3月29日に大井競馬場で行われた京浜盃は、メンバー最速の上がり3ハロン36秒8の末脚を繰り出した4番人気サベージが差し切り勝ち。
気性の若さがネックで出世が遅れていましたが、2度目の重賞挑戦でタイトルを手に入れました。
コンビ3度目の石崎駿騎手は「折り合いが難しい馬で前半は苦労していたけど、
向正面でなんとか我慢してくれたので最後はいい脚を使ってくれました。
少し力を抜いて息を入れて走るようになってきている点は成長していると感じます」とコメント。
『すぱっと!POG!2022−23コラム〜大井編〜』でピックアップした通り、森下淳平調教師の期待に応える鮮やかな勝利。
南関東3歳3冠の第一戦・羽田盃(5月10日、大井1,800メートル)でも侮れないでしょう。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ポリゴンウェイヴ7着
〇サベージ1着
▲リベイクフルシティ4着
△トノパー2着
△サグアロ6着
△シャープムスタング12着
でハズレ。
◎に推奨した1番人気ポリゴンウェイヴはまさかの7着。
デビュー9戦目にして初めて馬券圏外に沈む不本意なレースぶりに笹川翼騎手は
「道中の雰囲気はすごく良くて、正重さんをかわせば勝てるなっていう手応えはあったけど、
3コーナーからちょっとペースが上がった時に少し怪しくなってきて…。
なんか伸びなかったというか、追って反応がなかったですね。
前回(ニューイヤーC)は反応があってやめて、反応があってって感じでしたけど、今回は勝負どころでそれが一回もなかった。
馬場(重)は問題ない」と首を捻ります。
世代トップクラスの素質を疑う余地はありませんが、敗因は気性なのか?距離なのか?
次走予定の羽田盃で見極めたいと思います。
転入初戦を9馬身差で圧勝した2番人気トノパーが0秒1差2着に粘りました。
中5日の連闘策、重賞初挑戦でしたが、直線で一旦先頭に立つ見せ場たっぷりの内容に本田正重騎手は
「直線は勝つなって感じだった。けっこう伸びていたし、かわされると思わなかった。
コーナー、コーナーで外にもたれながら走っていたし、体は全然しっかりしていなくて、まだまだこれからの馬。
ひっかかったりする馬じゃないし、むしろ進まないぐらいだから距離は延びても大丈夫。将来は楽しみ」と太鼓判。
前走でマークした浦和1,400メートル1分27秒7が同日の準重賞・ティアラC(勝ち馬グランパラディーゾ)に0秒3差に迫る破格のタイム。
予想を▲にするべきかブログ更新のギリギリまで悩んだだけに、馬単(5)(3)6,710円の払い戻し金額を見て悔いが残りました。
外から脚を伸ばした8番人気オピニオンリーダーが3着に入り、羽田盃の優先出走権を獲得。
通算〈3-2-0-0〉はすべて大井1,200メートルで、一気の距離延長が課題でしたが、
矢野貴之騎手は「走りはスプリンターっぽいけど、センスで対応している感じ。1回使っていれば違ったかな。
最後は並ばれてからまたもうひと伸びしているので、楽しみですね。
流れさえつかんじゃえばもっと走れると思う」と手応え十分です。
ハイセイコー記念5着以来で約4か月半ぶりだった7番人気リベイクフルシティは4着。
和田譲治騎手は「最内枠というのもあって外に出したかった。
砂をかぶってハミが抜けるところはありましたけど、それでも頑張って追走してくれて、最後はしっかり伸びてくれました。
距離は問題ないし、延びても大丈夫」と巻き返しを狙っています。
そして、9番人気5着タイガーチャージの真島大輔騎手は「まだ成長途上だから、徐々にもっと良くなってくると思う。
こっちにきて3戦目だけど、感じはいい。走りもいいし、集中しているし、もっと強くなる。距離は延びた方がいい」と高評価。
今年のクラシック戦線は、JRA初挑戦の伏竜Sで3着したヒーローコールが頭一つ抜き出た存在ですが、
2番手グループの勢力図はまだまだ混沌としています。
江橋 大介
競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。