~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年11月6日(水) 
サラ系2歳 大井1,600m
ハイセイコー記念(S1)

レース紹介

南関東所属馬による2歳重賞「ハイセイコー記念(S1)」
大井が生んだ国民的アイドルホース“ハイセイコー”を冠した2歳重賞!
将来のスターホース候補生の誕生が期待される大注目の一戦だ。

▼データ分析のポイント
・リーディング上位三傑が熱い
・「7枠」「8枠」の外枠勢が活躍
・レース経験が浅いマイル未経験馬でも大丈夫

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ダテノショウグン 大井 バンブーエール 1人気
2022年 マンダリンヒーロー 大井 シャンハイボビー 3人気
2021年 ノブレスノア 浦和 トーセンブライト 2人気
2020年 アランバローズ 船橋 ヘニーヒューズ 3人気
2019年 ゴールドビルダー 船橋 パイロ 2人気
2018年 ラプラス 大井 カジノドライヴ 2人気
2017年 ハセノパイロ 船橋 パイロ 3人気
2016年 ミサイルマン 大井 カネヒキリ 1人気
2015年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 3人気
2014年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 5人気

2020年のS1昇格初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出。
2022年の優勝馬マンダリンヒーローは、翌年4月の「サンタアニタダービー(USA・G1)」で2着、
2023年優勝馬ダテノショウグンは故障に泣いた形だが、2024年10月末時点で重賞2勝を含め、7戦全勝の成績を残している。

もちろん、2019年以前のS2当時からレースレベルは高く、過去10年の優勝馬からはのべ3頭の南関クラシックホースが誕生。
12月には「全日本2歳優駿(Jpn1)」が控えているものの、クラシックを見据える2歳馬にとっては非常に重要なレースと言ってもいいだろう。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

リーディング三傑の争い

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 御神本 訓史 森 泰斗 張田 昂
2022年 矢野 貴之 左海 誠二 内田 利雄
2021年 森 泰斗 西 啓太 左海 誠二
2020年 左海 誠二 本橋 孝太 森 泰斗
2019年 森 泰斗 笹川 翼 的場 文男
2018年 矢野 貴之 笹川 翼 今野 忠成
2017年 本田 正重 矢野 貴之 中野 省吾
2016年 笹川 翼 矢野 貴之 今野 忠成
2015年 本田 正重 笹川 翼 石崎 駿
2014年 石崎 駿 繁田 健一 吉原 寛人

リピーターが活躍しているハイセイコー記念だが、そこにはある傾向が…

それは、3着内に好走している騎手の多く(太字)が、「2年連続」ないし「3年連続」で3着以内に来ているということだ。
昨年は傾向が崩れてしまったが、2023年の上位騎手が今年も3着内に好走するケースは十分に考えられる。

となると、今年は「御神本訓史騎手」「森泰斗騎手」「張田昂騎手」に注目したい。

また、直近で好成績を残しているのは「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」「笹川翼騎手」の3名。
さすがは南関東リーディングの上位三傑といったところだろう。
※2019年から上記3名で南関東リーディング上位3位を独占中

2024年リーディングジョッキーはこちら
(上位3名が200勝以上で4位以下とはダブルスコア)

大井&船橋の2強に割って入るのは!?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 3 5 11 5.0% 20.0%
船橋 4 2 2 13 19.0% 28.6%
大井 5 5 2 64 6.6% 13.2%
川崎 0 0 1 11 0.0% 0.0%

地元の「大井所属馬」と「船橋所属馬」が他を圧倒!
勝ち星数では「大井所属馬」の5勝がトップだが、勝率、連対率は「船橋所属馬」が頭一つ抜けている。

また、「浦和所属馬」は勝ち星数こそ少ないものの、直近5年だけで1勝、2着3回、3着4回。
直近5年では「大井+浦和」の組み合わせが多くなっている。

南関デビュー馬が意地を見せる!

【デビューした地区別の成績】

デビュー地区 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
南関東 9 8 10 86 8.0% 15.0%
ホッカイドウ競馬 1 2 0 12 6.7% 20.0%
その他 0 0 0 1 0.0% 0.0%

続いて、デビューした競馬場別の成績。

過去10年で「南関東デビュー馬」の9勝、2着8回、3着10回に対して、「ホッカイドウ競馬デビュー馬」は1勝、2着2回、3着0回。
同じ2歳重賞「鎌倉記念(S2)」「平和賞(S2)」と比較すると、「南関東デビュー馬」の方が優勢と言えそう。

ハイセイコー記念は「南関所属馬限定」のレースでもあり、南関東の生え抜きが結果を残す傾向にあるようだ。

1番人気馬は過信禁物!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
2人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
3人気 4 2 1 3 40.0% 60.0%
4人気 0 2 2 6 0.0% 20.0%
5人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
6人気以下 0 1 6 72 0.0% 1.3%

「1~3番人気馬」が9勝を挙げているが…

「1番人気馬」は2勝、2着2回と信頼度では疑問符がつく。
対して、「2番人気馬」は3勝、2着2回、「3番人気馬」は4勝、2着2回となっており、「人気=信頼度」とはなっていない。

また、注目したいのは「6番人気以下」の3着6回。
連対数こそわずか1回と苦戦しているが、3連勝式の3着欄にはチェックを入れておきたいところだろう。

大荒れはないが、堅くもない

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 190 930 4,790
2022年 460 680 9,160
2021年 530 7,410 81,450
2020年 380 590 5,320
2019年 430 1,190 22,710
2018年 400 840 8,080
2017年 780 910 18,800
2016年 310 1,790 58,570
2015年 520 1,160 178,720
2014年 1,110 2,360 83,840
平均 511 1,786 47,144

過去10年の「単勝配当」は3桁が9回で、平均511円。
「馬複」は平均1,786円、「三連単」は平均47,144円となっており、堅くもなく大きく荒れることもない。

これは、前述の「人気別成績」の通り、1~3番人気馬が上位に来ている結果だろう。

過去10年の単勝最高配当は2014年の1,110円。
翌年の「羽田盃(S1)」でクラシックホースに輝くことになる優勝馬は、当時5番人気の評価だったストゥディウムだ。
ちなみに、ストゥディウムが勝った年の1番人気馬は、後の東京ダービー馬ラッキープリンス(7着)である。

「7枠」と「8枠」に注目

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 2 0 9 8.3% 25.0%
2枠 0 0 1 11 0.0% 0.0%
3枠 1 0 2 12 6.7% 6.7%
4枠 0 1 2 14 0.0% 5.9%
5枠 1 0 2 13 6.3% 6.3%
6枠 1 2 1 14 5.6% 16.7%
7枠 2 2 2 13 10.5% 21.1%
8枠 4 3 0 13 20.0% 35.0%

「7枠」と「8枠」の成績が抜群に良い。
過去10年で「7枠」は2勝、2着2回、「8枠」は4勝、2着3回で、勝率&連対率は「8枠」が全体1位の数字だ。
(「7枠」は勝率2位、連対率3位)

大井1,600mは1周1,400mの内回りコースをぐるっと1周するコース設定。
“内枠有利”の印象はあるものの、データ上では外枠有利の傾向にあるようだ。

もちろん、経験の浅い2歳馬なので、スムーズに走れる外枠の方が力を発揮しやすいのかもしれない。

牡馬が強さを見せる!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 93 8.1% 16.3%
牝馬 0 0 0 5 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が10勝、2着10回、3着10回のパーフェクト。

ハイセイコー記念を占う前哨戦

【ゴールドジュニア(GJ)の着順別の成績】

GJ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
GJ1着 1 2 1 6 10.0% 30.0%
GJ2着 1 1 0 6 12.5% 25.0%
GJ3着 0 0 2 3 0.0% 0.0%
GJ4着以下 2 0 0 10 16.7% 16.7%

ハイセイコー記念の前哨戦に位置付けられる「ゴールドジュニア(S3)」。
2020年までは「大井1,400m(外回り)」、2021年~2023年は「大井1,200m(外回り)」、2024年は再び「大井1,400m(外回り)」で行われている。
いずれにしても「大井1,600m(内回り)」のハイセイコー記念とは条件が大きく異なると言えるだろう。

とは言え、近年は「ゴールドジュニア出走組」、とりわけ「ゴールドジュニア4着内」の成績が良い。
2018年以降、直近6年の成績を抜き出すと、「ゴールドジュニア4着内」はのべ13頭が出走して3勝、2着3回、3着2回である。
※直近6年で3着内に好走しなかったケースは2021年の1回のみ

また、「ゴールドジュニア」は2020年から「S3重賞」に昇格(旧準重賞)。
重賞初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出したのは偶然ではないだろう。

レースレベルが格段に向上したゴールドジュニア、今年も要チェックとなりそうだ。

2024年ゴールドジュニアの結果

素質馬に距離は関係ない!?

【マイル戦の経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 4 4 4 56 5.9% 11.8%
経験なし 6 6 6 43 9.8% 19.7%

2歳馬にとって克服すべき課題の1つは「距離の壁」。
ハイセイコー記念が行われる「1,600m」の「経験あり/なし」別の成績は上記の通りだ。

これを見ると、「経験あり」の4勝、2着4回、3着4回に対して、「経験なし」は6勝、2着6回、3着6回。
初めて経験する距離は課題でもあるが、重賞を勝つような素質馬は「克服している」という結果になっている。

経験値か?それとも…!?

【レース経験数別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3戦以内 6 1 4 38 12.2% 14.3%
4戦以上 4 9 6 61 5.0% 16.3%

こちらのデータはハイセイコー記念までの「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けた成績だ。

「3戦以内」の成績は6勝、2着1回、3着4回、「4戦以上」は4勝、2着9回、3着6回。
1着は「3戦以内」から、2着は「4戦以上」からと明確な結果が出ている。

「マイル戦の経験有無」と同様、経験の浅さを素質・能力で補っていると言えそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2日連続重賞!11月12日(火)に川崎競馬場で行われる「ローレル賞(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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