コラム

クラウンカップ       

4月5日に川崎競馬場で行われた羽田盃トライアル・クラウンCは、
すんなりハナを奪ったポリゴンウェイヴが後続の追撃を封じて1番人気に応える快勝。
京浜盃7着からの連闘策で巻き返しに成功し、ニューイヤーCに次ぐ重賞2勝目を飾りました。

初騎乗の山口達弥騎手は「ポリゴンのペースに任せて気分良く行かせて、最後まで残ってくれて良かったです。
直線で遊ばれて(隣の馬に)併せに行ったらハミを取り直したので、やはり力のある馬だと感じました。
スタートセンスがあるし、テンも速いので、気を抜かずに走ってくれれば距離はもちそう。
これから先まだまだ成長していくと思うので楽しみです」と笑顔。

笹川翼騎手が首を捻った京浜盃の敗因(コラム参照)はおそらく1,700メートルではなく、気性的なもの。
距離を意識して優等生的なレースをさせるより、少し強引に見えても馬を怒らせるような競馬が合っているようです。

次走は優先出走権を獲得した羽田盃(5月10日、大井1,800メートル)へ。
同厩舎のヒーローコール、トノパー、サムタイムアゴーとともに南関東3歳3冠の初戦に挑みます。

『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ポリゴンウェイヴ1着
〇ハセノゴールド3着
▲オーマイグッネス6着
△チェルカトローヴァ5着
△ゴールドラッドマン12着

で単勝のみ的中。

6番人気ナイトオブバンドがメンバー最速の末脚で0秒2差2着まで追い上げました。
初コンビの森泰斗騎手は「最後は手前を替えていなかったけど、それ以外は完ぺき。展開はハマっていますね。
流れを味方につけられたけど、勝ち馬のしぶとさが上だった。いい馬ですよ。
まだ追ってから頼りないけど、手応えぐらい体を使えるようになればおもしろいと思います。
前半ちょっと(ハミを)噛むので距離は延ばさない方がいいかもしれない」とコメント。
新馬から3連勝を飾り、盛岡の南部駒賞とジュニアグランプリ(芝)で2着していた実績馬。
川崎コース向きのイメージが沸かずに無印にしましたが、
終わってみればA級格付けで57キロを背負った2頭によるワンツーフィニッシュでした。

トライアルの覇者で3番人気ハセノゴールドは見せ場たっぷりの3着。
川崎マイルの自己ベストを1秒4も更新する1分44秒8の走破タイムに張田昂騎手は「一瞬やったと思った。勝ちたかったけど、
時計を見てもこの馬なりには詰めてきているし、ちょっとうれしい。
(ポリゴンウェイヴに)勝つには切れ味勝負に持ち込まないといけないけど、先行馬では難しいね。距離はマイルがいい」。
デビューから7戦すべて手綱を取ってきただけに、着実にステップアップしている姿に目を細めていました。

10番人気で4着に健闘したライズゾーンの山崎誠士騎手は「低評価すぎ。今日は絶対にあるなって思っていた。
正攻法の力勝負ではちょっと分が悪いかもしれないけど、器用だからそのへんでカバーして混戦待ち。
距離は大丈夫だと思うけど、1,600メートルぐらいがいい」と手応え十分。

また、2番手を追走した5番人気チェルカトローヴァはしぶとく食い下がって5着。
重賞初挑戦で収穫のあるレースに木間塚龍馬騎手は「指示は前の方に行けたら。思っていたより相手が速かったですね。
(この馬自身は)今のところ差し競馬が決まっていないので、できれば逃げさせたい。
ある程度ゆっくりのペースにしてしまえば、長い距離でも大丈夫。
たぶん重賞も勝てると思います」と前を向きます。

勝ち馬を除く上記の馬たちはマイラータイプの印象で、
クラシック路線よりも東京湾C(5月3日、船橋1,700メートル)のほうがチャンスはありそうです。

そして、転入2戦目の変わり身を見込んで▲に推奨したオーマイグッネスは不完全燃焼の6着。
矢野貴之騎手は「すごくササりましたね。包まれる形が良くなかったのかもしれない。ちょっと若さを出したし、1番枠が良くなかった。
ああいう競馬ができるタイプではない」と残念そう。
門別1,800メートルのサンライズC勝ち馬で距離延長に不安はなく、クラシック戦線でも上位争いに加われる力はあるので、
ハナか、もまれない番手が狙える状況で見直しが必要でしょう。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として20年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた確かな情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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