~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2019年11月13日(水) 
サラ系2歳 大井1,600m
ハイセイコー記念(S2)

レース紹介

南関東所属の2歳馬によるマイル重賞「ハイセイコー記念(S2)」
大井が生んだ国民的アイドルホース“ハイセイコー”を冠したレースで、
将来のスターホース候補生の誕生が期待される一戦だ。
まだまだ経験の浅い2歳馬による重賞を、過去10年の傾向から探ってみよう!

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2018年 ラプラス 大井 カジノドライヴ 2人気
2017年 ハセノパイロ 船橋 パイロ 3人気
2016年 ミサイルマン 大井 カネヒキリ 1人気
2015年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 3人気
2014年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 5人気
2013年 ブラックヘブン 大井 パイロ 2人気
2012年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 9人気
2011年 ドラゴンシップ 船橋 クロフネ 4人気
2010年 セルサス 船橋 タイムパラドックス 1人気
2009年 ショウリュウ 大井 バゴ 4人気

特定の種牡馬が活躍している傾向。
過去10年で2勝を挙げている種牡馬は「タイムパラドックス」、「パイロ」、「カネヒキリ」の3頭だ。

また、上記の「タイムパラドックス」、「カネヒキリ」の他、「クロフネ」、「ルースリンド」と、
日本国内のダートで活躍した馬を父に持つ馬が目立つレースでもある。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

笹川翼騎手、矢野貴之騎手、本田正重騎手が凄い!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2018年 矢野 貴之 笹川 翼 今野 忠成
2017年 本田 正重 矢野 貴之 中野 省吾
2016年 笹川 翼 矢野 貴之 今野 忠成
2015年 本田 正重 笹川 翼 石崎 駿
2014年 石崎 駿 繁田 健一 吉原 寛人
2013年 有年 淳 今野 忠成 御神本 訓史
2012年 金子 正彦 今野 忠成 酒井 忍
2011年 御神本 訓史 的場 文男 坂井 英光
2010年 石崎 駿 山田 信大 的場 文男
2009年 的場 文男 桑島 孝春 戸崎 圭太

リピーターが活躍しているハイセイコー記念だが、そこにはある傾向が…

それは、3着内に好走している騎手の多く(太字)が、「2年連続(※)」ないし「3年連続」で3着以内に来ているということだ。
昨年もこの傾向は継続され、「矢野貴之騎手」が2016年から3年連続で連対している(2018年に優勝)。

となると、今年は「矢野貴之騎手」、「笹川翼騎手」、「今野忠成騎手」に注目となるが…
“今年(2019年)と来年”というパターン、傾向が崩れるパターンも当然ながらありえる。

また、直近4年に限ると「笹川翼騎手」、「矢野貴之騎手」、「本田正重騎手」の3名だけで2着内を独占。
「笹川翼騎手」と「矢野貴之騎手」がともに1勝、2着2回、「本田正重騎手」は2勝を挙げている。
さらに、「今野忠成騎手」は3着が2回あり、「笹川翼騎手・矢野貴之騎手・今野忠成騎手」の3名が3着内を独占した回数は、過去4年で2回。

※2009年の「戸崎圭太騎手」は、2008年にナイキハイグレードで優勝

大井&船橋の2強!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 1 11 0.0% 0.0%
船橋 4 3 2 11 20.0% 35.0%
大井 6 6 6 78 6.3% 12.5%
川崎 0 1 1 10 0.0% 8.3%

地元の大井所属馬と船橋所属馬が他を圧倒!

「大井所属馬」の6勝、2着6回、3着6回に対し、「船橋所属馬」は4勝、2着3回、3着2回。
特に「船橋所属馬」は、昨年こそ出走馬がいなかったものの、「勝率20.0%」、「連対率35.0%」と、質の高さが際立っている印象だ。

南関デビュー馬が意地を見せる!

【デビューした地区別の成績】

デビュー地区 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
南関東 9 9 9 94 7.4% 14.9%
ホッカイドウ競馬 1 1 1 14 5.9% 11.8%
その他 0 0 0 2 0.0% 0.0%

続いて、デビューした競馬場別の成績。

過去10年で「南関東デビュー馬」が9勝、2着9回、3着9回に対して、「ホッカイドウ競馬デビュー馬」は1勝、2着1回、3着1回。
同じ2歳重賞「平和賞(S3)」「鎌倉記念(S2)」の分析では両者互角の成績だったが、ハイセイコー記念では「南関東デビュー馬」が優勢だ。

ハイセイコー記念は“南関所属馬限定”のレースでもあり、“南関生え抜き”が結果を残す傾向にあるのだろう。

1番人気馬は過信禁物!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
2人気 2 3 1 4 20.0% 50.0%
3人気 2 4 1 3 20.0% 60.0%
4人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
5人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
6人気以下 1 1 4 84 1.1% 2.2%

「1~4番人気馬」は勝率20.0%で並んでいるが、差が出ているのは連対率。
「1番人気馬」の連対率が30.0%なのに対し、「2番人気馬」は50.0%、「3番人気馬」は60.0%となっている。
昨年も「1番人気馬」は4着に敗れ、「2番人気馬」が優勝、「3番人気馬」が2着だった。

「6番人気以下」の連対数は2回のみで、全体的に「5番人気以内」の馬が好走している傾向にあるが、
確固たる”軸”が不在と言ったところだろう。

大荒れはないが、堅くもない

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2018年 400 840 8,080
2017年 780 910 18,800
2016年 310 1,790 58,570
2015年 520 1,160 178,720
2014年 1,110 2,360 83,840
2013年 490 1,830 11,130
2012年 2,280 9,170 102,600
2011年 530 1,140 17,380
2010年 190 450 3,580
2009年 800 2,960 20,080
平均 741 2,261 50,278

過去10年の「単勝配当」は3ケタが8回で、平均741円。
また、「馬複」は平均2,261円、「三連単」は平均50,278円と、ガチガチでもないが、荒れている印象も受けない。

これは、前述の「人気別成績」の通り、5番人気以内の馬が上位に来ている結果だろう。

ちなみに、過去10年の単勝最高配当は2012年の2,280円。
今では考えられないが、優勝馬は当時、9番人気の伏兵評価だったソルテだ。

外枠有利!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 4 0 7 0.0% 36.4%
2枠 0 0 1 13 0.0% 0.0%
3枠 1 0 2 14 5.9% 5.9%
4枠 1 2 1 16 5.0% 15.0%
5枠 2 0 2 16 10.0% 10.0%
6枠 1 0 2 16 5.3% 5.3%
7枠 3 2 2 13 15.0% 25.0%
8枠 2 2 0 15 10.5% 21.1%

枠番別の成績は「外枠(※)」に良績が集中。
「5枠~8枠」が計8勝を挙げており、2着は4回、3着も6回と抜群の成績を残している。
特に、近年は「7枠」の成績が良く、2013年~2017年にかけて、5年連続で3着内に好走していた。

一方、「内枠」は苦戦する傾向にあり、「1枠」と「2枠」からは優勝馬が出ていない。
ただし、「1枠」は2着が4回もあるように、枠番別の連対率では最も高い36.4%の数字を残している。

※「1~4枠」を内枠、「5~8枠」を外枠とする

牡馬が強さを見せる!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 9 10 102 6.9% 13.8%
牝馬 1 1 0 8 10.0% 20.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牡馬」が9勝、2着9回、3着10回と強さを見せている。
一方、「牝馬」は出走数自体が10頭と少なく、2011年にドラゴンシップ、アイキャンデイのワンツーが1回あるのみ。

トライアルレース出走組は!?

【ゴールドジュニアー(GJ)の着順別の成績】

GJ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
GJ1着 0 3 1 4 0.0% 37.5%
GJ2着 2 0 1 5 25.0% 25.0%
GJ3着 1 0 1 6 12.5% 12.5%
GJ4着以下 1 1 0 16 5.6% 11.1%

ハイセイコー記念のトライアルレースとして行われている準重賞「ゴールドジュニアー」。
コース設定は「大井1,400m(外回り)」となっており、「ハイセイコー記念:大井1,600m(内回り)」とは条件が大きく異なる。

そんな背景が影響してか、「ゴールドジュニアー」の優勝馬は過去10年で8頭が参戦し、2着3回、3着1回、4着2回。
“好走”はするものの、ハイセイコー記念覇者を送り出せていない事実がある。

これを“ゴールドジュニアー出走組”に条件を広げてみると、のべ42頭が出走して4勝、2着4回、3着3回。
それほど高い確率ではないものの、昨年は「ゴールドジュニアー」2着馬がハイセイコー記念を制している(同1着馬も2着に好走)。

例年、「ゴールドジュニアー」 ⇒ 「ハイセイコー記念」と転戦してくる馬は多いが、
コース設定が大きく変わる点には注目したいところだろう。

2019年ゴールドジュニアーの結果

南関東で最初の2歳重賞!

【鎌倉記念の着順別の成績】

鎌倉記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
鎌倉記念1着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
鎌倉記念2着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
鎌倉記念3着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
鎌倉記念4着以下 0 0 1 5 0.0% 0.0%

南関東で最初に行われている2歳重賞「鎌倉記念(S2)」。
年によってハイセイコー記念までのレース間隔が異なるので、転戦してくる馬の頭数にもバラツキがある。
※2019年は中2週

過去10年、「鎌倉記念」優勝馬は1頭が参戦して2着が1回。
重賞ウイナーだけに実力は申し分ないところで、出走してくるようであれば要注目となるだろう。

2019年鎌倉記念の結果

素質馬に距離は関係ない!?

【マイル戦の経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 4 7 4 57 5.6% 15.3%
経験なし 6 3 6 53 8.8% 13.2%

2歳馬にとって克服すべき課題の1つは「距離の壁」。
ハイセイコー記念が行われる「1,600m」の「経験あり/なし」別の成績は上記の通りだ。

これを見ると、「経験あり」が4勝、2着7回、3着4回に対して、「経験なし」は6勝、2着3回、3着6回。
初めて経験する距離は課題でもあるが、重賞を勝つような素質馬は「克服している」という結果になっている。
ちなみに、昨年は「経験なし」の馬が1~3着を独占。

経験値か?それとも…!?

【レース経験数別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3戦以内 9 0 3 33 20.0% 20.0%
4戦以上 1 10 7 77 1.1% 11.6%

こちらのデータはハイセイコー記念までの「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けた成績だ。

「3戦以内」の成績は9勝、2着0回、3着3回、「4戦以上」は1勝、2着10回、3着7回。
1着は「3戦以内」から、2着は「4戦以上」からと明確な結果が出ている。
昨年も、キャリア3戦のラプラスが優勝し、キャリア4戦のシビックヴァーゴが2着だった。

「マイル戦の経験有無」と同様に、経験の浅さを素質・能力で補っていると言えそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2日連続の公開!11月19日(火)に川崎競馬場で行われる「ローレル賞(S2)」、翌20日(水)に行われる「ロジータ記念(S1)」です!

南関データ分析とは

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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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