
南関東所属の2歳馬によるマイル重賞「ハイセイコー記念(S2)」
大井が生んだ国民的アイドルホース“ハイセイコー”を冠したレースで、
将来のスターホース候補生の誕生が期待される一戦だ。
まだまだ経験の浅い2歳馬による重賞を、過去10年の傾向から探ってみよう!
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2018年 | ラプラス | 大井 | カジノドライヴ | 2人気 |
2017年 | ハセノパイロ | 船橋 | パイロ | 3人気 |
2016年 | ミサイルマン | 大井 | カネヒキリ | 1人気 |
2015年 | トロヴァオ | 大井 | カネヒキリ | 3人気 |
2014年 | ストゥディウム | 船橋 | ルースリンド | 5人気 |
2013年 | ブラックヘブン | 大井 | パイロ | 2人気 |
2012年 | ソルテ | 大井 | タイムパラドックス | 9人気 |
2011年 | ドラゴンシップ | 船橋 | クロフネ | 4人気 |
2010年 | セルサス | 船橋 | タイムパラドックス | 1人気 |
2009年 | ショウリュウ | 大井 | バゴ | 4人気 |
特定の種牡馬が活躍している傾向。
過去10年で2勝を挙げている種牡馬は「タイムパラドックス」、「パイロ」、「カネヒキリ」の3頭だ。
また、上記の「タイムパラドックス」、「カネヒキリ」の他、「クロフネ」、「ルースリンド」と、
日本国内のダートで活躍した馬を父に持つ馬が目立つレースでもある。
笹川翼騎手、矢野貴之騎手、本田正重騎手が凄い!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2018年 | 矢野 貴之 | 笹川 翼 | 今野 忠成 |
2017年 | 本田 正重 | 矢野 貴之 | 中野 省吾 |
2016年 | 笹川 翼 | 矢野 貴之 | 今野 忠成 |
2015年 | 本田 正重 | 笹川 翼 | 石崎 駿 |
2014年 | 石崎 駿 | 繁田 健一 | 吉原 寛人 |
2013年 | 有年 淳 | 今野 忠成 | 御神本 訓史 |
2012年 | 金子 正彦 | 今野 忠成 | 酒井 忍 |
2011年 | 御神本 訓史 | 的場 文男 | 坂井 英光 |
2010年 | 石崎 駿 | 山田 信大 | 的場 文男 |
2009年 | 的場 文男 | 桑島 孝春 | 戸崎 圭太 |
リピーターが活躍しているハイセイコー記念だが、そこにはある傾向が…
それは、3着内に好走している騎手の多く(太字)が、「2年連続(※)」ないし「3年連続」で3着以内に来ているということだ。
昨年もこの傾向は継続され、「矢野貴之騎手」が2016年から3年連続で連対している(2018年に優勝)。
となると、今年は「矢野貴之騎手」、「笹川翼騎手」、「今野忠成騎手」に注目となるが…
“今年(2019年)と来年”というパターン、傾向が崩れるパターンも当然ながらありえる。
また、直近4年に限ると「笹川翼騎手」、「矢野貴之騎手」、「本田正重騎手」の3名だけで2着内を独占。
「笹川翼騎手」と「矢野貴之騎手」がともに1勝、2着2回、「本田正重騎手」は2勝を挙げている。
さらに、「今野忠成騎手」は3着が2回あり、「笹川翼騎手・矢野貴之騎手・今野忠成騎手」の3名が3着内を独占した回数は、過去4年で2回。
※2009年の「戸崎圭太騎手」は、2008年にナイキハイグレードで優勝
大井&船橋の2強!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0.0% | 0.0% |
船橋 | 4 | 3 | 2 | 11 | 20.0% | 35.0% |
大井 | 6 | 6 | 6 | 78 | 6.3% | 12.5% |
川崎 | 0 | 1 | 1 | 10 | 0.0% | 8.3% |
地元の大井所属馬と船橋所属馬が他を圧倒!
「大井所属馬」の6勝、2着6回、3着6回に対し、「船橋所属馬」は4勝、2着3回、3着2回。
特に「船橋所属馬」は、昨年こそ出走馬がいなかったものの、「勝率20.0%」、「連対率35.0%」と、質の高さが際立っている印象だ。
南関デビュー馬が意地を見せる!
デビュー地区 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
南関東 | 9 | 9 | 9 | 94 | 7.4% | 14.9% |
ホッカイドウ競馬 | 1 | 1 | 1 | 14 | 5.9% | 11.8% |
その他 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
続いて、デビューした競馬場別の成績。
過去10年で「南関東デビュー馬」が9勝、2着9回、3着9回に対して、「ホッカイドウ競馬デビュー馬」は1勝、2着1回、3着1回。
同じ2歳重賞「平和賞(S3)」と「鎌倉記念(S2)」の分析では両者互角の成績だったが、ハイセイコー記念では「南関東デビュー馬」が優勢だ。
ハイセイコー記念は“南関所属馬限定”のレースでもあり、“南関生え抜き”が結果を残す傾向にあるのだろう。
1番人気馬は過信禁物!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% |
2人気 | 2 | 3 | 1 | 4 | 20.0% | 50.0% |
3人気 | 2 | 4 | 1 | 3 | 20.0% | 60.0% |
4人気 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% |
5人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% |
6人気以下 | 1 | 1 | 4 | 84 | 1.1% | 2.2% |
「1~4番人気馬」は勝率20.0%で並んでいるが、差が出ているのは連対率。
「1番人気馬」の連対率が30.0%なのに対し、「2番人気馬」は50.0%、「3番人気馬」は60.0%となっている。
昨年も「1番人気馬」は4着に敗れ、「2番人気馬」が優勝、「3番人気馬」が2着だった。
「6番人気以下」の連対数は2回のみで、全体的に「5番人気以内」の馬が好走している傾向にあるが、
確固たる”軸”が不在と言ったところだろう。
大荒れはないが、堅くもない
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2018年 | 400 | 840 | 8,080 |
2017年 | 780 | 910 | 18,800 |
2016年 | 310 | 1,790 | 58,570 |
2015年 | 520 | 1,160 | 178,720 |
2014年 | 1,110 | 2,360 | 83,840 |
2013年 | 490 | 1,830 | 11,130 |
2012年 | 2,280 | 9,170 | 102,600 |
2011年 | 530 | 1,140 | 17,380 |
2010年 | 190 | 450 | 3,580 |
2009年 | 800 | 2,960 | 20,080 |
平均 | 741 | 2,261 | 50,278 |
過去10年の「単勝配当」は3ケタが8回で、平均741円。
また、「馬複」は平均2,261円、「三連単」は平均50,278円と、ガチガチでもないが、荒れている印象も受けない。
これは、前述の「人気別成績」の通り、5番人気以内の馬が上位に来ている結果だろう。
ちなみに、過去10年の単勝最高配当は2012年の2,280円。
今では考えられないが、優勝馬は当時、9番人気の伏兵評価だったソルテだ。
外枠有利!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 4 | 0 | 7 | 0.0% | 36.4% |
2枠 | 0 | 0 | 1 | 13 | 0.0% | 0.0% |
3枠 | 1 | 0 | 2 | 14 | 5.9% | 5.9% |
4枠 | 1 | 2 | 1 | 16 | 5.0% | 15.0% |
5枠 | 2 | 0 | 2 | 16 | 10.0% | 10.0% |
6枠 | 1 | 0 | 2 | 16 | 5.3% | 5.3% |
7枠 | 3 | 2 | 2 | 13 | 15.0% | 25.0% |
8枠 | 2 | 2 | 0 | 15 | 10.5% | 21.1% |
枠番別の成績は「外枠(※)」に良績が集中。
「5枠~8枠」が計8勝を挙げており、2着は4回、3着も6回と抜群の成績を残している。
特に、近年は「7枠」の成績が良く、2013年~2017年にかけて、5年連続で3着内に好走していた。
一方、「内枠」は苦戦する傾向にあり、「1枠」と「2枠」からは優勝馬が出ていない。
ただし、「1枠」は2着が4回もあるように、枠番別の連対率では最も高い36.4%の数字を残している。
※「1~4枠」を内枠、「5~8枠」を外枠とする
牡馬が強さを見せる!
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 9 | 9 | 10 | 102 | 6.9% | 13.8% |
牝馬 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
「牡馬」が9勝、2着9回、3着10回と強さを見せている。
一方、「牝馬」は出走数自体が10頭と少なく、2011年にドラゴンシップ、アイキャンデイのワンツーが1回あるのみ。
トライアルレース出走組は!?
GJ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
GJ1着 | 0 | 3 | 1 | 4 | 0.0% | 37.5% |
GJ2着 | 2 | 0 | 1 | 5 | 25.0% | 25.0% |
GJ3着 | 1 | 0 | 1 | 6 | 12.5% | 12.5% |
GJ4着以下 | 1 | 1 | 0 | 16 | 5.6% | 11.1% |
ハイセイコー記念のトライアルレースとして行われている準重賞「ゴールドジュニアー」。
コース設定は「大井1,400m(外回り)」となっており、「ハイセイコー記念:大井1,600m(内回り)」とは条件が大きく異なる。
そんな背景が影響してか、「ゴールドジュニアー」の優勝馬は過去10年で8頭が参戦し、2着3回、3着1回、4着2回。
“好走”はするものの、ハイセイコー記念覇者を送り出せていない事実がある。
これを“ゴールドジュニアー出走組”に条件を広げてみると、のべ42頭が出走して4勝、2着4回、3着3回。
それほど高い確率ではないものの、昨年は「ゴールドジュニアー」2着馬がハイセイコー記念を制している(同1着馬も2着に好走)。
例年、「ゴールドジュニアー」 ⇒ 「ハイセイコー記念」と転戦してくる馬は多いが、
コース設定が大きく変わる点には注目したいところだろう。
2019年ゴールドジュニアーの結果
南関東で最初の2歳重賞!
鎌倉記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
鎌倉記念1着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
鎌倉記念2着 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% |
鎌倉記念3着 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% |
鎌倉記念4着以下 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% |
南関東で最初に行われている2歳重賞「鎌倉記念(S2)」。
年によってハイセイコー記念までのレース間隔が異なるので、転戦してくる馬の頭数にもバラツキがある。
※2019年は中2週
過去10年、「鎌倉記念」優勝馬は1頭が参戦して2着が1回。
重賞ウイナーだけに実力は申し分ないところで、出走してくるようであれば要注目となるだろう。
2019年鎌倉記念の結果
素質馬に距離は関係ない!?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
経験あり | 4 | 7 | 4 | 57 | 5.6% | 15.3% |
経験なし | 6 | 3 | 6 | 53 | 8.8% | 13.2% |
2歳馬にとって克服すべき課題の1つは「距離の壁」。
ハイセイコー記念が行われる「1,600m」の「経験あり/なし」別の成績は上記の通りだ。
これを見ると、「経験あり」が4勝、2着7回、3着4回に対して、「経験なし」は6勝、2着3回、3着6回。
初めて経験する距離は課題でもあるが、重賞を勝つような素質馬は「克服している」という結果になっている。
ちなみに、昨年は「経験なし」の馬が1~3着を独占。
経験値か?それとも…!?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
3戦以内 | 9 | 0 | 3 | 33 | 20.0% | 20.0% |
4戦以上 | 1 | 10 | 7 | 77 | 1.1% | 11.6% |
こちらのデータはハイセイコー記念までの「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けた成績だ。
「3戦以内」の成績は9勝、2着0回、3着3回、「4戦以上」は1勝、2着10回、3着7回。
1着は「3戦以内」から、2着は「4戦以上」からと明確な結果が出ている。
昨年も、キャリア3戦のラプラスが優勝し、キャリア4戦のシビックヴァーゴが2着だった。
「マイル戦の経験有無」と同様に、経験の浅さを素質・能力で補っていると言えそうだ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2日連続の公開!11月19日(火)に川崎競馬場で行われる「ローレル賞(S2)」、翌20日(水)に行われる「ロジータ記念(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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