3歳ダート三冠開幕「羽田盃(Jpn1)」!
南関東の三冠から日本ダート競馬の三冠へ。
全国の地方馬、さらにはJRA所属馬に門戸が開かれた3歳ダート三冠の開幕だ。
なお、本データ分析は南関東クラシック当時のデータを採用している。
【3歳ダート三冠】
▽4/24(水) 大井1,800m 「羽田盃(Jpn1)」
▽6/5(水) 大井2,000m 「東京ダービー(Jpn1)」
▽10/2(水) 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」
▼データ分析のポイント
・1~4番人気馬で8勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・2歳重賞ウイナーに注目
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2023年 | ミックファイア | 大井 | シニスターミニスター | 4人気 |
2022年 | ミヤギザオウ | 大井 | パイロ | 9人気 |
2021年 | トランセンデンス | 浦和 | トランセンド | 5人気 |
2020年 | ゴールドホイヤー | 川崎 | トランセンド | 4人気 |
2019年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 1人気 |
2018年 | ヤマノファイト | 船橋 | エスポワールシチー | 1人気 |
2017年 | キャプテンキング | 大井 | ファスリエフ | 1人気 |
2016年 | タービランス | 浦和 | パイロ | 1人気 |
2015年 | ストゥディウム | 船橋 | ルースリンド | 2人気 |
2014年 | ハッピースプリント | 大井 | アッミラーレ | 1人気 |
2022年はパイロ産駒のミヤギザオウ、2023年はシニスターミニスター産駒のミックファイアが勝利。
この種牡馬2頭はクラシック制覇を足掛かりに、初の南関東リーディングサイアーの座を獲得することになる。
南関東で一時代を築いたサウスヴィグラス産駒から羽田盃馬は誕生しなかったが、
新時代のダート種牡馬に限れば“旬”を迎えた種牡馬が結果を出している傾向にあるようだ。
2024年南関東リーディングサイアーはこちら
今年のリーディングサイアーはマジェスティックウォリアーが首位を走っている。
3歳世代では2歳女王ローリエフレイバー、重賞2勝のギガースがマジェスティックウォリアー産駒の筆頭だ。
また、先日の「川崎記念(Jpn1)」を制したライトウォーリアもマジェスティックウォリアー産駒なので、今がまさに“旬”と言えるだろう。
名手の手綱
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2023年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 石崎 駿 |
2022年 | 真島 大輔 | 今野 忠成 | 御神本 訓史 |
2021年 | 森 泰斗 | 左海 誠二 | 的場 文男 |
2020年 | 山崎 誠士 | 本橋 孝太 | 左海 誠二 |
2019年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2018年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2017年 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 | 赤岡 修次 |
2016年 | 森 泰斗 | 本田 正重 | 赤岡 修次 |
2015年 | 石崎 駿 | 左海 誠二 | 今野 忠成 |
2014年 | 吉原 寛人 | 川島 正太郎 | 今野 忠成 |
過去10年の羽田盃で抜群の相性を誇るのが「森泰斗騎手」。
タービランスとトランセンデンスで勝利したほか、2着も4回あり、その連対率は脅威の66.7%となる。
今年も既に4つのタイトルを獲得しているが、いずれもクラシックでの活躍が期待される3歳馬だ。
2023年に三冠ジョッキーとなった「御神本訓史騎手」は2勝、3着1回の成績。
また、南関東リーディングを獲得した「笹川翼騎手」は牡馬クラシック無冠だけに力が入るところだろう。
1~4番人気が8勝、2着8回だが!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 2 | 1 | 2 | 50.0% | 70.0% |
2人気 | 1 | 4 | 2 | 3 | 10.0% | 50.0% |
3人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% |
4人気 | 2 | 0 | 2 | 6 | 20.0% | 20.0% |
5人気 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 2 | 4 | 88 | 1.1% | 3.2% |
「1番人気馬」が勝率50.0%、連対率70.0%で最も信頼度が高い。
これに続くのが連対率50.0%の「2番人気馬」となり、「1・2番人気」でのワンツーは過去10年で3回だ。
なお、「1番人気馬」は2014年から6年連続で連対(5勝)してるが、2020年からの4年間では2着が1回あるのみ。
「1番人気馬」の信頼度は以前より高くないと言えるだろう。
過去10年の上位3頭の人気はこちらも参考にして頂きたい。
堅い重賞?
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2023年 | 1,360 | 950 | 11,740 |
2022年 | 4,040 | 190,320 | 3,019,350 |
2021年 | 830 | 2,520 | 30,580 |
2020年 | 690 | 1,470 | 106,930 |
2019年 | 260 | 290 | 1,680 |
2018年 | 180 | 2,090 | 19,500 |
2017年 | 220 | 330 | 9,720 |
2016年 | 240 | 660 | 9,520 |
2015年 | 640 | 490 | 61,170 |
2014年 | 110 | 450 | 1,180 |
平均 | 857 | 19,957 | 327,137 |
人気別成績にも記載の通り、配当は高配当サイドに傾いてきている。
過去10年を5年ずつに分けたときの平均配当は以下の通り。
「2014年~2018年」単勝 278円 馬複 804円 三連単 20,218円
「2019年~2023年」単勝1,436円 馬複39,110円 三連単634,056円
2022年のビックリ配当が平均を押し上げてはいるが、その年を除いても平均配当は「2019年~2023年」の方が高い。
今年はダートグレード競走として迎えるわけだが、直近のデータ傾向的には三冠初戦は一筋縄ではいかない。
船橋&大井&小久保厩舎
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 2 | 2 | 3 | 21 | 7.1% | 14.3% |
船橋 | 3 | 6 | 4 | 22 | 8.6% | 25.7% |
大井 | 4 | 2 | 1 | 60 | 6.0% | 9.0% |
川崎 | 1 | 0 | 2 | 12 | 6.7% | 6.7% |
「船橋所属馬」と「大井所属馬」が2強を形成。
過去10年の連対馬20頭中、15頭を両所属馬で占めている状況だ。
両所属馬の成績は「船橋所属馬」の3勝、2着6回、「大井所属馬」の4勝、2着2回。
厩舎別では、ミューチャリーなどで羽田盃を制している「矢野義幸厩舎(船橋)」が3勝を挙げる活躍ぶり。
また、近年は「浦和所属」の小久保智厩舎が抜群の相性。
2020年以降で1勝、2着2回、3着2回、4年連続で3着内馬を送り出している。
近年のデータ傾向的には「船橋」「大井」「小久保厩舎(浦和)」の組み合わせとなるだろうか。
過去10年の調教師別の成績はこちら。
枠番による有利不利は少ない
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2 | 0 | 0 | 11 | 15.4% | 15.4% |
2枠 | 0 | 2 | 1 | 12 | 0.0% | 13.3% |
3枠 | 1 | 3 | 2 | 13 | 5.3% | 21.1% |
4枠 | 0 | 1 | 0 | 18 | 0.0% | 5.3% |
5枠 | 2 | 1 | 1 | 15 | 10.5% | 15.8% |
6枠 | 2 | 2 | 2 | 14 | 10.0% | 20.0% |
7枠 | 2 | 1 | 2 | 15 | 10.0% | 15.0% |
8枠 | 1 | 0 | 2 | 17 | 5.0% | 5.0% |
全ての枠に連対実績がある。
過去10年の羽田盃平均出走頭数は14.5頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 10 | 10 | 111 | 7.1% | 14.2% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
牡馬クラシック第1戦ということもあり、牝馬の出走は過去10年で1頭のみ。
必勝展開はマイポジション?
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
1番手 | 3 | 2 | 2 |
2~5番手 | 4 | 5 | 6 |
6~10番手 | 2 | 2 | 2 |
11番手以降 | 1 | 1 | 0 |
4コーナー出口からスタートし、外回りコースをぐるっと1周するコース設定。
力の発揮しやすいコースということで、上位勢の4コーナーでの位置取りに大きな偏りはない。
過去には直線一気も決まっているので、展開予想も重要なファクターになりそうだ。
上位3頭のコーナー別の位置取りはこちら。
nankankeiba.comのリニューアルにより可視化されたデータは参考になるだろう。
京浜盃優勝馬が主役!
京浜盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
京浜盃1着 | 3 | 3 | 3 | 1 | 30.0% | 60.0% |
京浜盃2着 | 0 | 1 | 1 | 7 | 0.0% | 11.1% |
京浜盃3着 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% |
京浜盃4着以下 | 2 | 2 | 5 | 35 | 4.5% | 9.1% |
羽田盃トライアル「京浜盃」との関連性が非常に興味深い。
過去10年の「京浜盃」優勝馬は全て羽田盃に出走して3勝、2着3回、3着3回、4着1回。
3着内率90.0%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。
一方、「京浜盃2着馬・3着馬」はやや分が悪く、「京浜盃」で4着以下に敗れた馬の方が目立つ成績を残している。
2024年から「京浜盃」もダートグレード競走となったわけだが、勝ち馬サントノーレの戦線離脱により混戦模様!?
なお、「京浜盃」以外のレースをステップに羽田盃を制した馬は、
2017年キャプテンキング、2019年ミューチャリー、2020年ゴールドホイヤー、2022年ミヤギザオウ、2023年ミックファイアの5頭だ。
2024年京浜盃の結果
クラウンカップ10着以下から!?
クラウンC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
クラウンC1着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC2着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC3着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC4着以下 | 0 | 1 | 2 | 12 | 0.0% | 6.7% |
「クラウンカップ」は施行時期によって「羽田盃トライアル」or「東京ダービートライアル」として実施されており、
過去10年では、2014年と2021年が東京ダービートライアルとして行われている。
※東京ダービートライアル時は「クラウンカップ」⇒「羽田盃」が連闘だった(参戦実績なし)
2024年も東京ダービートライアルとしての実施だが、羽田盃まで中2週となるので参戦してくる馬はいるかもしれない。
「クラウンカップ」出走馬のうち、羽田盃で3着内に好走した馬は3頭。
2015年10着ラッキープリンス(羽田盃3着)、2020年13着ファルコンウィング(羽田盃3着)、2022年11着ライアン(羽田盃2着)が該当する。
いずれも「クラウンカップ」二桁着順からの巻き返しで、羽田盃での人気も10番人気以下だった。
しかしながら、南関東クラシックの有力馬が一堂に会す京浜盃と比較すると、データ上では劣勢と言わざるを得ない。
2024年クラウンカップの結果
王道ローテに!
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 2 | 2 | 2 | 14.3% | 42.9% |
雲取賞2着 | 2 | 0 | 1 | 3 | 33.3% | 33.3% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 1 | 14 | 0.0% | 6.3% |
2019年から「S3重賞」、2024年から「ダートグレード競走」に昇格した「雲取賞(Jpn3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。
2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 1 | 2 | 0 | 25.0% | 50.0% |
雲取賞2着 | 2 | 0 | 1 | 1 | 50.0% | 50.0% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% |
2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ8頭が参戦。
この8頭で3勝、2着1回、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。
また、優勝した3頭中、2頭は「雲取賞」から羽田盃に直行したように、羽田盃と同じコース設定の雲取賞は“王道路線”と言えるだろう。
こちらもダートグレード競走となったので傾向が変わる可能性はあるものの、コース実績にはやはり注目したい。
2024年雲取賞の結果
好走馬は少ないが…!?
クラシックTR着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
クラシックTR1着 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0.0% | 20.0% |
クラシックTR2着 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
クラシックTR3着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
クラシックTR4着以下 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% |
2017年から行われている「クラシックトライアル」。
2024年からは「クラシックチャレンジ」と名称を改め、羽田盃の指定競走(※)として実施される。
※羽田盃出走馬の選定にあたり、その成績を重視される競走
昨年までは1着馬に東京ダービー、1・2着馬に羽田盃への優先出走権が付与されていた。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制覇。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。
全体的にみると羽田盃での好走率は低くなっているが、回を重ねる度にレースレベルは上昇しているのかもしれない。
2024年クラシックチャレンジの結果
ハイセイコー記念覇者に注目!
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゴールドジュニア優勝馬 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% |
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 3 | 0 | 0 | 25.0% | 100.0% |
平和賞優勝馬 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 1 | 2 | 1 | 2 | 16.7% | 50.0% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 1 | 0 | 1 | 33.3% | 66.7% |
※ゴールドジュニアは2020年以降のデータ(重賞昇格後)
南関東では8月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
各重賞馬の成長力は気になるところだが、データ的には悪くない数字と言えるだろう。
これと同様のデータは、今年の京浜盃(南関データ分析)でも抽出しているが、その時の数字は下表の通り。
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゴールドジュニア優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% |
平和賞優勝馬 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
出走頭数こそ「京浜盃」と「羽田盃」では異なるものの、各2歳重賞の連対率は羽田盃の方が明らかに良い。
“本番で一変”する2歳重賞ウイナーの存在を忘れてはいけないと言うことだ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は4月25日(木)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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