コラム

サンタアニタトロフィー

8月2日に大井競馬場で行われたサンタアニタトロフィーは、
すんなりハナに立った2番人気シュアゲイトが後続を4馬身突き放す圧勝。
高知時代からの連勝を9に伸ばし、坂井英光調教師、達城龍次騎手とともに重賞初制覇を飾りました。

シュアゲイト

シュアゲイト(Photo by 両角昭男)


最軽量のハンデ51・5キロとはいえ、B3の身で一線級をねじ伏せる会心の勝利に達城騎手は
「少々ハイペースでも止まらないだろうと思っていたので、逃げの戦法を取りました。
向こう正面での手応えが良く、3、4コーナーで引き離す展開になりましたが、
このまま行けば1着を取れるだろうと感じていました」と振り返っています。

達城龍次騎手

達城龍次騎手(Photo by 両角昭男)


重賞ウイナーになってもまだB1格付けという珍しいケース。
どこまで連勝街道を突き進めるのか楽しみです。

シュアゲイト口取

シュアゲイト(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ダノンスプレンダー5着
〇タイムフライヤー3着
▲シュアゲイト1着
△デュープロセス9着
△ヒーローコール10着
△トランセンデンス11着

でハズレ。

◎に推奨した3番人気ダノンスプレンダーは道中の反応が鈍く5着。
21年のアンタレスS、プロキオンS、シリウスSで連続4着した実績馬ですが、
吉原寛人騎手は「なるべくかぶらない位置でと思ったけど、外5、6番手になっちゃったので、仕方なく内へ。
そこからどうしてもズブくなっちゃって、ついて行くのが大変になっちゃった。
直線も止まっている訳ではないけど、ジリジリになって切れがなかった。
外回り1,800メートルでゆったり行けた方がまだいいのかな。
この成績だからやれて欲しいけど、ガツンっていうのがないと地方のダートでは切れ負けしちゃう」とコメント。

JRAの全6勝をダート1,800、1,900メートルでマークしている通り、中距離路線で見直したいと思います。

ダノンスプレンダー

ダノンスプレンダー(Photo by 両角昭男)


9番人気2着で波乱の立役者となったピュアオーシャンの石崎駿騎手は
「3、4コーナーで頂いたかなって思ったけど、ちょっと勝った馬が強かったですね。
この馬自身はいい競馬をしているし、オープンぐらいの方がペース的にたぶん競馬がしやすいと思う。
あまり遅くなると逆にこの馬の良さが生きない。次につながると思います」と手応え十分です。

自己条件で足踏みしていますが、賞金を加算したことでオープン入りは目前。
もともとポテンシャルは高く、再び重賞路線に乗ってきそうです。

ピュアオーシャン

ピュアオーシャン(Photo by 両角昭男)


4番人気タイムフライヤーはメンバー最速タイの末脚で追い上げましたが、3着が精いっぱい。
R.クアトロ騎手は「スタートは少し遅かったですけど、道中はしっかり運べて最後は反応しっかり見せてくれましたので、
フィニッシュとしては良かった」。
ブリリアントCのコラムでも触れている通り、高速馬場のマイルがベスト。
同じ舞台で行われるマイルグランプリ(11月15日)に出走してくればチャンスはあるでしょう。

約5か月ぶりにもかかわらず、4着に健闘した14番人気マムティキングの張田昂騎手は
「短距離では後ろからになるけど、マイルならついて行ける。
休み明けでこれだけ走れたし、この先もチャンスはある」と昨年(9番人気4着)と同様の評価。
マイル実績はありませんが、ノーマークにできない存在です。

今年の羽田盃、東京ダービー2着でクラシック戦線を盛り上げたヒーローコールはスタート後に挟まれる不利もあり、1番人気に応えられず10着。
森泰斗騎手は「斤量も見込まれたし、古馬のマイルのペースに戸惑った感じですかね。
周りの圧(プレッシャー)みたいなものも違ったし、残念ではありますけど、いい経験になれば」と悔しさをにじませています。
古馬の厚い壁に跳ね返されましたが、世代トップクラスの素質は疑いようがなく、次走の巻き返しを期待します。

ヒーローコール

ヒーローコール(Photo by 両角昭男)


プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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