コラム

雲取賞      

2月23日に大井競馬場で行われた雲取賞は、直線で抜け出したヒーローコールが単勝1・5倍の断然人気に応える完勝。
NARグランプリ2022の2歳最優秀牡馬が今年の始動戦を飾り、南関東3冠戦線の主役に躍り出ました。

予定していた全日本2歳優駿(4着)は負傷で乗れず、今回が初騎乗となった森泰斗騎手は横綱相撲のVに
「見た目以上に余裕があり、来れば来る分だけ反応していたので大丈夫でした。今年の主役を張れる馬だと思います」ときっぱり。
全日本2歳優駿のレース後に笹川翼騎手も同様のコメント(コラム参照)をしていますから、大物であることに間違いありません。
次走は伏竜S(3月25日、中山ダート1,800メートル)を予定。地方競馬代表としてJRAの舞台に挑みます。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ヒーローコール1着
〇マンダリンヒーロー2着
▲グロリオサ6着
△タイガーチャージ4着
△リアルガー5着

で的中。

ハイセイコー記念の勝ち馬で2番人気マンダリンヒーローは、メンバー最速の末脚で追い上げるも1馬身差の2着。
デビュー以来の連勝は4でストップしましたが、矢野貴之騎手は
「淡々と流れて向こうの競馬にもなっている。それでよく最後詰めているなって感じもするし、逆転の目はあると思います。
勝ち馬が2番手に行った時点で誰も競りかけるのはいないし、少頭数だとそうなっちゃうから。
多頭数の方がこの馬の良さは生きる」と前を向きます。
南関東3冠の第一戦・羽田盃(5月10日、大井1,800メートル)での〝ヒーロー対決〟の第2ラウンドが今から楽しみです。

主導権を握って3着に粘り込んだのは、5番人気トワシュトラールでした。
ハイセイコー記念4着以来で手綱を取った達城龍次騎手は
「周りも誰も行かなかったので押し出される感じで、楽に馬なりでハナに行ったので負担はかからなかった。
以前に乗せてもらった時より馬は良くなっているので、強くなっていると思います。
これだけいい勝負をしていますから、楽しめそう。スタートセンスもあるので」と確かな手応えをつかんでいました。

一方で、人気を下回る結果になった以下の2頭はこれからの成長が鍵になりそうです。
転入初戦の白鳥特別Vで同舞台を経験していた3番人気タイガーチャージは4着。
3着から5馬身遅れの内容に笹川騎手は
「ほぼ描いていた通りの競馬はできましたけど、速い脚がないので、次はそれを踏まえて乗ろうと思います。
バテないのは強み。できれば3着は欲しかった」と振り返ります。

また、平和賞2着後に転入してきた4番人気グロリオサは6着。
約4か月ぶりでしたが、和田譲治騎手は
「この子のペースで行って、しまいどれだけ脚を使えるかなって感じで乗ったけど、ジリジリかな。
休み明けの分、上積みはある」とコメント。
現状では上位組との力差を感じますが、前者の半兄ヒカリオーソ(父フリオーソ)は19年の東京ダービー、戸塚記念を含む重賞4勝馬で、
後者の半兄セイカメテオポリス(父マジェスティックウォリアー)は21年の戸塚記念勝ち馬。
血統的な裏付けは十分にあり、クラシック路線での大駆けに注意が必要でしょう。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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