~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年4月24日(水) 
サラ系3歳 大井1,800m
羽田盃(Jpn1)

レース紹介

3歳ダート三冠開幕「羽田盃(Jpn1)」!
南関東の三冠から日本ダート競馬の三冠へ。
全国の地方馬、さらにはJRA所属馬に門戸が開かれた3歳ダート三冠の開幕だ。

なお、本データ分析は南関東クラシック当時のデータを採用している。

【3歳ダート三冠】
▽4/24(水) 大井1,800m 「羽田盃(Jpn1)」
▽6/5(水) 大井2,000m 「東京ダービー(Jpn1)」
▽10/2(水) 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」

▼データ分析のポイント
・1~4番人気馬で8勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・2歳重賞ウイナーに注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ミックファイア 大井 シニスターミニスター 4人気
2022年 ミヤギザオウ 大井 パイロ 9人気
2021年 トランセンデンス 浦和 トランセンド 5人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ミューチャリー 船橋 パイロ 1人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 1人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2015年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 2人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気

2022年はパイロ産駒のミヤギザオウ、2023年はシニスターミニスター産駒のミックファイアが勝利。
この種牡馬2頭はクラシック制覇を足掛かりに、初の南関東リーディングサイアーの座を獲得することになる。

南関東で一時代を築いたサウスヴィグラス産駒から羽田盃馬は誕生しなかったが、
新時代のダート種牡馬に限れば“旬”を迎えた種牡馬が結果を出している傾向にあるようだ。

2024年南関東リーディングサイアーはこちら

今年のリーディングサイアーはマジェスティックウォリアーが首位を走っている。
3歳世代では2歳女王ローリエフレイバー、重賞2勝のギガースがマジェスティックウォリアー産駒の筆頭だ。

また、先日の「川崎記念(Jpn1)」を制したライトウォーリアもマジェスティックウォリアー産駒なので、今がまさに“旬”と言えるだろう。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手の手綱

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿
2022年 真島 大輔 今野 忠成 御神本 訓史
2021年 森 泰斗 左海 誠二 的場 文男
2020年 山崎 誠士 本橋 孝太 左海 誠二
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 矢野 貴之
2018年 本橋 孝太 森 泰斗 矢野 貴之
2017年 矢野 貴之 森 泰斗 赤岡 修次
2016年 森 泰斗 本田 正重 赤岡 修次
2015年 石崎 駿 左海 誠二 今野 忠成
2014年 吉原 寛人 川島 正太郎 今野 忠成

過去10年の羽田盃で抜群の相性を誇るのが「森泰斗騎手」。
タービランスとトランセンデンスで勝利したほか、2着も4回あり、その連対率は脅威の66.7%となる。
今年も既に4つのタイトルを獲得しているが、いずれもクラシックでの活躍が期待される3歳馬だ。

2023年に三冠ジョッキーとなった「御神本訓史騎手」は2勝、3着1回の成績。
また、南関東リーディングを獲得した「笹川翼騎手」は牡馬クラシック無冠だけに力が入るところだろう。

1~4番人気が8勝、2着8回だが!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 1 2 50.0% 70.0%
2人気 1 4 2 3 10.0% 50.0%
3人気 0 2 1 7 0.0% 20.0%
4人気 2 0 2 6 20.0% 20.0%
5人気 1 0 0 9 10.0% 10.0%
6人気以下 1 2 4 88 1.1% 3.2%

「1番人気馬」が勝率50.0%、連対率70.0%で最も信頼度が高い。
これに続くのが連対率50.0%の「2番人気馬」となり、「1・2番人気」でのワンツーは過去10年で3回だ。

なお、「1番人気馬」は2014年から6年連続で連対(5勝)してるが、2020年からの4年間では2着が1回あるのみ。
「1番人気馬」の信頼度は以前より高くないと言えるだろう。

過去10年の上位3頭の人気はこちらも参考にして頂きたい。

堅い重賞?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 1,360 950 11,740
2022年 4,040 190,320 3,019,350
2021年 830 2,520 30,580
2020年 690 1,470 106,930
2019年 260 290 1,680
2018年 180 2,090 19,500
2017年 220 330 9,720
2016年 240 660 9,520
2015年 640 490 61,170
2014年 110 450 1,180
平均 857 19,957 327,137

人気別成績にも記載の通り、配当は高配当サイドに傾いてきている。
過去10年を5年ずつに分けたときの平均配当は以下の通り。

「2014年~2018年」単勝 278円 馬複  804円 三連単 20,218円
「2019年~2023年」単勝1,436円 馬複39,110円 三連単634,056円

2022年のビックリ配当が平均を押し上げてはいるが、その年を除いても平均配当は「2019年~2023年」の方が高い。
今年はダートグレード競走として迎えるわけだが、直近のデータ傾向的には三冠初戦は一筋縄ではいかない。

船橋&大井&小久保厩舎

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 2 3 21 7.1% 14.3%
船橋 3 6 4 22 8.6% 25.7%
大井 4 2 1 60 6.0% 9.0%
川崎 1 0 2 12 6.7% 6.7%

「船橋所属馬」と「大井所属馬」が2強を形成。
過去10年の連対馬20頭中、15頭を両所属馬で占めている状況だ。

両所属馬の成績は「船橋所属馬」の3勝、2着6回、「大井所属馬」の4勝、2着2回。
厩舎別では、ミューチャリーなどで羽田盃を制している「矢野義幸厩舎(船橋)」が3勝を挙げる活躍ぶり。

また、近年は「浦和所属」の小久保智厩舎が抜群の相性。
2020年以降で1勝、2着2回、3着2回、4年連続で3着内馬を送り出している。

近年のデータ傾向的には「船橋」「大井」「小久保厩舎(浦和)」の組み合わせとなるだろうか。

過去10年の調教師別の成績はこちら

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 0 0 11 15.4% 15.4%
2枠 0 2 1 12 0.0% 13.3%
3枠 1 3 2 13 5.3% 21.1%
4枠 0 1 0 18 0.0% 5.3%
5枠 2 1 1 15 10.5% 15.8%
6枠 2 2 2 14 10.0% 20.0%
7枠 2 1 2 15 10.0% 15.0%
8枠 1 0 2 17 5.0% 5.0%

全ての枠に連対実績がある。

過去10年の羽田盃平均出走頭数は14.5頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 111 7.1% 14.2%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 3 0.0% 0.0%

牡馬クラシック第1戦ということもあり、牝馬の出走は過去10年で1頭のみ。

必勝展開はマイポジション?

【1~3着馬の4コーナー通過順】

1着 2着 3着
1番手 3 2 2
2~5番手 4 5 6
6~10番手 2 2 2
11番手以降 1 1 0

4コーナー出口からスタートし、外回りコースをぐるっと1周するコース設定。
力の発揮しやすいコースということで、上位勢の4コーナーでの位置取りに大きな偏りはない。

過去には直線一気も決まっているので、展開予想も重要なファクターになりそうだ。

上位3頭のコーナー別の位置取りはこちら
nankankeiba.comのリニューアルにより可視化されたデータは参考になるだろう。

京浜盃優勝馬が主役!

【京浜盃の着順別の成績】

京浜盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
京浜盃1着 3 3 3 1 30.0% 60.0%
京浜盃2着 0 1 1 7 0.0% 11.1%
京浜盃3着 0 0 0 8 0.0% 0.0%
京浜盃4着以下 2 2 5 35 4.5% 9.1%

羽田盃トライアル「京浜盃」との関連性が非常に興味深い。

過去10年の「京浜盃」優勝馬は全て羽田盃に出走して3勝、2着3回、3着3回、4着1回。
3着内率90.0%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。
一方、「京浜盃2着馬・3着馬」はやや分が悪く、「京浜盃」で4着以下に敗れた馬の方が目立つ成績を残している。

2024年から「京浜盃」もダートグレード競走となったわけだが、勝ち馬サントノーレの戦線離脱により混戦模様!?

なお、「京浜盃」以外のレースをステップに羽田盃を制した馬は、
2017年キャプテンキング、2019年ミューチャリー、2020年ゴールドホイヤー、2022年ミヤギザオウ、2023年ミックファイアの5頭だ。

2024年京浜盃の結果

クラウンカップ10着以下から!?

【クラウンカップの着順別の成績】

クラウンC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラウンC1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
クラウンC2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC4着以下 0 1 2 12 0.0% 6.7%

「クラウンカップ」は施行時期によって「羽田盃トライアル」or「東京ダービートライアル」として実施されており、
過去10年では、2014年と2021年が東京ダービートライアルとして行われている。
※東京ダービートライアル時は「クラウンカップ」⇒「羽田盃」が連闘だった(参戦実績なし)

2024年も東京ダービートライアルとしての実施だが、羽田盃まで中2週となるので参戦してくる馬はいるかもしれない。

「クラウンカップ」出走馬のうち、羽田盃で3着内に好走した馬は3頭。
2015年10着ラッキープリンス(羽田盃3着)、2020年13着ファルコンウィング(羽田盃3着)、2022年11着ライアン(羽田盃2着)が該当する。
いずれも「クラウンカップ」二桁着順からの巻き返しで、羽田盃での人気も10番人気以下だった。

しかしながら、南関東クラシックの有力馬が一堂に会す京浜盃と比較すると、データ上では劣勢と言わざるを得ない。

2024年クラウンカップの結果

王道ローテに!

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 2 2 2 14.3% 42.9%
雲取賞2着 2 0 1 3 33.3% 33.3%
雲取賞3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 14 0.0% 6.3%

2019年から「S3重賞」、2024年から「ダートグレード競走」に昇格した「雲取賞(Jpn3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。

2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。

【雲取賞の着順別の成績(重賞昇格以降)】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 1 2 0 25.0% 50.0%
雲取賞2着 2 0 1 1 50.0% 50.0%
雲取賞3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 0 5 0.0% 16.7%

2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ8頭が参戦。
この8頭で3勝、2着1回、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。

また、優勝した3頭中、2頭は「雲取賞」から羽田盃に直行したように、羽田盃と同じコース設定の雲取賞は“王道路線”と言えるだろう。
こちらもダートグレード競走となったので傾向が変わる可能性はあるものの、コース実績にはやはり注目したい。

2024年雲取賞の結果

好走馬は少ないが…!?

【クラシックトライアル(TR)の着順別の成績】

クラシックTR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラシックTR1着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
クラシックTR2着 0 0 0 6 0.0% 0.0%
クラシックTR3着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
クラシックTR4着以下 0 0 1 7 0.0% 0.0%

2017年から行われている「クラシックトライアル」。
2024年からは「クラシックチャレンジ」と名称を改め、羽田盃の指定競走(※)として実施される。

※羽田盃出走馬の選定にあたり、その成績を重視される競走

昨年までは1着馬に東京ダービー、1・2着馬に羽田盃への優先出走権が付与されていた。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制覇。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。

全体的にみると羽田盃での好走率は低くなっているが、回を重ねる度にレースレベルは上昇しているのかもしれない。

2024年クラシックチャレンジの結果

ハイセイコー記念覇者に注目!

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 1 0 1 0.0% 50.0%
鎌倉記念優勝馬 1 3 0 0 25.0% 100.0%
平和賞優勝馬 1 1 0 3 20.0% 40.0%
ハイセイコー記念優勝馬 1 2 1 2 16.7% 50.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 1 0 1 33.3% 66.7%

※ゴールドジュニアは2020年以降のデータ(重賞昇格後)

南関東では8月~12月にかけて2歳重賞が行われる。

各重賞馬の成長力は気になるところだが、データ的には悪くない数字と言えるだろう。
これと同様のデータは、今年の京浜盃(南関データ分析)でも抽出しているが、その時の数字は下表の通り。

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%
鎌倉記念優勝馬 1 0 0 3 25.0% 25.0%
平和賞優勝馬 0 0 1 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 5 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 2 33.3% 33.3%

出走頭数こそ「京浜盃」と「羽田盃」では異なるものの、各2歳重賞の連対率は羽田盃の方が明らかに良い。
“本番で一変”する2歳重賞ウイナーの存在を忘れてはいけないと言うことだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は4月25日(木)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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