
ダートグレードウィナーの仲間入りを果たした。
稍重馬場で12秒台を記録し同競走を制したのは、16年のリエノテソーロ以来。
同馬がその後全日本2歳優駿を制したことを思えば、本馬のスケールも相当と言える。

牝系の祖は、メイトロンステークス(1,400m)など短距離GIを2勝したミセスウォーレン。
一方で半兄リンノレジェンドは道営記念、黒潮盃など重賞6勝。
近親に中距離で結果を残す馬がいる点からも距離の融通は利きそうだ。
父ホッコータルマエは日本競馬史上初となるGI級競走10勝を挙げたダート王で、産駒もダート路線で活躍馬が目立つ。
南関東競馬でもヒーローコール(雲取賞など)、ナイトオブファイア(戸塚記念)、
レディバグ(スパーキングレディーカップ)と重賞勝ち馬が並び、特にマイル以上での信頼度は高い。
本馬も距離延長は問題ないし、来年に向けてここは主役の座を譲れない。

〇グッドディーズ
道営時代は短距離中心のローテーションで、初勝利は1,100m。
その後2戦を消化して船橋へ移籍。
その移籍緒戦は1,500mだったが、好位後方の内目で脚を溜め、直線で外へ切り替えると上がり最速の末脚を繰り出して快勝。
距離延長で新境地を開拓してみせた。
今回は相手強化となるが、秘めた素質は決してヒケを取らない。

曾祖母パイタは仏・芝2,000mGIクリテリヨムドサンクルーの勝ち馬。
祖母ピリカも仏・芝2,400mGIIIエドゥヴィル賞を制するなど、欧州色の濃い中距離芝タイプの母系。
一方で、半兄エテオクロスは水沢ダート1,600mで勝利、
叔父ドバイブルースもダート1,700~1,800mで勝ち星を挙げており、ダート適性も十分。
父シスキンは芝1,600mの愛2000ギニー(GI)勝ち馬で、マイル向きの配合となっている。
冬場のダートにも対応できそうな血統背景でジックリ脚を溜める形になれば、
リュウノフライトを逆転するシーンがあっても不思議はない。

▲アンジュルナ
デビュー当初は競馬にムラがあったが、9月浦和のスイートアリッサム賞を逃げ切ってから一気に軌道に乗った。
続く川崎の小町特別(ローレル賞トライアル)では逃げ馬を射程に入れた立ち回りから直線で突き放し大差勝ち。
前走ローレル賞でも直線でゴーサインが出ると上がり3ハロン最速の末脚で後続を一蹴し、4馬身差の完勝と勢いは本物だ。
このメンバーに入っても能力面で見劣ることはなく、先手を主張する馬が揃いそうな展開も歓迎材料。
初の右回りが課題となるが、対応できれば勝ち負けに加わってくる。

曾祖母はBCディスタフなどGIを11勝し、エクリプス賞年度代表馬にも輝いた名牝アゼリ。
日本ではロイカバード、シルヴァンシャーなど芝中距離で活躍する産駒を送り出してきた名門母系。
祖母アリエンザは米1,700mGIIで2着の実績があるようにダート適性も高い。
父ティズザロウはベルモントステークス(1,800m)を含む米GI4勝の名馬で、
産駒には米・1,800mGIIマザーグースステークス勝ちのフリーサブスクライブドがいる。
本馬もローレル賞を制したようにマイルから1,800mがベストレンジ。
ローテーション的にも相性は良く、この馬が逃げ切る可能性も十分。

△ナーサリーテイル
新馬戦は1,000mを1分0秒8の好時計で快勝。
距離を1,200mへ延ばした2戦目もスピードの違いを見せて連勝した。
更に距離延長となった前走ローレル賞は出遅れを挽回する形で追走し、終いは甘くなったものの初のマイルで一定のメドは立てた4着。
昨年プラウドフレールで同レースを制した川島正一調教師が、今年も同じステップで送り込んできた点は見逃せない。
流れが速くなり末脚の生きる展開になれば、勝ち負けに加われる存在。

母系の祖は米・ダート1,300mGIアーリントンワシントンラッシーステークスで3着に入ったパメラケイ。
祖母レイクサイドカップは米・ダート1,200mGIIスカイラヴィルステークス2着。
近親にはTCK女王盃など交流重賞5勝を挙げたグラッブユアハートが名を連ねるなど、日米ダートで活躍馬を輩出してきた母系。
血統背景は申し分なく、マイル2戦目で前進を見込めば侮れない一頭と言える。

△ココキュンキュン
9月の園田プリンセスカップで重賞初制覇を果たすと、金沢シンデレラカップ、ラブミーチャン記念を連勝と充実の戦績。
前走は牡馬相手に水をあけられた5着だが、道中で折り合いを欠いた面もあり度外視可能。
折り合った際の爆発力は目を見張るものがあり、好枠を生かしてスムーズに運べれば各地の強豪牝馬相手でも一蹴のシーンも。

祖母フラニーフロイドは米ダート1,200mGIプライオレスステークスの勝ち馬。
近親には短距離ダートでの活躍馬が目立つが、
従兄にあたるバルティカ(父ルーラーシップ)は芝2,000mで2勝を挙げているように配合次第で距離の融通が利く母系。
父エポカドーロ産駒には、水沢1,900m重賞オータムティアラ勝ちのミナトミナイトや、
高知優駿3着のヤマノアシオトなど中距離実績馬が並ぶ。
ノーザンテーストの5×4クロスはステイゴールド系種牡馬と好相性で、血統的な魅力はメンバー中でもトップクラス。
まだ奥のありそうな血統背景を考えても軽視は禁物で、ここでもマークは欠かせない。

△トウキョーアンナ
1,200mの新馬戦ではその後クラーベセクレタ・メモリアルを制するバイラノーチェに水をあけられたが、
着実な成長を遂げて1,500mのマキバスナイパー・メモリアルで同馬に逆転勝利。
前走ローレル賞では先行策で終いが甘くなり9着だったが、初のマイル戦が影響したか…。
学習能力の高さを感じられるタイプだけに、前走のマイルを経験したことは今回に生きてくるはずだ。
ローレル賞で先行して大敗した馬が本レースで巻き返した例は多く、17年1着グラヴィオーラ(7着)などが好例。
展開ひとつで波乱を演出する可能性を秘めている。

同厩舎に所属していた母アイアンハートは1,200m以下で4勝を挙げたスプリンターだが、
1,600mでの好走実績がありマイルへの対応力もある。
母父サウスヴィグラスは父として過去10年で5勝・2着2回と抜群の相性を誇っていたのはプラス材料。
更に父父ゴールドアリュール×母父サウスヴィグラスの配合からはサントノーレ(父エピカリス)や
マテリアルガール(父コパノリッキー)など南関東重賞での活躍馬が輩出されており、血統的裏付けも十分。
大駆けの余地を秘めた一頭として押さえておきたい。

△スターオブフェザー
6月の門別でデビューし、初勝利こそ9月の5戦目だったが、
3走前のトルマリン特別では1・2着馬が次走の牝馬重賞ブロッサムカップで
再びワンツーを決めるというハイレベルな一戦で3着と健闘。
続く1,700mの選抜戦を勝ち切って船橋へ移籍した。
緒戦となったクラーベセクレタ・メモリアルでは上がり最速の末脚を繰り出して2着に好走。
早々に実力を一端示している。

祖母ニシノナースコールはエンプレス杯を制した名牝で、近親には秋華賞馬ブラックエンブレムなどが名を連ねる良血名門母系。
半兄セイウンピカイチは門別1,700m勝ち、全兄ニシノソレガシもマイル前後で実績を残しており、
舞台替わりや距離変化への対応力は十分。
再び距離が延びるのは歓迎材料で、内回りコースをうまく立ち回れれば、上位陣への逆襲も視野に入る。

データ分析

~南関重賞を解く~ 南関データ分析

参考情報

ローレル賞レース後分析

参考レース

レース後分析<ケイシュウNEWS・取材部>

★当日の馬場状態・馬場傾向
当日は逃げ馬が4勝・2着1回、2~3番手で運んだ馬が3勝・2着7回と、基本的には前有利。
但し、内外はフラットで差し馬も力を発揮できる馬場となっており、後半には差し・追い込み勢の台頭も見られた。

★地元トラックマンによる舞台ジャッジ
大井の1,600mは3~4コーナーで内回りを使用。
勝負処でのコーナーリングで器用さが求められる上、内回りは4コーナーからゴールまでの直線が286mと外回りと違い100m短い。
また、1コーナーで外を回されると厳しくなるので、前半はできるだけロスなく回りたい。
ペース次第ではあるが、直線一気の追い込みは決まりづらく、逃げ・先行馬が比較的残り易い傾向。
中団から運ぶ馬も3~4コーナーで早目に動く必要がある。

★レース回顧
発走前にリュウノフライトがゲート内で立ち上がろうとする仕草。
スタートで人気の一角であるナーサリーテイルが出遅れて後方から。
一方、先行争いはアンジュルナが主張してハナへ行き平均ペース。
リュウノフライトは外3番手からの追走。

勝負処の3コーナー過ぎからはアンジュルナとリュウノフライトの一騎打ちムード。
直線でアンジュルナが振り切って重賞連勝を決めた。
リュウノフライトがゴール前で脚が上がったところを後方から運んだナーサリーテイルが差して2着。
終わってみれば人気サイドでの決着。

★各馬の評価・次走狙い馬
1着アンジュルナ【牝馬クラシックの主役へ】
前走からプラス10キロだったが、近2走で減っていた馬体を戻したイメージ。
馬体の張りは申し分なく、パドックの気配は文句なしだった。

レースはスタートを決めると迷わずハナを主張。
後続のマークは楽ではなかったが、うまくペースを落として逃げられたのは大きい。
初の大井コースも問題なくこなして重賞連勝。
ローレル賞で1,600mを経験していたのもアドバンテージとなった。

『逃げる選択はメンバーを見て決めた。この馬の力を信じてハナへ行きました。
相手はリュウノフライトだと思っていました。
馬体はいいし、スピードもありバネもあって全てにおいていいですね。来年も楽しみにしています』
と場内インタビューに答える野畑騎手の表情は笑顔に満ち溢れていた。

『出た感じでポジションを取って行こうというプランでしたが、スタートが良くて自然とハナへ行く形。
道中で息を入れる処がなくタフなレースになってしまったと思うけど、
逆にリュウノフライトも含め追走してきた馬は脚をなくしてしまう結果となった訳だから
相当強い競馬でコンプリートできたと思います。
アンジュルナ自身は初めての大井コースで気が入っていたけど、取り乱すほどではなくこちらに余計な心配をかけさせないですね。
まだ完成形には達していないですが、精神的には一戦毎に成長して現時点では課題らしい課題は見当たらないかな。
強いて挙げるなら、距離が更に延びてどうかだけど、それも牝馬三冠を目指すレベルにおいての話だと思っている。
今後は地元のユングフラウ賞から春のクラシックを歩んでいくことになりそうだけど、
前述のようにまだ良くなる余地を残しているので期待は大きいです』と同馬を手掛ける浦志調教師補佐。

3歳牝馬戦線の主役として活躍が期待される。

2着ナーサリーテイル【新味発揮】
初コースに物怖じすることなく、パドックは2人引きで気合のこもった周回。仕上がり良好。

レースは後手を踏んで1コーナーは後方2番手で通過。
ただ、そこで焦って押し上げることはせず終いの脚に賭けたことで最後の爆発力に繋がった印象。
ゴール前鋭く伸びて2着を確保。初騎乗だったが、御神本騎手の好判断が光った走り。
このレースぶりなら小回りコースよりは広いコースの方が持ち味を発揮できそう。
新馬から1,000・1,200mを先行して連勝を決めた馬だが、キャリアを重ねて距離への対応も見せてきた印象。

『これまでスタートで遅れることがなかったけど、今回はモッサリとしておりあの位置取りに。
先行してこそのタイプだと思っていたが、道中は溜めが利いていたし、終い脚を使えたのは収穫だった。
勝ち馬と能力差があるとは思わないし、ポンと出てスムーズな競馬ができればチャンスがありそうだ』と厩舎サイド。
戦法に幅が出て、今後の牝馬重賞でもマークが必要な存在になる。

3着リュウノフライト【今後の糧に】
やや胴の詰まった体型で短距離を使われてきたのは納得。
周回を重ねて小走りになるシーンはあったが、体の張り良く気配は良好。

発走直前にゲート内で立ち上がる仕草を見せ発馬は出負け気味。
それでもリカバリーして外3番手を進出。3コーナーから一騎打ちに持ち込んだが、最後は距離経験の差が出た印象。

門別から直前輸送ではなく、早目に大井競馬場へ移動しての調整。
管理する山口竜一調教師にとっては管理馬最後の出走で華を添える勝利に期待は集まったが、悲願達成とはいかなかった。
エーデルワイス賞を勝った実力は疑いようがないし、今回で1,600mや一周競馬を経験できたのは今後に繋がるはず。
新たな厩舎での飛躍を期待したい。

4着グッドディーズ【現状の力は発揮】
パドックは少しうるさい面を見せていたが、見た目に重目感はなくここに向けてシッカリ仕上げてきた印象。

レースは五分の発馬から中団外目を追走。
3コーナー過ぎからスパートを開始し、一旦は3着争いまで持ち込んだが、もうひと伸びできず4着。

『転入緒戦を勝った後はここ一本に乗り込み、いい状態に仕上がっていました。
レースでは最初のコーナーで外を回る形になりましたが、もう少し内目の枠を引いていれば違った位置取りになったと思います。
まだまだ緩い面があり完成途上ですが、ポテンシャルは相当高い馬です。
これから成長していき、470キロから480キロくらいで使えるようになれば、
今日のメンバーと互角の競馬ができると思いますよ』と石崎調教師。

一気の相手強化を考えれば今後に繋がる走りはできた。
上位勢との差を縮めるため、更なる地力強化は必要になるが、自己条件を使ってきた際は見直しが必要だろう。

5着セイクリスティーナ【見せ場十分】
パシュファイヤー着用で2人引き。
テンションは高かったが、極端なイレ込みには至っていなかった。

レースではパシュファイヤーを外して好位集団の後ろを追走。
3コーナーで一旦後退してしまったが、直線を向くと盛り返す脚を見せて5着。
岩手からの長距離輸送、初の県外での競馬を考えれば大健闘の5着と言える。

『前日から馬場状態やレースを見て対策を練りました。
イメージ通りの競馬ができましたが、勝負処で物見してしまってハミを取らないシーンがありました。
落合騎手もそれがなければもう少し上の着順を目指せたかもと言っていました。
これだけの走りができたのは収穫です。
今後のローテーションは決まっていませんが、頑張って欲しいです』と佐々木厩務員。

全国レベルだともう一段成長は必要だが、
地元の牝馬同士なら当然力上位と言えるし、グランダムジャパンの3歳シーズンへの参戦も考えられる。

6着ライドハイ【距離短縮で期待】
キャリア3戦目での大舞台だったが、物怖じすることなくパドックは落ち着いて周回。
前走からの上積みも感じられた。

出負け気味でレースは後方4番手から。
この形での競馬は初めてだったが、動じることなく直線ではひと脚使えていた。
上位からは離されていたが、この馬自身は前走から持ち時計を約3秒更新した。

『周りの馬がゲート内でうるさい仕草を見せた時にライドハイも気にしてしまって出負け気味の発馬になってしまった。
鞍上の藤田騎手も1,600mよりはもう少し短い距離の方が良さそうな感じがすると話をしていたので、
順調であれば次走は距離短縮で使うことを考えています』と厩舎サイド。

一線級の重賞ではもう少し地力強化が必要だが、自己条件なら当然見直せる時計。
加えて新馬は1,200mを勝っている馬。コメント通り自己条件の1,200mであれば見直したい1頭。
長い目で見れば進化していく可能性を感じる馬。

レース回顧

江橋大介さんコラム

レース概要

実施日 12/31(水)
競馬場 大井競馬場
距離 1,600m
出走条件 サラ系2歳牝馬
負担重量 54kg
優先出走権 なし

キャンペーン

主役はわたしキャンペーン
ゆく年くる年キャンペーン
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